人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョセフ・バスティアン ✕ リディア・ツウチャア ✕ アジア・ユース・オーケストラでストラヴィンスキー「火の鳥」、マーラー「交響曲第4番」他を聴く

2023年08月31日 00時11分00秒 | 日記

31日(木)。月末を迎えたので、いつものように8月の3つの目標の達成状況をご報告します ①クラシック・コンサート=15回(今夜の公演を含む)、②映画鑑賞=8本、③読書=4冊でした    かつて8月はコンサート閑散期でしたが、「フェスタサマーミューザ KAWASAKI 」が始まってから書き入れ時になりました

ということで、わが家に来てから今日で3152日目を迎え、ロシアが旧ソ連時代の1940年、ポーランド将校ら2万2000人以上を殺害した「カチンの森の虐殺」の事実を否定し始めたが、今般のウクライナ侵攻でロシアの戦争犯罪が非難されるなか、自国の負の歴史を書き換える意図がある  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     プーチン政権にとって 負の歴史の書き換えなど朝飯前だろう  世界は認めないけど

 

         

 

昨日、夕食に「赤魚の粕漬焼き」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「豚汁」を作り、「鯵のタタキ」と一緒に食べました 和食はヘルシーで美味しいですね

 

     

 

         

 

昨夜、東京オペラシティコンサートホールで「アジア・ユース・オーケストラ東京公演2023」を聴きました プログラムは①グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲、②ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」(1919年版)、③マーラー「交響曲第4番 ト長調」です 演奏は②のソプラノ独唱=リディア・ツウチャア、管弦楽=アジア・ユース・オーケストラ(AYO)、指揮=ジョセフ・バスティアンです

「アジア・ユース・オーケストラ」は中国、香港、台湾、日本、韓国を含むアジアの11か国・地域から厳しいオーディションを通して選抜された若い演奏家約100名から構成されています イタリア・ベルガモ市での2週間のリハーサル・キャンプに続き、国際的に活躍する著名な指揮者やソリストとの4週間のツアーと、毎夏合計6週間の活動を展開しています 今年は、コロナ禍を経て4年ぶりに国際演奏ツアーを再開しました

指揮をとるのは今年からAYO首席指揮者に就任したフランス出身のジョセフ・バスティアンです グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラやバイエルン放送交響楽団のバス・トロンボーン奏者を経て指揮者になりました

 

     

 

自席は1階21列11番、センターブロック左通路側です

開演前から奏者の若者たちがステージ上にスタンバイして、それぞれのパートの練習に勤しんでいます オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置をとります コンマスは男性です。どこの国の出身でしょうか。コロナ前は女性のコンマスが多かったように思いますが、男性も存在感を増してきたのでしょうか。16型ともなると弦楽器群の威圧感を感じ、ステージが狭く見えます

1曲目はグリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲です この曲はミハイル・グリンカ(1804-1857)が1838年から42年にかけて作曲、1842年にペテルブルクで初演された歌劇の序曲です

コントラバスがステージ下手に陣取っている関係で、バスティアンは上手から登場します 彼の指揮で演奏に入りますが、弦楽器群の”マスの力”に圧倒されます この曲は「いかに速く演奏するか」を競うようになりがちですが、さすがに100人規模のオケを揃えるには無理があると見えて、そこそこ速いテンポで演奏されました 4年ぶりのあいさつ代わりの演奏と言っても良いかもしれません もっともメンバーは総入れ替えになっていると思いますが

2曲目はストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」(1919年版)です この曲はイーゴル・ストラヴィンスキー(1882-1971)が1909年から1910年にかけて作曲、1910年にパリで初演されたバレエ音楽を、組曲として編み直した作品です 第1曲「序奏」、第2曲「火の鳥の踊り」、第3曲「火の鳥のヴァリアシオン」、第4曲「王女たちのロンド」、第5曲「魔王カスチェイの凶悪な踊り」、第6曲「子守歌」、第7曲「終曲」の7曲から成ります

この曲ではフルート、オーボエといった木管楽器が素晴らしい演奏を展開していました また、コンマスのヴァイオリン・ソロ、女性チェロ奏者のソロも聴きごたえがあり、ホルンが素晴らしかったです

 

     

      プログラムはコロナ前の半分以下の37ページ  厳しい財政事情が伝わってきます

 

プログラム後半はマーラー「交響曲第4番 ト長調」です この曲はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1892年と1899年から1901年にかけて作曲、1901年にミュンヘンで初演されました 第1楽章「中庸の速さで、速すぎずに」、第2楽章「落ち着いたテンポで、慌ただしくなく」、第3楽章「静かに、少しゆるやかに」、第4楽章「非常に心地よく」の4楽章から成ります

ソプラノ独唱のリディア・ツウチャアは1975年、ドイツのフラウブルク生まれ。ウェールズ音楽演劇大学、マンハイム音楽大学で学び、ヨーロッパを中心に活躍しています

バスティアンの指揮で第1楽章に入ります この曲でもフルート、ファゴットといった木管楽器が良く歌い、女性ホルン奏者が素晴らしい 彼女はこの楽章に限らず、息の長いフレーズも難なくこなし抜群の安定感で演奏していました。この人はプロになれると思います 第2楽章ではコンマスのソロによる切れ味鋭い演奏が光りました また、クラリネットが冴えていました 第3楽章は大好きなマーラーの交響曲の中でも特に好きな楽章なので、一音も逃すまいと耳を傾けました 冒頭、コントラバスのピッツィカートに乗せてチェロとヴィオラが奏でる美しいメロディーに身を委ねましたが、何という遅いテンポか 途中で止まるかと思いました これ以上遅くしたら演奏が崩壊していたかもしれません ギリギリのところで踏みとどまって、第5番の第4楽章「アダージェット」に匹敵する美しい音楽を淡々と奏でました この楽章でもホルンとオーボエが素晴らしい演奏を繰り広げました バスティアンはこの楽章に相当のこだわりをもって演奏しているように思いました 楽章の終盤でクライマックスを迎えるタイミングで、舞台上手からソプラノのリディア・ツウチャアが登場し、指揮者の上手でスタンバイします リディアは美しく良く通るソプラノでマーラーを歌い上げました 最後の音が鳴り終わり、バスティアンのタクトがゆっくりと降ろされると、会場から大きな拍手と歓声とブラボーが飛び交いました

カーテンコールが繰り返され、バスティアン ✕ ツウチャア ✕ AYOはマーラー「リュッケルト歌曲集」より「美しさゆえに愛するのなら」をアンコールに演奏し、再び大きな拍手に包まれました その後、主催者側の代表者が登場し、演奏した若者たちを国別に紹介していきました

最初に「香港14名」とアナウンスすると、14人がその場で立ち上がり、会場から大きな拍手とともにヤンヤヤンヤの大歓声が起こりました 次に「中国13名」とアナウンスがあり、再びヤンヤヤンヤの大歓声です そして「マカオ3名」「韓国8名」「マレーシア1名」「フィリピン6名」(ここでコンマスが立ち上がりました)、「シンガポール5名」「タイ3名」「ベトナム1名」「ウズベギスタン1名」「台湾33名」と続き、最後に「日本7名」とアナウンスされると、ひときわ大きな拍手と歓声が沸き起こりました この光景はコロナ前からの風物詩となっています

2日目の今日はアンコールにエルガーの「ニムロッド」が演奏されることでしょう これもAYOのフィナーレの風物詩です 残念ながら私は読響定期公演の予定があるので聴けませんが、素晴らしいコンサートになると思います

 

     


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