人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

筒井康隆著「笑うな」を読む ~ シニカルでシュールなショートショート34連発

2024年04月28日 06時34分15秒 | 日記

28日(日)。26日(金)まで続いたMETライブを挟んだ10日間連続コンサートが一段落したので、昨日は午前中にマンション管理組合の理事会に出席した以外は、予習CDを聴きながら本を読んで大人しく過ごしました 疲れがたまっているのが分かります コンサートのない日はホッとします なんだかんだ言ってもコンサートのある日は緊張しているのだと思います

ということで、わが家に来てから今日で3393日目を迎え、ロシアのオンラインメディア「ピョルストカ」は26日、ウクライナ侵略に従軍した後に帰還した元兵士が、殺人や傷害致死事件、交通事故などにより過去2年間で少なくとも市民ら107人を死亡させたと報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ウクライナでは兵士として人を殺し ロシアに戻るも その習慣が抜けない憐れな種族

 

         

 

筒井康隆著「笑うな」(新潮文庫)を読み終わりました 筒井康隆は1934年大阪市生まれ。1992年「朝のガスパール」で日本SF大賞を受賞したほか、数々の文学賞を受賞

本署は昭和50年(1975年)9月に徳間書店から刊行されたものを、1980年に文庫化した34編からなるショートショート集です

 

     

 

表題作の「笑うな」は、タイム・マシンを発明して、直前に起こった出来事を眺めるというストーリーです

「傷ついたのは誰の心」は、目の前で妻と性交する制服警察官と会話する夫というシュールな状況設定により、三者の心理を追究した芥川龍之介「藪の中」的な物語です

「最初の混線」は、電話機が日本に導入された当初の時代にしか通用しないストーリーですが、発想が冴えています

「ブルドッグ」は夫婦で室内で飼っているブルドッグが何故か大阪弁を話し、妻を口説きにかかるというシュールな話です

他の作品も含めて、いずれの作品も筒井康隆らしいシニカルでシュールに満ちたストーリーで、思わずニヤリとすることもしばしばでした 1話1話が短いので、隙間時間に読むことも出来るのでお薦めします

 

     

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セバスティアン・ヴァイグレ ✕ ロザンネ・フィリッペンス ✕ 読売日響でブラームス「大学祝典序曲」、コルンゴルト「ヴァイオリン協奏曲」、ベートーヴェン「交響曲第4番」を聴く

2024年04月27日 00時18分50秒 | 日記

27日(土)。わが家に来てから今日で3392日目を迎え、米連邦最高裁は25日、2020年大統領選の結果を覆そうとしたとしてトランプ前大統領らが起訴された事件で、トランプ氏が大統領在任中の公的な行為は刑事責任を免れるという免責特権を主張していることに関して口頭弁論を開いたが、トランプ氏が主張する「絶対的な免責」については懐疑的な発言が相次いだ一方、保守派の判事らは一部免責を認める考えをにじませた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     保守派の判事たちは 明らかに”もしトラ”に備えて忖度してるのは ミエミエだよね

     

         

 

昨日、夕食に「鶏肉の山賊焼き」「生野菜サラダ」「舞茸の味噌汁」を作りました 「山賊焼き」はカレー味がピリッと利いて美味しかったです

 

     

 

         

 

昨夜、サントリーホールで読売日響「第671回 名曲シリーズ」を聴きました プログラムは①ブラームス「大学祝典序曲 作品80」、②コルンゴルト「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」、ベートーヴェン「交響曲第4番 変ロ長調 作品60」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=ロザンネ・フィリッペンス、指揮=セバスティアン・ヴァイグレです

 

     

 

新シーズンの「名曲シリーズ」第1回目の公演です。今回から席替えをしました 今まで前過ぎたので、5列程度後方の席に移りました。ただ通路側でないのが悔しいところです

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の並び コンマスは林悠介、隣は戸原直というダブルトップ態勢を敷きます。第2ヴァイオリンのトップには久しぶりに首席の瀧村依里の姿が見られます 育休明けですね。おかえりなさい

