人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「芸劇ブランチコンサート 名曲リサイタル・サロン 阪田知樹」でリスト「ラ・カンパネッラ」「リゴレット・パラフレーズ」他を聴く / 有楽町スバル座10月閉館へ / ドミンゴのセクハラの行方は?

2019年09月26日 07時20分10秒 | 日記

26日(木)。昨日の朝日朝刊に「都心の名物館  終幕 有楽町スバル座、老朽化で来月20日」という見出しの記事が載っていました 超訳すると、

「有楽町の映画館『有楽町スバル座』(1スクリーン、270席)が10月20日で閉館することになった 老朽化が理由。10月5日~20日は「スバル座の輝き」と題して、過去の上映作品などをラインアップにしたメモリアル上映を催す 1966年開館の同劇場は「イージー・ライダー」「アメリカン・グラフィティ」「ダウンタウン物語」など洋画の話題作を提供し、近年はシネコンでは見られないようなアート系の作品を中心に上映してきた メモリアル上映は当日券1000円。「イージー・ライダー」を皮切りに、ジョン・ウェインの「駅馬車」やチャプリンの「モダン・タイムス」、「小さな恋のメロディ」まで多彩な作品が楽しめる 問い合わせはスバル座(03-3212-2826)へ」

スバル座では何度か映画を観ましたが、2012年1月に観た「善き人」がブログに残っていたので、読み返して 内容を思い出しました 1930年代のヒトラー政権下のドイツで不本意ながらナチ党に入党せざるを得なくなった大学教授の苦悩を描いた作品でした この映画ではマーラーの「交響曲第1番」の第3楽章が印象的に使われていました 興味のある方は2012年1月10日付toraブログをご覧ください

有楽町スバル座のような個性的で小さな映画館が無くなって 大型のシネコンばかりが増えていくのは、時代の流れとはいえ寂しい限りです

ということで、わが家に来てから今日で1678日目を迎え、米野党・民主党のペロシ下院議長は24日、トランプ大統領が民主党のバイデン前副大統領に関連する調査を推進するようウクライナ政府に圧力をかけた疑惑の真相を政権が隠蔽していると判断し、大統領の弾劾に関する正式な調査を開始すると表明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      トランプは着々とニクソン元大統領の道を歩みつつある 弾劾の前に辞任したけど

     

         

 

昨日、夕食に「筑前煮」と「トマトとレタスの卵スープ」を作りました 正直に告白すると「筑前煮」は2人の先生のレシピを混ぜて作ったので具材が多くなり、先行きが不安でしたが、何とか美味しく出来ました ちなみに材料は鶏肉、人参、里芋、こんにゃく、レンコン、ゴボウ、シイタケ、インゲンです

 

     

     

 

         

 

昨日の朝日夕刊に「ドミンゴ氏 今後METで公演せず セクハラ疑惑報道受け『辞退申し出た』」という見出しの記事が載っていました 超訳すると、

「ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)は24日、セクハラ疑惑が報じられた世界的なオペラ歌手プラシド・ドミンゴ氏(78)が今後同歌劇場の公演に出演しないと明らかにした ドミンゴ氏は25日の『マクベス』に出演予定だった。ドミンゴ氏については、AP通信が8月、30人以上の関係者に取材した結果として、1980年代後半から練習などを口実に歌手やダンサーを自室に引き入れ、性的行為を求めていたと報じていた ドミンゴ氏は『疑惑は強く否定するが、私の出演により同僚たちの足を引っ張ることになるとの思いに至り、出演辞退を申し出た』との声明を発表した。また、将来的にも同歌劇場の公演に出ないことも示唆した

その後どうなっているんだろうと気にかけていた動向でしたが、やっと続報が出ました「30人以上の関係者の取材に基づく報道」ということからすれば、否定のしようがないでしょう METは、前芸術監督のジェイムズ・レヴァインが やはりセクハラ疑惑でMETとの契約と打ち切られたので、これで大物が二人METから追い出されたことになります

ところで、来年1月にドミンゴと METの看板ソプラノ歌手ルネ・フレミングのジョイント・コンサートが予定されていますが、「METと直接関係ないから」ということで予定通り挙行するんでしょうね 5000人収容の東京国際フォーラムでSS席35000円、S席28000円~D席7000円、2000人収容のサントリーホールでSS席45000円、S席38000円~P席10000円・・・・どう思います? 私は何があっても絶対行きません お金ないし

 

     

 

         

