人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

井上道義 ✕ 音楽大学フェスティバルオーケストラで伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」、ストラヴィンスキー「春の祭典」他を聴く ~ ミューザ川崎

2023年03月27日 06時03分15秒 | 日記

27日(月)。わが家に来てから今日で2995日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は26日に公開されたロシア国営テレビのインタビューで、「米欧は、1930年代のナチス・ドイツ、ファシストのイタリア、軍国主義の日本から成る枢軸のような同盟をつくろうとしている」と批判した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ナチスのプーチン ファシストのプーチン 覇権主義のロシア 悪の枢軸ロシアじゃね

     

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで「第12回音楽大学フェスティバルオーケストラ」公演を聴きました   プログラムは①ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「天体の音楽」作品235、②伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」、③ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」です   演奏は上野学園大学、国立音楽大学、昭和音楽大学、洗足学園音楽大学、東京音楽大学、東京藝術大学、東邦音楽大学、桐朋学園大学、武蔵野音楽大学からの選抜学生。指揮は2024年末をもって指揮者を引退する井上道義です

本公演はもともと2020年3月に実施される予定でしたが、コロナ禍のため実施されなかったため、3年ぶりの実現ということになります

 

     

 

自席は1C9列13番、1階センターブロック左通路側です 会場は9割くらいは入っているでしょうか。学生オケとはいえ、井上道義の伊福部作品というだけでも集客力があります

大きな拍手の中、9音大の選抜学生が入場し配置に着きます オケは16型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。ステージ下手にはハープがスタンバイします コンミスは国立音大の吉澤萌依子さんです ここ数年の傾向として女子学生が多いことに変わりはありません

1曲目はヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「天体の音楽」作品235です この曲はヨハン・シュトラウス1世の次男ヨーゼフ・シュトラウス(1827-1870)が、ウィーン大学医学部生のサークルと思われる「医学舞踏会」から委嘱を受けて作曲、1868年に初演された作品です

井上が登場しますが、指揮台も譜面台もありません オケと同じ目線で指揮を執ります 曲はハープから始まり、宇宙を思い浮かべさせます。しばらくして、弦楽器によって主題が演奏された時は背筋が寒くなる感動を覚えました 作品数は兄のシュトラウス2世の方が圧倒的に多いですが、ヨゼフはこの曲のような珠玉の名作を残しています 井上は昔取った杵柄で、身体を左右に揺らし軽くステップを踏みながら軽快に指揮をし、オケから柔らかく楽しい音楽を引き出していました

2曲目は伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」です この曲は伊福部昭(1914-2006)が1954年に作曲、1979年に改訂した作品です 「タプカーラ」は北海道釧路生まれの伊福部が大きな影響を受けたアイヌの立ち踊りに因んで名づけられました 第1楽章「レント・モルト~アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

井上の指揮で第1楽章がチェロ、コントラバスを中心とする低弦の力強い演奏で開始され、次第にテンポアップしてアレグロに移ります 伊福部特有の”リズムの饗宴”がフル・オーケストラによって繰り広げられます 中盤のミュート付きトランペットの演奏が素晴らしい また、コンマスのヴァイオリン、チェロ、トロンボーンのソロが冴え渡ります 最後は狂乱物価、もとい、狂喜乱舞のアグレッシブな演奏が展開しました 第2楽章は冒頭のハープが素晴らしい フルート、イングリッシュホルンのソロが冴えています そして、弦楽セクションのアンサンブルが美しく響きました 第3楽章は冒頭から”お祭り騒ぎ”の激しい音楽が展開します 中間部でのコンマスのソロ、オーボエのソロが素晴らしい 弦楽セクションが渾身の演奏を展開、打楽器が炸裂します。フィナーレは最後の一音と共に奏者全員総立ちになりました どうやら、この曲は「シンフォニア・立つかーら」だったようです このパフォーマンスを見るのは、昨年11月のN響Aプロ定期で井上がこの曲を振った際に目撃して以来です 全員がバッチリそろって立ち上がったのは、若さで勝負の学生オケの方だったように思います

 

     

 

 

プログラム後半はストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」です この曲はイゴール・ストラヴィンスキー(1882-1971)がロシア・バレエ団の委嘱を受けて1911年から13年にかけて作曲、1913年にピエール・モントゥの指揮で初演され、大センセーションを巻き起こしました

バレエは「キリスト教以前の古代ロシアを舞台に、春の到来を感謝して太陽神に乙女の生贄を捧げる儀式」を描いています 曲は2部構成で、第1部「大地礼賛」は①序奏、②春の兆しと若い娘たちの踊り、③誘拐遊戯、④春のロンド、⑤競い合う部族の戯れ、⑥賢者の行列、⑦賢人(大地の讚仰)、⑧大地の踊りから成ります 第2部「犠牲」は①序奏、②若い娘たちの神秘な集い、③選ばれた乙女の讃美、④祖先の喚起、⑤祖先の儀式的行為、⑥生贄の踊り(選ばれし者)から成ります

できるだけ多くの学生を出演させるため、管楽器群は総入れ替えになります

井上の指揮で第1曲がファゴットの高音域による演奏で開始されます 相当緊張する場面ですが、女子学生が、その後の演奏も含めて大健闘しました 第2曲「春の兆しと若い娘たちの踊り」では、弦楽器群による変拍子の激しいキザミ、ホルン、トランペット、トロンボーン、テューバといった金管楽器の咆哮、ファゴット、オーボエ、フルート、クラリネットと言った木管楽器のエキセントリックな演奏、ティンパニ、大太鼓を中心とする打楽器の強打が印象的です 第3曲以降も、弦楽器群、管楽器群、打楽器群がそれぞれ井上の変拍子に食らいついていき、迫力あるスケールの大きな演奏を展開しました

満場の拍手にカーテンコールが繰り返されます 井上は真っ先にファゴット奏者を立たせて演奏を讃え、次いで、セクションごとに立たせて健闘を讃えました そして、舞台奥に引っ込んだまま なかなか出てこないな、と思っていると、井上は上着を脱ぎ 腕をまくりながら裸足で再登場、終曲「生贄の踊り(選ばれし者)」のアンコール演奏に入りました すると、演奏途中でゾンビのようにフラフラとヴィオラ・セクションの方に彷徨い歩いていき、突然「ウワーッ」と大声を出して舞台から転げ落ちました その直後、オケが最後の音を出して曲を閉じましたが、学生たちは「いったい何があったんだ」という顔で、視界から消えた井上の行方を探していました 井上はやおら立ち上がってステージに上がり、「お芝居でした」と言わんばかりに満面の笑みを見せ、満場の拍手を浴びました 聴衆が今 聴いたのは「春の祭典」、今 見たのは「春の回転」でした 現場からは以上です

 

     


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 上岡敏之 ✕ 新日本フィルでブ... | トップ | 大野和士 ✕ コパチンスカヤ ✕... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事