1曲目はブラームス「大学祝典序曲 作品80」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833ー1897)がドイツ(現ポーランド)のブレスラウ大学から名誉博士号を贈られた返礼として1880年に作曲、1881年1月4日にブレスラウで初演されました

ヴァイグレの指揮で演奏に入りますが、重心の低いドイツ的な演奏が続きました 演奏を聴きながら、今からン十年前の高校時代に聴いていた旺文社提供「大学受験講座」を思い出しました この曲の「新入生の歌」の主題が講座のテーマ音楽になっていたのです ろくに勉強しなかったため1年浪人したアホなあの頃が懐かしい

2曲目はコルンゴルト「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」です この曲はオーストリア出身で「モーツアルトの再来」と称賛されたエーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルト(1897-1957)が1945年に作曲、1947年2月15日にセントルイスで初演されました 第1楽章「モデラート・ノビレ」、第2楽章「ロマンス」、第3楽章「アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります コルンゴルトはユダヤ系だったため、ナチスの手を逃れて1934年にアメリカに渡り、ハリウッドで数多くの映画音楽を作曲しました。その影響がこの協奏曲にも反映されています

ヴァイオリン独奏のロザンネ・フィリッペンスは1986年オランダ・アムステルダム生まれ。フライブルク国際コンクールなどで優勝している実力者です

オケは12型に縮小し、ハープとチェレスタがステージ下手にスタンバイします

ヴァイグレの指揮で第1楽章が開始されますが、冒頭から独奏ヴァイオリンが甘美なテーマを流麗に奏でます 終盤における超絶技巧によるカデンツァは見事でした 第2楽章は独奏ヴァイオリンの高音のヴィブラートが美しく響きました 第3楽章ではゴージャスな読響サウンドに支えられながら、フィリッペンスは技巧を凝らした自由自在な演奏によりエネルギッシュな演奏を展開しました

満場の拍手とブラボーに、フィリッペンスはエネスク「ルーマニアの様式による歌」を超絶技巧で演奏、再び大きな拍手に包まれました

ところで、コルンゴルト「ヴァイオリン協奏曲」といえば忘れられない思い出があります

今からン十年前の独身時代に、神保町のヤマハ・フルート教室に1年間通っていたのですが、同じクラスにW大学大学院在学中のO君がいました 私より8歳くらい年下でしたが何故か気が合い、横浜にある彼の自宅に遊びに行くことになりました そこで彼のレコード・コレクションを見させてもらったのですが、驚いたことに私の持っているレコード(当時は500枚程度)と同じレコードが1枚もなかったのです 私は多くのクラシック・ファンと同様、ベートーヴェン、モーツアルト、ブラームス・・・といった古典派やロマン派を中心とするレコードがほとんどだったのに対し、O君はイギリスやその周辺国の作曲家がほとんどだったのです アーノルド・バックスに至っては「交響曲第5番」のスコアまで持っていました その中の1枚に下のレコードがあり、そこで初めてコルンゴルト「ヴァイオリン協奏曲」を聴いたのです

 

     

 

このレコード・ジャケットの写真は灯台のサーチライトだと思いますが、コルンゴルト「ヴァイオリン協奏曲」というと、あの時初めて聴いた感動とともに、この写真を思い出します その翌日、さっそくO君に教えてもらった神保町の「バイロイト」という輸入レコードショップ(今はない)に行って買い求めました 2000枚まで集めたレコードは、ステレオ・アンプと物々交換で500枚を手放したので、現在1500枚が手元にありますが、いずれ何らかの理由で売却することになったとしても、この1枚だけは売らないと思います

 

     

 

プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第4番 変ロ長調 作品60」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1806年に作曲,1807年3月にウィーンのロブコヴィッツ侯爵邸で私的に演奏、同年11月15日にウィーンで公開初演されました 第1楽章「アダージョ ~ アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

