人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

上岡敏之 ✕ 新日本フィルでブルックナー「交響曲第8番 ハ短調」を聴く ~ 演奏時間 約90分の悠然たる演奏

2023年03月26日 05時29分05秒 | 日記

26日(日)。わが家に来てから今日で2994日目を迎え、中立国・オーストリア法務省は24日、ウクライナ侵攻を巡って国際刑事裁判所から逮捕状を出されたロシアのプーチン大統領が自国を訪問すれば、逮捕する必要があるという立場を示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ヒトラーとスターリンに並ぶ独裁主義者プーチンは どの国でも犯罪者の扱いになる

 

         

 

土・日は料理の写真をアップしないのですが、昨夜は娘が「バターチキンカレー」を作ってくれたのでアップすることにしました 料理はいつも自分で作っているので、他人が作ってくれる料理は格別に美味しいです

 

     

     

         

 

昨日、すみだトリフォニーホールで「新日本フィル創立50周年記念特別演奏会」を聴きました 演奏曲目はブルックナー「交響曲第8番 ハ短調」(ハース版)で、指揮は新日本フィル第4代音楽監督を務めた上岡敏之です

この曲はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1884年から87年にかけて作曲、その後1989年から90年にかけて改訂、1892年12月18日にハンス・リヒター指揮ウィーン・フィルによって初演され、大成功を収めました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ・モデラート」、第3楽章「アダージョ:荘厳にゆっくりと、しかし引きずらないように」、第4楽章「フィナーレ:荘厳に、急がないで」の4楽章から成ります

 

     

 

小雨が降る中、多くの上岡ファン、ブルックナー・ファンが集まりました 会場はほぼ満席ですが、予想通り男性客が圧倒的な多数を占めており、もし休憩時間があったら「ブルックナー公演における男子トイレ長蛇の法則」が適用されていたことが容易に想像できます 気のせいか、ロビーも会場内も いつもと違う高揚感・期待感・緊張感のようなものが漂っていて、まさに「特別演奏会」であることをひしひしと感じます

自席は1階19列13番、センターブロック左通路側です

オケは16型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び   ステージ下手にはハープが2台、クラリネットには新日本フィルOBで元藝大教授の山本正治がスタンバイしています   ホルンは8人ですが、うち4人はワーグナー・テューバ持ち替えで演奏します コンマスは崔文洙、隣は特任コンマス・伝田正秀、第2ヴァイオリンのトップはビルマン聡平、佐々木絵理子、チェロは長谷川彰子、川上徹、ヴィオラは中恵菜、脇屋冴子、コントラバスは菅沼希望、城満太郎という首席クラスによる万全の態勢で臨みます

 

     

 

満場の拍手の中、上岡が登場し指揮台に上ります タクトを持ち譜面台に対峙します

上岡の指揮で第1楽章が弦のトレモロで開始され、チェロ、コントラバスを中心とする低弦の重心の低い演奏に続き、ホルンが悠然と入ってきます 息の長いホルンの演奏を聴いて、「この調子でいくと90分は超えるな」と直感しました。オーボエの神農広樹の演奏が冴えています ヴィオラ・セクションの渾身の演奏が印象的です 第2楽章はごく普通のテンポで進みます 野津雄太のフルート、神農のオーボエ、山本のクラリネットといった木管楽器が素晴らしい 中間部のトリオではハープが美しい演奏でアクセントを与えます ホルン・セクションの分厚い演奏が素晴らしい 第3楽章は弦楽器によるゆったりとした息の長い演奏が続きます 一瞬演奏が止まったのではないか、と思われる箇所が2度訪れましたが、しばしのしじまの後、弱音の弦楽器が出てきたりして演奏が続行します ホルン+ワーグナー・テューバとテューバの分厚い演奏が印象に残ります 上岡の指揮は、最弱音から最高音までのレンジが極めて広いのが特徴で、爆発すると凄い音の塊が迫ってきます 第4楽章はオケの総力を挙げての力強い音楽が繰り広げられます 弦楽器の激しいキザミの中、金管楽器が咆哮し、ティンパニが炸裂し、音の大伽藍を築き上げ、壮大で輝かしいフィナーレを飾りました

演奏時間は私の時計で、第1楽章=約20分、第2楽章=約14分、第3楽章=約28分、第4楽章=約26分、全体で約90分でした 私の予感は当たりました 版の問題もあるので一概には言えないのですが、第2楽章だけが標準的で、他の3つの楽章は長めでした

上岡の指揮は、全体的に悠然としたテンポによる巨匠タイプのスタイルですが、楽員の自主性を尊重する一部の老練な指揮者とは異なり、オケを完璧にコントロールして目指すべき演奏を引き出していきます 最近、演奏経験も人生経験もない若手の指揮者を「マエストロ」と呼んで もてはやす傾向がありますが、マエストロの安売りはやめてほしい 言われている本人も辛いと思う 上岡氏のような指揮者こそ「マエストロ」と呼ぶに相応しいと思います

満場の拍手の中、カーテンコールが繰り返されます 上岡は真っ先にホルン首席の日高剛を立たせ、次いで各セクションごとに立たせて演奏者を讃えます つくづく、上岡が新日本フィルの第4代音楽監督時代に、コロナ禍のため十分な指揮活動ができなかったことが残念でなりません そもそもこの日のブルックナー「第8番」も2020年9月の定期演奏会で演奏するはずでした 現時点で分かっている上岡 ✕ 新日本フィルによる今後のコンサートの予定は、2024年3月の「クラシックへの扉」におけるベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番」(P:アンヌ・ケフェレック)とシューベルト「交響曲第8番”グレイト”」だけだということです いつの日か、新日本フィルでまだ指揮していない ブルックナー「交響曲第5番」を振ってほしいと思います

 

     


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