21日(土)。わが家に来てから今日で1693日目を迎え、4年に一度のラグビー・ワールドカップの日本大会が20日午後7時45分から東京スタジアムで開催されたが、この日行われた初戦「日本対ロシア」で、日本が30対10でロシアを下した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
巨漢ぞろいのロシア艦隊を相手によく頑張ったね でも本当の勝負はこれからだ!
昨夜、息子が東京出張のついでに自宅に帰って来るというので、夕食は「すき焼き」にしました とは言え、夜は私がコンサートのため17時に食事を済ませましたが、娘は21時帰宅、息子は23時帰宅だったので食事の時間はバラバラでした
昨夜、サントリーホールで読売日響第625回名曲シリーズを聴きました プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58」、②マーラー「交響曲 第5番 嬰ハ短調」です 演奏は①のピアノ独奏=ルドルフ・ブッフビンダー、指揮=読響第10代常任指揮者 セバスティアン・ヴァィグレです
1曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1805年から翌06年にかけて作曲し、1807年3月にウィーンのロブコヴィツ侯爵邸で私的初演の後、翌1808年12月22日、アン・デア・ウィーン劇場で、「交響曲第5番”運命”」「第6番”田園”」「合唱幻想曲」他とともに公開初演されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「ロンド:ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります
ソリストを務めるルドルフ・ブッフビンダーは1946年生まれ、ウィーン出身のピアニストで、とくにベートーヴェンを得意としています 今年10月から2020年にかけて、ウィーン楽友協会でベートーヴェンの生誕250年を記念し、5つのピアノ協奏曲を、5つの楽団(ムーティ指揮ウィーン・フィル、ティーレマン指揮ドレスデン国立歌劇場管、ヤンソンス指揮バイエルン放送管、ゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィル、ネルソン指揮ゲヴァントハウス管)と共演するとのこと
オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び。コンマスは長原幸太です
ブッフビンダーの独奏ピアノで第1楽章が開始されます それまでのピアノ協奏曲は、まずオーケストラの序奏があり、ピアノは女王の如く後から華やかに登場するのが通例でしたが、この曲は冒頭からピアノ独奏で開始されます ソリストの演奏をオーボエ首席候補・金子亜未、フルート首席フリスト・ドブリノブをはじめとする木管楽器群がしっかりと支えます この楽章で聴きどころはカデンツァです ベートーヴェンの作曲したカデンツァは2種類ありますが、この日聴いたそれは、これまで聴いたものとまったく別の曲でした それだけに新鮮で、見事な演奏と相まって この曲の初演を聴いているような錯覚を覚えました 第2楽章は、冒頭の弦楽器と独奏ピアノとの対話が素晴らしく、第2楽章の暗から第3楽章の明への転換も見事でした 第3楽章はピアノ、オケともに躍動感にあふれ、これぞベートーヴェンという堂々たる演奏を展開しました 全体を通してブッフビンダーの独奏を聴いた印象は、まったくブレない演奏だということです
満場の拍手とブラボーに、ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第17番ニ短調”テンペスト”」の第3楽章「アレグレット」を鮮やかに演奏、再び会場いっぱいの拍手を浴びました
プログラム後半はマーラー「交響曲 第5番 嬰ハ短調」です この曲はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1901年から翌02年にかけて作曲、1904年10月18日にケルンで初演された作品です 第1楽章「規則正しい歩みで、厳格に、葬列のように」、第2楽章「嵐のように激動して、非常に激烈に」、第3楽章「力強く、速すぎずに」、第4楽章「アダージェット:非常にゆっくりと」、第5楽章「ロンド・フィナーレ:アレグロ」の5楽章から成ります
ヴァィグレの指揮で第1楽章に入ります 冒頭、トランペットのソロで葬送行進曲のファンファーレが演奏されます。ここで躓くと後が辛いですが、見事クリアします この楽章の中間部のトリオに来ると、ヴァィグレはテンポを急激に速め、オケを煽り立てます うねる様な音楽作りに舌を巻きます ホルンはベルアップ奏法を見せます。第3楽章はホルンが大活躍しますが、首席の松坂隼のソロは安定感があり聴きごたえがありました この楽章はホルン協奏曲のような趣があるため、指揮者によっては独奏ホルンを指揮者のそばに置いて、ソロ部分を吹かせる演出をするケースもあります 松坂氏の場合は、あえて前面に出さなくとも巧みな演奏が目立ちます この楽章ではクラリネットもベルアップ奏法を見せました
第4楽章「アダージェット」は弦楽器とハープだけによって演奏される あまりにも有名な音楽ですが、ヴァィグレはたっぷりとしたテンポを取り、マーラーのアルマに対する愛の告白を奏でます この曲と切り離せないのは、ルキノ・ヴィスコンティ監督による映画「ヴェニスに死す」です 映像と音楽がピッタリとマッチした映画の典型的な例と言えるでしょう 言い換えれば、あの映像に他の音楽は使えません。アダージェットが終わるとすぐに第5楽章のロンド・フィナーレに移ります ここに及んで、第1楽章の葬送行進曲で始まった交響曲第5番は、純音楽的な見地から見れば、歓喜の第5楽章で幕を閉じます マーラーは1902年3月にアルマ・シントラ―と結婚、その年の11月には長女マリア・アンナが誕生しています そうしたことを考えれば、この交響曲第5番を作曲した時期(1901~02年)は幸せの絶頂にあったと言えるでしょうし、この曲はベートーヴェンの第5交響曲と同じように、「苦悩から歓喜へ」という流れの中で捉えることができる作品だと思います
この日のヴァィグレ ✕ 読売日響の演奏は、そうした流れに沿った演奏だったと思います