オケは再び14型に戻ります

ヴァイグレの指揮で第1楽章に入ります ゆったりした序奏部からアレグロに移ると、快速テンポで演奏が展開しますが、ファゴットがいい仕事をしています また、金子亜未のオーボエ、フリスト・ドブリノヴのフルートが素晴らしい 第2楽章では金子平のクラリネットが冴えています 弦楽器を中心に重心の低い演奏が繰り広げられます 第3楽章では中間部のトリオにおける木管楽器の牧歌的な演奏が素晴らしい 第4楽章ではスピード感溢れる演奏が展開し、ユーモアさえ感じる明るく楽し気な曲想でフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されました 読響常任指揮者として6シーズン目を迎えたセバスティアン・ヴァイグレによる第1回目の「名曲シリーズ」は、”ドイツ・オーストリア系”の正統派プログラムで攻めましたが、順調なスタートを切ったと言えるでしょう

 

     

 

本日、toraブログのトータル閲覧数が870万 P V を、トータル訪問者数が280万 I Pを超えました(トータル閲覧数 8,701,992 PV ,トータル訪問者数 2,801,134 IP)。また、gooブログ全体における本日のランキングは3,183,641ブログ中238位でした これもひとえに普段からご訪問いただいている読者の皆さまのお陰と感謝しております これからも1日も休むことなく根性で書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

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クリストフ・エッシェンバッハ ✕ キアン・ソルター二 ✕ NHK交響楽団でシューマン「ゲノヴェーヴァ 序曲」「チェロ協奏曲」「交響曲第2番」を聴く~N響4月度Bプロ定期公演

2024年04月26日 00時01分06秒 | 日記

26日(金)。わが家に来てから今日で3391日目を迎え、2020年の米大統領選を巡って、西部アリゾナ州でのトランプ前大統領(共和党)の敗北を不当に覆そうとしたとして、同州の大番審は23日、トランプ氏の顧問弁護士だったジュリアーニ元ニューヨーク市長やメドウズ元大統領首席補佐官ら計18人を詐欺や文書偽造などの罪で同州の裁判所に起訴した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプ陣営は全米各地で違法行為をやっていたから 起訴がいつまでも続くよね

 

         

 

昨日、夕食に「麻婆茄子」「生野菜サラダ」「大根の味噌汁」を作りました 麻婆茄子は久しぶりに作りましたが、美味しかったです

 

     

 

         

 

昨夜、サントリーホールでNHK交響楽団「4月度Bプロ定期公演」を聴きました プログラムはロベルト・シューマン①歌劇「ゲノヴェーヴァ」序曲、②チェロ協奏曲 イ短調 作品129、③交響曲第2番 ハ長調 作品61です 演奏は②のチェロ独奏=キアン・ソルター二、指揮=クリストフ・エッシェンバッハです

クリストフ・エッシェンバッハはピアニストからキャリアをスタートさせ、1970年代から徐々に指揮に重心を移しました ドイツ放送交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団、パリ管弦楽団などで要職を務めました。今年84歳になります

 

     

 

オケは16型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置をとります コンマスは郷古廉、隣は川崎洋介といったダブルトップ態勢を敷きます

1曲目はシューマン:歌劇「ゲノヴェーヴァ」序曲です この曲はロベルト・シューマン(1810-1856)がフランスの聖女ゲノヴェーヴァの伝説によるヘッベルとティークの戯曲を基に1847年から49年にかけて作曲したオペラの序曲です

弦楽器を中心に演奏される”悲劇”の物語を聴く限り、歌劇の序曲というよりは演奏会用序曲のような完結したドラマを感じました

2曲目は「チェロ協奏曲 イ短調 作品129」です この曲は1850年に作曲、1867年にライプツィヒで初演されたと言われています 第1楽章「速すぎず」、第2楽章「ゆっくりと」、第3楽章「極めて生き生きと」の3楽章から成りますが、切れ目なく続けて演奏されます この曲は特定のチェリストを想定して作曲したものではなく、自発的に書いたところが大きな特徴です