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで、「芸劇ブランチコンサート 名曲リサイタル・サロン 第3回 阪田知樹」を聴きました プログラムは①リスト「愛の夢第3番」、②同「ラ・カンパネッラ」、③シューマン(リスト編)「献呈」、④リスト「リゴレット・パラフレーズ」、⑤シューベルト「4つの即興曲D.899/Op.90」です

ソリストの阪田知樹は1993年名古屋市生まれ。東京藝大を経て、ハノーファー音楽演劇メディア大学ソリスト課程ピアノ科修士課程に在籍中 19歳で第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで最年少入賞を果たし、2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール第1位、併せて6つの特別賞を受賞し、コンクール史上アジア人男性として初の優勝を果たした

 

     

 

会場はいつものように1階席はほぼ満席、2階席も結構埋まっています

ステージに現れた阪田知樹氏は思ったより背が高くスマートな感じがします

1曲目はリスト「愛の夢第3番」です この曲はフランツ・リスト(1811-1886)が1845年に作曲した作品です 椅子に座るとすぐに弾き始めた阪田氏の演奏はロマンティックで なおかつ知的な印象を受けました

2曲目は「ラ・カンパネッラ」です この曲は、パガニーニの「ヴァイオリン協奏曲第2番」第3楽章のテーマをもとに書いた作品で、イタリアの教会の鐘(カンパネッラ)の音が表現されています 日本では、フジコヘミングの演奏で話題になりましたね 阪田氏の演奏はこの曲でも知的な印象を受けますが、技巧は完璧で、特に高音部での強い打鍵の連打が印象的でした

ここでナビゲーターの八塩圭子さんのインタビューが挟まれます インタビューによると、阪田氏は朝が苦手だそうですが、この日は11時の公演のため5時から5時半頃起きたそうです リストの曲を初めて演奏したのは12歳の時で、その時は『リストは解らない作曲家』だと思ったそうです 解らないからこそ勉強してマスターしていき、リスト国際コンクールで優勝するまでに至ったとのこと そのリストのコンクールの時は、聴衆はもちろんのこと、2階席の審査員までもがスタンディング・オベーションで歓迎してくれたので驚きつつも嬉しかったそうです 結構早口で話すので、八塩さんが「ドイツ語でも、そんな感じでお話しになるんですか?」と訊くと、「ええ、ドイツ語でも英語でも、こんな感じです 友人からは『おまえ、よくしゃべるなあ』とよく言われます」と答えていました   八塩さんが言われた通り、頭の回転が速いのだと思います


     


3曲目はシューマン(リスト編)「献呈」です この曲はシューマンの歌曲集「ミルテの花」(1840年)の第1曲「献呈」のピアノ編曲版です この曲をピアノ版で初めて聴いたのは数年前の松田華音さんのリサイタルでしたが、背筋が寒くなるほどの感動を覚えました この日の阪田氏の演奏も同様で、じわじわっと感動が押し寄せてきました 素晴らしい演奏と相まって この曲の持つ魅力が大きいのだと思います

4曲目はリストの「リゴレット・パラフレーズ」です この曲はリストが、ヴェルディのオペラ「リゴレット」の第3幕の重唱「美しい恋の乙女よ」をモチーフとして、1859年にピアノ演奏用に技巧を凝らして作曲、同年ハンス・フォン・ビューローによって初演された作品です これは楽しい演奏でした オペラを知っていると楽しみが倍増します 相当の超絶技巧曲ですが、阪田氏は何の苦もなく高速演奏でクリアします

ここで再びインタビュータイムとなり、阪田氏のプライベートな生活について質問が出されました それによると、彼は現在ドイツのハノーファーに住んでいるが、当地は勉強するには良い環境のところで、放し飼いの動物園が有名だそうです 阪田氏は作曲も手掛けるとのことで、「いつ作曲するのか?」という質問に「いろいろ試してみた結果、真夜中の1時半から4時頃が一番はかどることが分かった」そうです

最後はシューベルト「4つの即興曲D.899/Op.90」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が晩年の1827年頃に作曲したと言われている作品です 第1曲=ハ短調、第2曲=変ホ長調、第3曲=変ト長調、第4曲=変イ長調の4曲から成ります 阪田氏はそれぞれが曲想がまったく異なる4曲をニュアンス豊かに弾き分け、晩年のシューベルト像を浮き彫りにしました それにしても、シューベルトは31歳で死去しているので、晩年とはいえまだまだ若かったのでした

満場の拍手に阪田氏は、ラフマニノフ「楽興の時」から第5番を余裕の表情で演奏、再度大きな拍手に包まれました 素晴らしいピアニストです

 

     

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