人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

高関健 ✕ 東京シティ・フィルでブルックナー「交響曲第8番 ハ短調」(第1稿・新全集版ホークショー校訂)を聴く ~ 第372回定期演奏会 ~ 楽団演奏史に残る名演奏!

2024年09月07日 00時01分12秒 | 日記

7日(土)。風邪を引いたのか喉が痛い 昨夜、コンサートから帰ってきて風呂に入り、就寝前に体温を測ったら37.6度あった もう風邪に間違いない 今日は1日中寝ていることにしよう それじゃ、いつもと同じだけど

ということで、わが家に来てから今日で3525日目を迎え、「『いいね』を押すだけ」「スタンプを送るだけ」といった、すき間時間に簡単な作業で稼げるとうたい、逆に送金を要求されるなど、副業に関するトラブルが増加していると国民生活センターが4日、注意を呼びかけた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     楽にお金を稼げる仕事はないと肝に銘じるべきだ  詐欺を仕掛ける奴は監獄に行け!

         

昨日、夕食に「青椒肉絲」「生野菜サラダ」「山芋の味噌汁」を作りました 「チンジャオロースー」は牛肉を使いましたが、美味しく出来ました

     

         

昨夜、東京オペラシティコンサートホールで東京シティ・フィル「第372回定期演奏会」を聴きました プログラムはブルックナー「交響曲第8番 ハ短調」(第1稿・新全集版 ホークショー校訂)です 指揮は常任指揮者・高関健です

     

この曲はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1884年から87年にかけて作曲した全4楽章形式での最後の完成した交響曲です 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ・モデラート」、第3楽章「アダージョ:厳かにゆっくりと、しかし引きずらないように」、第4楽章「フィナーレ:厳かに、速くなく」の4楽章から成ります

柴田克彦氏は「プログラムノート」で次のように解説しています

「本作は、1884年7月に作曲が開始され、翌1885年8月にスケッチが終了。その間に第7番の初演が大成功を収めたことからブルックナーも自信を持って筆を進め、最終的には1887年8月10日に完成された これが第1稿である ブルックナーは敬愛する指揮者ヘルマン・レヴィにスコアを送ったが、『演奏不能』と否定的な返事が返ってきた 落胆したブルックナーはレヴィや弟子のヨーゼフ&フランツのシャルク兄弟の勧めに従って改訂に着手、1890年3月に新たな稿を完成させた これが通常演奏されている第2稿である

「『第8番の改訂は、演奏されるためになされた妥協の産物で、当時自らの創作に自信を持っていた(第5番~7番は改訂を行っていないし、第4楽章を『私の生涯で最も優れた音楽』と自認していた)ブルックナーの本意ではない すなわち第1稿こそ作曲者本来の意思やヴィジョンを反映したものである』といった見方も根強い

また、高関健は「第1稿・新全集版ホークショー校訂について」の中で次のように述べています

「『第1稿』と『第2稿』を比べると、音の選択や和声進行、表情や強弱など細部にわたる違いがある しかし改訂される以前の楽想に かえって魅力を感じることもあり、実に興味深い テンポの設定を変えて演奏する必要もあるだろう。『第1稿』をあらためてよく知ることで、第8交響曲をより深く理解、表現の充実に利することも多いと考える    これこそが今晩初めて『第1稿』を演奏する最大の目的である

上記の2人の解説を頭に入れて、演奏を聴くことになりました

高関健のブルックナーということでか、会場はほぼ満席です

オケは14型で左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対抗配置 ステージ下手にはハープが3台スタンバイします。コンマスは戸澤哲夫です

高関の指揮で第1楽章に入ります 冒頭から谷あかね率いるホルン・セクションが素晴らしい演奏を展開します チェロとコントラバスの低弦の分厚い演奏が印象的です 本多啓佑のオーボエが冴えています いつも聴いている第2稿では、この楽章の最後は息絶えるように終わりますが、第1稿ではフォルティッシモで力強く終わったのでビックリしました 第2楽章ではホルンと弦楽器の渾身の演奏が素晴らしく、固いマレットで打ち込まれるティンパニが心地よく響きます 中間部のトリオの音楽は初めて耳にするフレーズでしたが、これも第1稿によるものです 第3楽章はハープ3台と弦楽セクションのアンサンブルが天国的に美しく、ブルックナーの敬愛する神への捧げもののように感じます ホルンやテューバなど金管楽器が重厚感溢れる演奏を繰り広げます 高関の指揮は地に根が張ったような安定感のあり、ブルックナーの指示通りの演奏であることが分かります 印象的だったのは、頂点で鳴らされるシンバルの数です 第2稿では2発ですが、この日聴いた第1稿では6発が華々しく鳴らされました 第4楽章では、冒頭から分厚いブラス・セクションと弦楽器の渾身の演奏が光ります フィナーレはオケ総力を挙げてのアグレッシブな演奏が展開、音の大伽藍を築き上げました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました 高関は、譜面台上の分厚い第1稿のスコアブックを軽く叩き、「第1稿に拍手を!」を言わんばかりの仕草を見せました

演奏開始は19時06分、終演は20時34分。演奏時間はプレトークで高関氏が語っていた、ゲネプロ時の時間と全く同じ88分でした 私は、ここに高関氏の職人技を見ました

なお、各楽章の演奏時間は私の時計で第1楽章=17分、第2楽章=16分、第3楽章=25分、第4楽章=28分でした

演奏を振り返ってみると、終始 集中力に満ちたアグレッシブな演奏で、弛緩するところが全くありませんでした 滅多に演奏されない版での演奏は新鮮でしたが、ブルックナーらしさは変わりませんでした 東京シティ・フィルの歴史に残る名演奏と言っても過言ではないでしょう

     


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2 コメント

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凄い演奏でした (ままはは)
2024-09-07 09:27:01
中低音の分厚い響きが全体にあってシティフィルの良さが十分に表れていたようです。
私は仕事で疲れていたので、かなりウトウトしていましたが、それも心地よい響きが聞こえてきてのこと。
ティンパニのここぞ!というときの打撃も素晴らしかったです。

終ってからの楽団員の満足そうな表情も印象的でした。「やり切ったわ!」と笑顔が物語っていました。
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楽団員も聴衆も満足 (tora)
2024-09-07 12:36:41
ままははさん コメントありがとうございました

確かに終演後の楽団員の皆さんの顔は満足気に見えましたね
それにしても高関氏の統率力が素晴らしかったです
返信する

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