チェロ独奏のキアン・ソルター二はペルシア人の音楽一家のもと、オーストリアのブレゲンツに生まれる スイスのバーゼル音楽院で研鑽を積む。ダニエル・バレンボイム率いるウェスト・イースタン・ディヴィン管弦楽団で首席チェロを務めた

オケは14型に縮小し、エッシェンバッハの指揮で演奏に入ります 艶のある独奏チェロがオーケストラに溶け込み、美しいハーモニーを奏でます ソルター二は確かな技巧の裏付けのもと、ロマン溢れる演奏を繰り広げました 欲を言えばもう少しインパクトが欲しいと思いましたが、ない物ねだりですね

満場の拍手にソルターニはペルシア民謡「シーラーズの娘」を、チェロの辻本玲と中実穂の助演のもと鮮やかに演奏し、聴衆を黙らせました

 

     

 

プログラム後半は「交響曲第2番 ハ長調 作品61」です この曲は1845年から翌46年にかけて作曲、1846年11月5日にメンデルスゾーン指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団により初演されました 第1楽章「ソステヌート・アッサイ ~ アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ ~ トリオⅠ,Ⅱ」、第3楽章「アダージョ・エスプレッシーヴォ」、第4楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

オケは再び16型に拡大し、コンマスが川崎洋介、隣が郷古廉に交替します

エッシェンバッハの指揮で第1楽章に入ります 冒頭の金管によるファンファーレが印象的です 後半に入るとかなり速いテンポで演奏され、弦楽器を中心に渾身の演奏が繰り広げられます 第2楽章は、ひと言で言えば”一気呵成”に突っ走ります さて、この日の公演は第3楽章「アダージョ・エスプレッシーヴォ」が白眉でした エッシェンバッハはかなりテンポを落とし、弦楽器にテーマを歌わせます このテーマがオーボエに受け継がれるところは何とも言えない寂寥感を感じます 吉村結実のオーボエが素晴らしい また、伊藤圭のクラリネット、神田寛明のフルートも良く歌います 今井仁志のホルンも素晴らしい アタッカ気味に入った第4楽章は、まるで”勝利の音楽”のように溌溂とした輝かしい音楽が展開します コンマスの2人が躍動感あふれる演奏を繰り広げます 特に川崎は演奏の勢いで立ち上がってしまうのではないか、と思うほど身体を前後に大きく揺らし、渾身の演奏を展開しています なるほどこれがジュリアード音楽院仕込みの演奏か、と納得しました 管楽器が咆哮し、ティンパニが炸裂し、弦楽器が渾身の演奏を展開し、スケールの大きな演奏でフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーのなかカーテンコールが繰り返され、この日が今年の定期公演最終日となるエッシェンバッハに、楽員を代表してヴァイオリン奏者から花束が贈呈されました

 

     

     

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「芸劇ブランチコンサート 100% ヴィオラの日」を聴く ~ ベートーヴェン「3つのヴィオラのためのトリオ」、エネスコ「演奏会用小品」他:佐々木亮、鈴木康浩、中恵菜、清水和音

2024年04月25日 00時56分21秒 | 日記

25日(木)。昨日の日経朝刊によると、指揮者の山田和樹氏がベルリン・フィルを指揮することが決まったとのことです 記事を超略すると次の通りです

「ベルリン・フィルは23日、2025年6月の定期公演に指揮者の山田和樹氏(45)を起用すると発表した 日本人指揮者の定期公演出演は、楽団と関係が深かった小澤征爾氏の2016年以来。新たな起用は2011年5月の佐渡裕氏に次ぐ 山田氏の出演は来年6月12~14日の3日間で、演目は サン=サーンス『交響曲第3番”オルガン付き”』や、武満徹『ウォーター・ドリーミング』など   3月の公演では、日本人ヴァイオリニスト HIMARI さん(12)がソリストを務めることも公表した  HIMARIさんは3月20~22日に、ズービン・メータ氏の指揮で、ヴィエニャフスキ『ヴァイオリン協奏曲第1番』を弾く

