11日(金)。わが家に来てから今日で2344日目を迎え、米東部ニューヨーク州で6月、夏の観光シーズンに向けて音楽や芝居などの興業が本格的に再開するが、人を呼び込む切り札になっているのは新型コロナウイルスのワクチン接種で、アリーナや劇場では観客に接種証明書を求める動きも相次いでいる というニュースを見て感想を述べるモコタロです
日本でもっと早く取り組んでたら 東京五輪どうするなんて今ごろ言わずに済んでた
昨日、夕食に「フライパン焼き豚」「山芋の味噌汁」を作りました あとは「エシャレットとキュウリのおつまみ」です。「フライパン焼き豚」は初挑戦ですが、何とか美味しく出来ました 「山芋の味噌汁」は山芋を擦り下ろしただけ シンプル・イズ・べㇲトです
昨夜、サントリーホール「ブルーローズ」で「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」参加公演、エルサレム弦楽四重奏団「ベートーヴェン・サイクルⅣ」を聴きました プログラムはベートーヴェン①「弦楽四重奏曲 第3番 ニ長調 作品18-3」,②「同 第9番 ハ長調 作品59-3『ラズモフスキー第3番』」、③「同 第14番 嬰ハ短調 作品131」です
1曲目はベートーヴェン「弦楽四重奏曲 第3番 ニ長調 作品18-3」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)が1798年から1800年にかけて作曲、彼の後援者フランツ・ヨーゼフ・フォン・ロブコヴィッツ侯爵に献呈された6つの弦楽四重奏曲(作品18ー1~6)のうち、実質的に最初に作曲された作品です 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アダージョ・アフェットゥーソ・エド・アパッショナート」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります
4人の演奏で第1楽章に入りますが、明るく穏やかな曲想を聴いていて、ハイドン風だなと思いました ベートーヴェン最初の弦楽四重奏曲ということもあってか、ベートーヴェンらしさを強烈に感じることがありません。しかし、耳に心地よい曲だと思いました
2曲目は「弦楽四重奏曲 第9番 ハ長調 作品59-3『ラズモフスキー第3番』」です この曲はウィーン駐在ロシア大使ラズモフスキー伯爵の依頼により1805年から06年にかけて作曲された3つの弦楽四重奏曲(作品59ー1~3)の最後の曲です 第1楽章「導入部:アンダンテ・コン・モート」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート・クアジ・アレグレット」、第3楽章「メヌエット:グラツィオーソ」、第4楽章「アレグロ・モルト」の4楽章から成ります
第1楽章の冒頭は序奏ですが、ベートーヴェンは弦楽四重奏曲で初めてこの曲に序奏を取り入れました 4人によるミステリアスな演奏から、突然、明るく開けたような曲想に移るパッセージを聴いて、既視感(既聴感?)を覚えました それはモーツアルト「弦楽四重奏曲第19番K.465”不協和音”」の第1楽章の冒頭部分です また、チェロのピッツィカートに乗せてヴァイオリンとヴィオラが奏でる第2楽章の哀愁に満ちたメロディーが印象的です 一度聴いたら忘れられない曲想です そして、何と言ってもこの曲で一番の魅力は第4楽章「アレグロ・モルト」です フーガ風にテーマを重ねていく疾走感は唯一無二の快感を呼び起こします この推進力こそベートーヴェンの魅力だと言いたくなります 文句なく素晴らしい演奏でした
プログラム後半は「弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 作品131」です この曲は1826年3月頃から7月までウィーンで作曲、甥のカールを士官に任命したヨーゼフ・フォン・シュトゥッターハイム男爵に献呈されました 初演はベートーヴェンの死後、1828年10月です 第1楽章「アダージョ・ノン・トロッポ・エ・モルト・エスプレッシーヴォ」、第2楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」、第3楽章「アレグロ・モデラート」、第4楽章「アンダンテ・マ・ノン・トロッポ・エ・モルト・カンタービレ」、第5楽章「プレスト」、第6楽章「アダージョ・クアジ・ウン・ポコ・アンダンテ」、第7楽章「アレグロ」の7楽章から成りますが、全曲は休みなく演奏されます
ところで、ベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲は、第12番、第15番、第13番、第14番、第16番の順番に作曲されましたが、楽章数は第12番=4楽章、第15番=5楽章、第13番=6楽章、第14番=7楽章と1楽章ずつ増えていき、最後の第16番は4楽章に戻っています これは第16番を除き、ベートーヴェンの表現領域が次々と広がっていったことを意味します
第1楽章でフーガ主題が、第1ヴァイオリン ⇒ 第2ヴァイオリン ⇒ ヴィオラ ⇒ チェロ へと受け継がれていき、それぞれの楽器が絡み合ってフーガを展開していきます クラシックの大先輩J.S.バッハのフーガ技法を取り入れた傑作です ベートーヴェンはこの曲で「バッハに還れ」を実践しています 第2楽章以降は、楽章ごとに目先がクルクルと変わり、自由自在に作曲したと思いがちですが、実は、ベートーヴェンは作曲にあたって約600ページという大量の草稿を作成し、綿密な推敲の果てに自由自在に見える作品として完成したとのことです そこにベートーヴェンらしさを感じ、畏敬の念を抱きます 4人の演奏は、第1ヴァイオリンが突出するということはなく、4人が対等に演奏するスタイルで、それぞれの持ち味を発揮しました
特に中期、後期の作品を聴くと、ベートーヴェンがいかに綿密に作品に取り組んでいたかが想像でき、あらためて彼の偉大さを認識します
今日はエルサレム弦楽四重奏団の「ベートーヴェン・サイクル」最終日、弦楽四重奏曲第5番、第6番、第11番、第16番を聴きに行きます