人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

昭和音大のブラームス「第2交響曲」、東京藝大のチャイコフスキー「第5交響曲」を聴く

2014年11月17日 07時02分11秒 | 日記

17日(月)。わが家に来てから51日目を迎えたモコタロです 

 

          

          エサでおいらを釣ろおっていうコンタンだね。ほしいよ、それ

 

  閑話休題  

 

昨日、ミューザ川崎で音楽大学フェスティバルを聴きました 出演・プログラムは①昭和音楽大学がブラームス「交響曲第2番」を、②東京藝術大学がチャイコフスキー「交響曲第5番」を演奏しました

 

          

 

自席は2CA2列38番、2階のセンター右ブロック、左から3つ入った席です。ステージを客席が囲むワインヤード方式の会場は9割方埋まっている感じです 大学オーケストラの競演ということで、学生たちの家族・親戚・友人・知人を中心に関係者が多数詰めかけたと思われます 私のように、プロ・アマ問わず純粋に音楽を楽しみたいという聴衆は少数派でしょう

前半は昭和音楽大学の演奏ですが、演奏前に大学同士のエールの交換ということで、東京藝大のブラス・アンサンブル+打楽器の15人が同大4年の久保哲朗君作曲によるファンファーレを勇壮に演奏し喝さいを浴びました

昭和音楽大学の学生たちが入場します。会場のあちこちで「あ~女の子ばっかりだ~」という声が聞こえます。コンサートミストレスの池田実結さんを含めてヴァイオリン奏者は26人ですが、そのうち男子学生はたったの1人です ヴィオラは3人、チェロは4人、コントラバスは3人で、管楽器は9人です。総勢80人のうち男子は20人。男子比率25%ということですね オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスというオーソドックスな態勢をとります

1996年7月からマルメ歌劇場音楽監督を務め、昭和音楽大学の講師を務める大勝秀也が登場、ブラームスの交響曲第2番の演奏に入ります

ブラームスは20年近くかけて完成させた交響曲第1番の後、肩の荷を降ろしたかのように、第2番を南オーストリアのヴェルター湖畔のペルチャッハで短期間のうちに作曲しました 明るく穏やかなこの曲は後世の人たちから「ブラームスの田園交響曲」と呼ばれました

全体を通して印象に残ったのは女性オーボエ奏者の演奏です そして、第4楽章における弦楽器のうねる様な演奏は素晴らしいのひと言です 終演後、すかさずブラボーがかかりましたが、学生たちは持てる力を存分に発揮しました。あらためて拍手を送ります

休憩後は、最初に昭和音大のブラス・アンサンブル9人が登場、同大3年の野呂望君作曲によるファンファーレを輝かしく演奏し喝さいを浴びました

東京藝大の学生たちが入場します。こちらも昭和音大ほどではないにしても、圧倒的に女子学生が多いようです 男子学生は、ヴァイオリンセクションに4人、ヴィオラに3人、チェロに4人、コントラバスに4人、管打楽器に9人と、総勢77人のうち24人が男子学生です。男子比率31%ということですね。コンサートミストレスの城元絢花さん以下、オケは昭和音大と同じ態勢をとります

イギリスやオーストラリアのオーケストラの桂冠指揮者の肩書を持ち、東京藝大主任教授を務める尾高忠明が登場、チャイコフスキーの交響曲第5番の演奏に入ります この曲の特徴は、第1楽章の冒頭に出てくるテーマがすべての楽章に表情を変えながら登場することと、第3楽章にスケルツォに代えてワルツを据えたことです

第1楽章はクラリネットの暗い旋律から入りますが、このクラリネット奏者が非常に上手いのです そして、オケの要になるオーボエ奏者もかなりの実力者です ホルンも良いし、ファゴットも素晴らしい、管楽器群は本当に実力者揃いです。弦楽器群も半端ない集中力を見せます

第1楽章が終わったところで、何を勘違いしたか、2階席後方から「ブラボー」らしき声がかけられました。あれはいったい何だったのか

かつて、今の首相が福島の現状に対して『アンダー・コントロール』と自信満々に言っていましたが、東京藝大オーケストラは尾高忠明のもと、完全に『アンダー・コントロール』の状態にあり、自信満々に演奏していました 優れた指導者に導かれた演奏者は思う存分、自然と実力が発揮できるようです

最後の音が鳴り終るや否や、会場一杯の拍手とブラボーが飛び交いました 学生オーケストラの最高峰の演奏かも知れません。これ程集中力に満ちたダイナミックな演奏はプロでもなかなか出来ないのではないか、とさえ思いました

音楽大学フェスティバルは今後、11月24日、12月6日、7日と続きますが、残念ながら私は別のコンサートの予定が入っていて聴きに行けません 皆さん、学生オケだからと言ってバカにしてはいけません。この日の東京藝大の演奏が証明したように、プロ顔負けの素晴らしい演奏をすることもあるのです もちろん、それには誰が指揮をするのかが大きな要素になることは言うまでもありませんが 学生オケの入場料は安いので(今回のフェスティバルは1回1,000円)、是非聴きにお出かけください

それにしても、いつも学生オケを聴くたびに思うのは、彼ら、彼女らは今は良いけれど、卒業したらどうするのだろうか、ということです 同じ大学生の子どもを持つ親として、他人事ながら心配になります 娘は4年生の美術大学に通いましたが、目指していたデザイン関係の職には就けず、アルバイトで糊口をしのいでいます。音楽にしても美術にしても、就職は極めて狭き門。現実は厳しいですね。学生の皆さんには”今”を精いっぱい頑張って欲しいと思います

 

          

 

3時に始まったコンサートは5時に終了しましたが、外に出るとすっかり夜の帳が降りていました ミューザ川崎はクリスマス・イルミネーションで輝いていました。ここで一句。「クリスマス、大人にとってはクルシミマス」 おそまつ

 

          

 

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