記事を補足すると、沖澤のどかが2022年3月に、急病で降板した芸術監督のキリル・ペトレンコの代役でベルリン・フィルを指揮しています

山田和樹は現在、英バーミンガム市交響楽団の首席指揮者兼アーティスティックアドバイザー、モナコのモンテカルロ・フィルの芸術監督兼音楽監督を務めています 一方、HIMARI は数々の国際コンクールで第1位を獲得、2022年から米カーティス音楽院で大学生に交じって学びながら、国内外の楽団と共演を重ねています

山田氏の客演はある程度予想がつきましたが、HIMARIのベルリン・フィルへのソリスト・デビューは意外でした 彼女の演奏は2度聴きましたが、五嶋みどり以来の天才だと思います 五嶋みどりが MIDORI と名乗ったのを意識して、吉村妃鞠が HIMARI と名乗るようになったことは容易に想像がつきます

ということで、わが家に来てから今日で3390日目を迎え、ドナルド・トランプ前米大統領が不倫相手への「口止め料」の支払いを巡って業務記録に虚偽記載をした罪に問われている裁判で、米誌ナショナル・エンクワイアラーの元発行人デイヴィッド・ベッカー氏が23日証人として出廷し、2016年大統領選挙の時期にトランプ前大統領や当時の顧問弁護士マイケル・コーエン氏と協力し、トランプ前大統領の評判を落とす記事を抑え込んだと証言、そうした行為を「友人間の取り決め」だったと説明した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプは 正直者のお友達と「友人間の取り決め」したことを 後悔してんじゃね

 

         

 

昨日、夕食に「鶏肉のガリチー煮&スパゲティ」を作りました 何回食べても飽きない味で、とても美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、東京芸術劇場コンサートホールで「芸劇ブランチコンサート 第47回:100%  ヴィオラの日」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「3つのヴィオラのためのトリオ 作品87」、②ショスタコーヴィチ「2つのヴィオラとピアノのための5つの小品」より「前奏曲・ガヴォット・ワルツ 作品97d」、③エネスコ「演奏会用小品」、④ヴュータン「無伴奏ヴィオラのためのカプリッチョ」、⑤同「エレジー 作品30」、⑥クライスラー「愛の喜び」です   演奏はヴィオラ=佐々木亮(N響首席)、鈴木康浩(読響ソロ・ヴィオラ)、中恵菜(新日本フィル首席)、ピアノ=清水和音です

日本を代表するオーケストラの首席クラスのヴィオラ奏者3人が一堂に会することは滅多にないことです 清水氏が声をかけたのでしょうが、良く集めましたね

 

     

 

1曲目はベートーヴェン「3つのヴィオラのためのトリオ 作品87」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が作曲した「2つのオーボエとイングリッシュホルンのためのトリオ 作品87」が原曲です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「メヌエット:アレグロ・モルト ~ スケルツォ」、第4楽章「フィナーレ:プレスト」の4楽章から成ります

左から佐々木(第1)、中、鈴木という並びですが、中は白を基調とした銀のラメ入りのエレガントな衣装を身にまとっています この人は華がありますね 第1楽章はソフトなタッチで優美な演奏が展開し、第2楽章は美しい旋律が奏でられます 第3楽章では躍動感あふれる演奏が繰り広げられ、第4楽章では愉悦感に満ちた音楽が軽快に演奏されます ヴィオラだけ3本でどんな演奏になるのか、と思っていましたが、ヴィオラ特有の温かみのある音色が魅力的で、ノーブルなアンサンブルが展開しました

2曲目はショスタコーヴィチ「2つのヴィオラとピアノのための5つの小品」より「前奏曲・ガヴォット・ワルツ 作品97d」です この作品の原曲は「2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品」です 第1曲「前奏曲」、第2曲「ガヴォット」、第3曲「ワルツ」の3曲から成ります ドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)は交響曲やオペラの他に、映画音楽や劇音楽も書いていますが、「前奏曲」は1955年製作の映画「馬あぶ」、「ガヴォット」は1934年製作の劇「人間喜劇」、「ワルツ」は1933~34年製作の映画「司祭と下男バルドの物語」に含まれた楽曲です

