人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

紀尾井ホール室内管弦楽団「音楽の冗談」のチケットを取る / 「未知との遭遇」「バンデットQ」を観る ~ マーラー「交響曲第6番」第1楽章のパロディー的な音楽が流れる / ジョージ・セルの音楽

2019年09月09日 07時26分19秒 | 日記

9日(月)。台風15号の勢いが凄いですね。深夜3時過ぎに あまりの風雨の強さに目が覚めてしまいました 関東地方は今日の午前中もまだ油断できないようです。気をつけねば

ということで、わが家に来てから今日で1681日目を迎え、秋の味覚「サンマ」の漁の出足が 大不漁となっており、獲れるサンマも小ぶりになっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     「目黒のさんま祭り」の主催者も サンマのように目を白黒させているらしいよ

 

         

 

来年1月27日(月)午後7時から紀尾井ホールで開かれる「紀尾井ホール室内管弦楽団によるアンサンブルNo.6『音楽の冗談』~ 少年アマデウスから壮年モーツアルトへ」のチケットを取りました オール・モーツアルト・プログラムで、①交響曲ヘ長調K.19a、②交響曲ト長調K.45a「旧ランバッハ」、③交響曲ニ長調K.32「ガリマティアス・ムジクム」、④6つのコントルダンスK.462、⑤2つのメヌエットとコントルダンスK.463、⑥「音楽の冗談」K.522 です 

さて、モーツアルト好きの人なら、この日がどういう日かピンとくるはず 言うまでもなく、モーツアルトの誕生日(1756年1月27日)です

 

     

 

         

 

昨日の日経朝刊「The STYLE / Culture 」のコラム「名作コンシェルジュ Music」で音楽評論家・鈴木淳史氏がジョージ・セル「ワーグナー:管弦楽集」(ソニー)を取り上げていました ジョージ・セルは1897年ブダペスト生まれで、11歳でピアニストとしてデビュー その後指揮者に転じ、ベルリン国立歌劇場第1指揮者などを歴任し、1946年に米クリーヴランド管弦楽団音楽監督に就任し、70年に急逝するまで務めました

鈴木氏はセルの音楽について「『完璧だが冷たい』と評されることも少なくないセルの演奏。確かに、オーケストラをキッチリと統制するので、冷ややかで醒めた視点の音楽になりがちだ その反面、彼の演奏には内側から生命力が密やかに脈打っており、生々しい表現もときおり顔を覗かせる」と評し、「曖昧さが全くないクリアな演奏が、ワーグナーという矛盾に満ちた存在をリアリティたっぷりに引き出すといったらいいだろうか。実に人間くさいワーグナーの演奏だと思う」と結んでいます

ここで言われている「曖昧さが全くなくクリアな演奏」というのは、まさにセルの音楽にピッタリの表現だと思います

 

     

     

 

セル ✕ クリーヴランド管弦楽団による名演奏はワーグナーに限りません 私が一番気に入っているのはモーツアルト「セレナード第9番『ポストホルン』K.320 」です   このCDに収録されている音楽はテンポ感といい愉悦感といい、完璧なまでのモーツアルトです なお、このCDには「アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525」がカップリングされていますが、これもすっきりした名演奏です

 

     

     

 

         

昨日、池袋の新文芸坐で「未知との遭遇」と「バンデットQ」の2本立てを観ました

「未知との遭遇」はスティーヴン・スピルバーグ監督・脚本による1977/2002年アメリカ映画(ファイナル・カット版・138分)です

バミューダトライアングルで行方不明になった戦闘機群や巨大な貨物船が、失踪当時の姿のまま砂漠に忽然と姿を現した 謎の発光体が米国内外で目撃され、原因不明の大規模停電が発生する   発電所に勤めるロイ・ニアリー(リチャード・ドレイファス)も停電の復旧作業に向かう途中、機械の誤作動を起こす不思議な飛行物体と遭遇する それが放つ閃光を浴びて以来、理由も分からないまま、憑かれたようにUFOの目撃情報を集め出し、枕やシェービングクリームに漠然と山のような形を見い出すようになる インディアナ州に住む少年バリーは、家の台所に入り込み冷蔵庫を漁っていた「何者か」と鉢合わせするが、恐れる様子もなく後を追いかけ、母のジリアンも深夜外へ出て行った息子を連れ帰ろうとする途中で飛行物体の編隊と遭遇し閃光を浴び、ロイ同様に山の姿を描くようになる 飛行物体の群れにバリー少年が連れ去られるなど謎の現象が続く中、フランス人UFO学者のクロード・ラコームは異星人からの接触を確信し、「彼ら」と直接面会する地球側の「第三種接近遭遇」プロジェクトをスタートさせる 「彼ら」からのデータ送信をキャッチするが、それが地上の座標を示す信号で、ワイオミング州にあるデビルスタワー(悪魔の塔)という山を指し示していた 軍も出動し有毒ガス漏洩を偽装して住民が退避させられるが、ニュースで報じられたことによって、ロイとジリアンは探し求めていた奇妙な形の山がデビルスタワーであることを確信する 彼らは州境を超えデビルタワーを目指す そして、そこで行われていたラコームらによるUFOとの交信を目撃する。地上に降り立ったUFOの母船から、過去に失踪した人々が現われ、バリーも降りてくる すると、今度はロイがUFOに招かれ、彼を載せたUFOは宇宙へ去っていく

