人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ベルナルド・ベルトルッチ監督「暗殺のオペラ」&「暗殺の森」を観る ~ ヴェルディ「リゴレット」の音楽が流れる

2019年09月10日 07時18分45秒 | 日記

10日(火)。池袋に行くのに いつもはバスを利用しているのですが、昨日朝は台風15号の影響で山手線が止まっていたため、バス停に長蛇の列が出来ていて、とても乗れる状態ではありませんでした 時間的にも余裕があったので徒歩で文芸坐に向かいました 道中、歩道には強風で散った木の葉が散在していました 「桐一葉 落ちて天下の 秋を知る」と詠んだのはジョン・レノンだったか

ということで、わが家に来てから今日で1682日目を迎え、韓国の文在寅大統領は9日、法相候補に指名した側近のチョグク・前大統領府民情秘書官を国会の同意なしで法相に正式任命した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     「泣いて馬謖を斬る」ことをしないと「過ちて改めざる 是を過ちと謂う」に繋がる

 

         

 

昨日、夕食に「ポークカレー」と「生野菜サラダ」を作りました カレーは時々食べたくなりますが、カレー屋さんで食べるよりも 自分で作ったカレーの方がよほど美味しいです

 

     

 

         

 

昨日、池袋の新文芸坐で「暗殺のオペラ」と「暗殺の森」の2本立てを観ました

「暗殺のオペラ」はベルナルド・ベルトルッチ監督による1969年イタリア映画(2018年デジタルリマスター版・99分)です この映画は、ラテン・アメリカ文学の奇才ホルヘ・ルイス・ボルヘス「伝奇集」に収められている「裏切り者と英雄のテーマ」を原作としています

舞台はムッソリーニ政権下のイタリア。ファシストによって暗殺された父親の死の真相を探るべく、アトス(ジュリオ・ブロージ:父と二役)は北イタリアの 田舎町タラを訪れる この町においては父親はレジスタンスの英雄的な存在になっていた 当時のレジスタンスの生き残りの3人の関係者から話を聞くことで謎は少しずつ解明していくが、アトスが予想もしなかった意外な真実が明らかにされる

 

     

 

この映画は、昨年10月30日に早稲田松竹で観て以来2度目です

映画のタイトル「暗殺のオペラ」のオペラはヴェルディの「リゴレット」を指しています アトスの父親はオペラ劇場で「リゴレット」を観劇中に背後から銃撃されて死亡したというストーリーになっているのです 映画では「リゴレット」の序曲や第2幕のリゴレットとジルダの二重唱「おれたちは同じだ」などが流れます

アトスは3人の証人から話を聞いて、父親を殺した犯人を特定しますが、なぜ父親が殺されなければならなかったのかの理由も同時に聞き、暗澹たる気持ちになります 人々がファシストを憎み続けるためには、英雄は英雄のまま人々の心に残っている必要があったのです

 

     

 

         

 

「暗殺の森」はベルナルド・ベルトルッチ監督による1970年イタリア・フランス・西ドイツ合作映画(115分)です

若い哲学講師のマルチェロ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は少年の頃、彼を犯そうとした男を射殺した罪悪感に今もさいなまれていた その苦しみから解放されるためファシズムを選択した彼に、パリ亡命中の恩師である教授を調査するよう密命が下る。ハネムーンを口実にパリに赴いたマルチェロと妻ジュリア(ステファニア・サンドレッリ)は、快く教授に迎え入れられる しかし、恩師の若妻アンナ(ドミニク・サンダ)には目的を悟られてしまい、敵意を抱かれるとともに深い仲にもなってしまう やがて、別荘に向かう教授夫妻は、マルチェロの目前で暗殺される

 

     

 

この映画の原題は「体制順応主義者」です 主人公のマルチェロはファシストを自認しているわけですが、確固たる思想を持っている訳ではないことを恩師に見破られてしまいます 要はその時々の「体制側」に組して生き残りを図っている”弱い”人間でした

ジュリアとアンナが女同士で踊るシーンはとても美しく、群衆が手に手をとって踊りながらマルチェロをぐるぐる巻きにして真ん中に閉じ込めるシーンは、自分の殻を破れないマルチェロの心理状況を暗示しているようで印象的です

コメント (2)
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