演奏は中が第1、佐々木が第2で、清水のピアノが支えます 「前奏曲」は憂いを帯びた旋律が印象的です 「ガヴォット」は楽し気な作品です 「ワルツ」はどこか哀しみを帯びた曲想で、アンビバレントな魅力を感じます いずれもノーブルな演奏が印象的でした

3曲目はエネスコ「演奏会用小品」です この曲はジョルジュ・エネスコ(1881-1955)が1906年に作曲したヴィオラとピアノのための作品です 鈴木と清水の演奏ですが、前半はノスタルジーを感じさせる曲想が奏でられますが、後半に入るとテンポを上げ、技巧を駆使した情熱的な演奏が繰り広げられました

 

     

 

4曲目はヴュータン「無伴奏ヴィオラのためのカプリッチョ」です この曲はアンリ・ヴュ―タン(1820-1881)が晩年に書いた作品です 中は、脳卒中による半身麻痺の状態にあった作曲家の悲しみを表すかのように抒情的な演奏を展開しました

5曲目はヴュ―タン「エレジー作品30」です この曲は1854頃に書かれたヴィオラとピアノのための作品です 佐々木と清水の演奏ですが、タイトル通り哀愁に満ちた音楽が奏でられました

6曲目はクライスラー「愛の喜び」(2つのヴィオラとピアノ版)です この曲はフリッツ・クライスラー(1875-1962)が作曲したヴァイオリンとピアノのための作品ですが、今回はヴィオラ2本とピアノにより演奏されます 佐々木と鈴木により、お馴染みの弾むようなメロディーが演奏されますが、いつもヴァイオリンで聴いているのとは一味違った演奏が楽しめました

 

     

 

ところで、いつものように演奏の合間に清水とゲストによるトークがありましたが、今回は3人に「ヴィオラを弾くようになったきっかけ」を尋ねていました

最初に清水が、「ヴィオラ奏者の多くは、最初ヴァイオリンを弾いていて、途中で諦めてヴィオラに転向するケースが多い ヴァイオリンのための作品は多いが、ビオラのための作品は少ない ヴァイオリンは演奏が難しいが、ヴィオラは簡単だ」と持論を展開し、3人に尋ねました

鈴木は「小学生の頃からヴァイオリンとヴィオラの両方を弾いていたが、チェロの音色に魅力を感じ、ヴァイオリンよりも音程の低いヴィオラに魅力を感じるようになった」旨を、中は「高校1年からヴィオラを弾くようになったが、最初のうちは嫌だった しかし室内楽を演奏していくうちにヴィオラが好きになった」旨を語りました 面白かったのは佐々木の話です。「ヴァイオリンを学ぶためにジュリアード音楽院に留学した時、師事する先生から『明日、演奏会でヴィオラを弾いてくれ。楽器は楽器屋に行けば売ってるから』と言われ、楽器屋に行ってヴィオラを求めて、初めてヴィオラを演奏したが、その時すっかりヴィオラの音色に魅了され、自分はこれだと思った」と語っていました さらにヴィオラ奏者の性格について尋ねられた佐々木は、「今回のプログラムで2曲ファースト・ヴィオラを弾くが、他の2人に『どうぞファーストを弾いてください』と声をかけたら、2人は『いえいえ、佐々木さんが弾いてください』と遠慮されました」と語りました これを受けて清水は「そうなんです。ヴィオリストは控えめな人が多いんです これがヴァイオリンだとそうはいきません 『是非ファーストを弾かせてください』となります ヴァイオリンはファーストが花形ですから 弦楽四重奏団は とかく第1ヴァイオリンとチェロの仲が悪いんです 2人の言い争いになると、たいてい第2ヴァイオリンとヴィオラは黙っています ヴィオリストはそういう控えめな人が多いんです。私はヴィオリストが大好きです」と語っていました