 

     

 

この映画を観るのはロードショー公開時の1977年以来2度目ですが、あらためて40年以上も前に作られた作品とは思えないほど先鋭的だと思います ストーリーはほとんど覚えていませんでしたが、UFOとの交信で合図として使われる5つの音階と、まるでシャンデリアのようなUFOの母船の輝きはよく覚えています

ストーリーの本筋からは外れますが、この映画で忘れられないシーンがあります それは、ロイの子供たちのうち、一人の男の子が結構大きな人形をベビーベッドに何度も執拗に打ちつけて、腕がもげ、脚がもげ、最後には頭がもげてずたずたにされるシーンです スピルバーグ監督は、相手が人形とはいえ、なぜあのような残酷なシーンを入れたのか、理解に苦しみます もっとも、父親のロイだって、デビルタワーを部屋の中に再現するために、植木の土や花壇の柵などを家の中に放り込んで、家族の迷惑をまったく顧みないのですから、破壊的な利己主義者という意味では親子で共通しているのかも知れません あるいは、スピルバーグ自身が幼少時に問題児だったのかもしれません

 

         

 

「バンデットQ」はテリー・ギリアム監督・脚本による1981年イギリス映画(116分)です

イギリスの とある住宅地で平凡な両親と暮らす11歳のケヴィン少年(クレイグ・ワーノック)の寝室に、突然、馬に乗った騎士が出現し、壁を通り過ぎて消えてしまう そのことを両親に話すが信用されない。翌日、懐中電灯とポラロイド・カメラを抱えて待っていると、6人の小人が現われる。彼らは創造主に仕えていたが、タイムホールの場所を示した地図を盗み出し、この地図を手に時間空間を超越して出没し、盗みを働こうとしていたのだ このタイムホールとは、創造主が6日間でこの世界を作った時に見逃した場所なのだった 「地図を返せ」と迫ってくる創造主の顔。ランドール、フィジット、ウォーリー,オグ、ストラッター、ヴァ―ミンの6人(小人)とともにケヴィンも逃げ出す 彼らが最初に着いたのは、1796年カステリオー二だった。このイタリアの町を征服したナポレオン(イアン・ホルム)は背が低く、そのことを気に病んでいた 小人とケヴィンは身長が低いので、気に入ったナポレオンは晩餐をともにする ナポレオンが酔いつぶれると、彼らは財宝を集めて逃げ出す 次の現れたのは、シャーウッドの森。貴族のヴィンセントとパンジーが盗賊に襲われていたが、6人は助けようともしない 彼らを暗黒の城で悪魔(デイヴィッド・ワーナー)が見守り、地図を横取りしようと企んでいた。次にケヴィン一人がギリシアの砂漠に出現する。野獣の面を被った男と死闘を繰り広げていたアガメムノン王(ション・コネリー)を助け、ついには彼の養子になる その祝いの宴に小人が現われ、ケヴィンを舞台に招き、彼を連れて消失したかと思うと、タイタニック号の甲板に出現する そこにいた新婚夫婦ヴィンセントとパンジーを驚かす タイタニック号が氷山に衝突し、彼らは海中に投げ出される 帆船に乗り込んで難を逃れたのはいいが、その船を海坊主が頭に載せて歩き出したので大慌て 頭に眠り薬を注射して海坊主を眠らせて逃げ出す やがて、彼らは悪魔の囁きに誘われて暗黒の城へ行く。悪魔に地図を奪われるが、カウボーイやギリシャの射手の応援も効果なく、彼らはやられっぱなしで打つ手がなかった。そこへ創造主が出現し、悪魔を一撃のもとに破壊、小人たちを連れて消えてしまう 気が付くとケヴィンはベッドの中。しかも家は火事で燃えている 消防隊のおかげで火は消えた。ケヴィンは隊員の一人がアガメムノン王に似ているので驚く 彼はケヴィンにウィンクして去っていった

 

     

 

製作・監督が「モンティ・パイソン アンド  ホーリー・グレイル」のテリー・ギリアムということで、いかにもブラック・ジョークに満ちたイギリス映画に仕上がっています 「モンティ・パイソン」は国営BBC製作の番組で、日本でも放映されていましたが、イギリス的なブラック・ユーモアが大好きでした あんな番組をNHKが制作したら受信料拒否が増大して破産するだろうとさえ思ったものです

この映画はジョージ・ハリスンが製作総指揮を務め、主題歌を歌っています

1960年代だったか、民放テレビで「タイムトンネル」という番組がありました 主人公がタイムトンネルに入って行くと別の時代にワープして、そこで過去の歴史的な事件に遭遇し危機に直面するのですが、「歴史を変えてはならない」という大命題があるため腐心しながら生き延び、次の時代にワープする、「来週につづく」、という内容でした 「バンデットQ」はそれによく似ています

この映画を観て驚いたのは、ナポレオン軍から舟で逃れるシーンで流れる行進曲風の音楽が、まるでマーラーの「交響曲第6番イ短調」の第1楽章「アレグロ・エネルジーコ、マ・ノン・トロッポ」冒頭の音楽にソックリだったということです   音楽はマイク・モランという人が担当していますが、マーラーをパクったのだろうか、と思ったりしました

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