私もヴァイオリンよりヴィオラが好きだし、ソプラノよりメゾ・ソプラノの方が好きです

 

 

     

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METライブビューイングでヴェルディ「運命の力」を観る ~ リーゼ・ダーヴィドセン、ブライアン・ジェイド、イーゴル・ゴロヴァテンコにブラボー! / 朝日・吉田純子さんの新聞記者の文章術4

2024年04月24日 02時09分24秒 | 日記

24日(水)。3回で終わりかと思っていたら第4回がありました 朝日新聞社編集委員・吉田純子さんによる朝刊のコラム「新聞記者の文章術 『音楽』を書くこと」が昨日4回目を迎えました 吉田さんはその中で、「吹奏楽や合唱のコンクールの全国大会で毎秋、当日の総評を書いている。翌日の朝刊に載せるのはかなりしんどい仕事だが、子供たちの中にほんの少しでも『真摯に磨き上げた表現は、知らない人の心にもちゃんと届く』という自信の種を贈ることができたらと、一言一言を真剣に選んでいる」「舞台に立つ人にプロもアマもない 誰もが等しく音楽家として敬意を払われるべきだ」と書いています

そして、4回目の文章術として「賞などの権威ではなく、自分の心を常に価値判断の礎とする」を挙げています 人はどうしても「〇〇コンクールで優勝」とか「〇〇コンクールで審査員特別賞を受賞」とか、権威の象徴としての”賞”に引っ張られて演奏を判断しがちです 確かにそうした演奏は素晴らしいかもしれないが、受賞を逃した演奏の中にも印象に残るものが少なからずあるはずだ、ということだと思います

しかし、吉田さんの「賞などの権威ではなく、自分の心を常に価値判断の礎とする」という言葉は、「言うは易く行うは難し」です 心構えとしては全くその通りにすべきだと思いますが、そうすることが出来るためにはそれなりの知識・能力がなければなりません 好き嫌いだけを判断基準の礎とするのなら簡単です。しかし、それでは説得力がありません 個人的には、1つでも多くの演奏を聴いて感性を磨き、”耳を鍛える”ことによって自分の心(自分自身の判断基準)を確立する以外に方法はないのではないか、と思います

ということで、わが家に来てから今日で3389日目を迎え、「頂き女子りりちゃん」の名前でSNSで活動し、男性3人から計約1億5千万円をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われた渡辺真衣被告(25)の判決公判が22日、名古屋地裁であり、大村陽一裁判長は「意中のホストらの売り上げに貢献するために犯行に及び、刑事責任は相当重い」などとして、懲役9年・罰金800万円の判決を言い渡した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     裏金がっぽり「頂き議員あべはちゃん」には  懲役も罰金も科せられないわけね?

 

         

 

昨日、夕食に「シャケのアクアパッツァ」を作りました 本当はタラにしたかったのですが、品切れだったのでシャケで手を打ちました シャケは小ぶりだったので2切れで1人前です ヘルシーで美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ヴェルディ「運命の力」を観ました これは今年3月7日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 出演はレオノーラ=リーゼ・ダーヴィドセン、ドン・アルヴァ―ロ=ブライアン・ジェイド、ドン・カルロ=イーゴル・ゴロヴァテンコ、プレツィオジッラ=ユディット・クタージ、メリトーネ修道士=パトリック・カルフィッツィ、カラトラーヴァ伯爵/修道院長(2役)=ソロマン・ハワード。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、合唱=メトロポリタン歌劇場合唱団、指揮=ヤニック・ネゼ=セガン、演出=マリウシュ・トレリンスキです

 

     

     

「運命の力」はジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)がリヴァス公爵サーヴェドラによる戯曲「ドン・アルヴァ―ロ、あるいは運命の力」を基に書いたフランチェスコ・マリア・ピアーヴェの台本により、1861年から翌62年にかけて作曲、1862年11月10日にサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で初演された全4幕から成るオペラです

18世記半ば(本演出では戦時下の現代)。ヴァルガス家の令嬢レオノーラは敵方のドン・アルヴァ―ロと恋に落ち、駆け落ちを計画するが、レオノーラの父親に見つかってしまう もみ合ううちにアルヴァ―ロの拳銃が暴発し、父親は絶命する 恋人たちは逃避行の途中で離ればなれになり、レオノーラは修道院の奥の洞窟に身を隠し、アルヴァ―ロは軍隊に入る レオノーラの兄ドン・カルロは、父の仇として2人を追う。カルロとの決闘を逃れたアルヴァ―ロは修道院に入るが、そこはなんとレオノーラが隠れ住む場所だった カルロに追い詰められた2人はついに再会を果たすが、レオノーラは兄カルロの手によって殺される 一人残されたアルヴァ―ロは悲嘆にくれる

 

     

 

本作はMETで30年ぶりとなる新演出による「運命の力」の上演です 演出のマリウシュ・トレリンスキは1962年ポーランド・ワルシャワ生まれ。映画監督の出身で、1996年以降はオペラの演出も手掛け、2008年からポーランド国立歌劇場芸術監督を務めています 新国立劇場22ー23シーズン開幕公演「ボリス・ゴドゥノフ」の演出も手掛け、演劇的な解釈で話題を呼んだことは記憶に新しいところです

ヤニック・ネゼ=セガンの指揮で「序曲」がドラマティックに演奏されますが、その間、トレリンスキは回り舞台を有効に使い、歌手陣を動かします 父親を裏切ってまで恋人と駆け落ちしようとするレオノーラの苦悩を、リーゼ・ダーヴィドセンが本人に成り切った演技力で表現します そしてそのまま第1幕に移行します この辺の流れのつくり方は見事です

トレリンスキは映画監督出身の演出らしく、各幕の冒頭では、車窓を雨が流れ落ちるシーン、ヘリコプターが飛び交うシーン、銃を肩にかけた兵士が歩くシーン、森の中で鳥たちが鳴くシーン、廃墟のシーンなどが映像で流れるのが印象的です これらの映像は「戦争」、具体的には「ウクライナ戦争」を意識していることが窺えます

レオノーラ役のリーゼ・ダーヴィドセンは1987年ノルウェー生まれのソプラノです デンマーク王立音楽院等で学び、2015年にプラシド・ドミンゴ主宰「オペラリア」など国際コンクールで優勝を重ねました 最近ではMETライブ「ばらの騎士」の元帥夫人を歌い好評を博しました ドラマティックな歌唱とともに、繊細な表現も兼ね備えた表現力は魅力的で、演技力も抜群です

ドン・アルヴァ―ロ役のブライアン・ジェイドはニューヨーク出身のテノールです ドミンゴ主宰「オペラリア」で第2位入賞を果たしています 声量がありムリなく高音が伸びる歌唱が魅力的です

ドン・カルロ役のイーゴル・ゴロヴァテンコは1980年ロシア生まれのバリトンです モスクワ合唱芸術アカデミーで学び、数々のコンクールで上位入賞しています 特に弱音でも美しく聴かせることのできる歌唱が印象的です

プレツィオジッラ役のユディット・クタージはルーマニア系ハンガリー人のメゾ・ソプラノです チューリヒ歌劇場で研鑽を積みました 力強い歌唱で低音の魅力を発揮しました 

メリトーネ修道士役のパトリック・カルフィッツィは1974年ニューヨーク州生まれのバスバリトンです 米カトリック大学とイェール大学で学び、METには1999年以来400回以上出演しています 本作ではどちらかと言えば”悪役”を歌いましたが、魅力のある声質で、演技力が並外れていました

特筆すべきは、メトロポリタン歌劇場合唱団のコーラスです 特に、第2幕第3場(修道院の礼拝堂)で、レオノーラが修道院の裏山へ向かう時に、僧たちがレオノーラのために祈る合唱は心に迫ってきました 幕間のインタビューでMET合唱指揮のD.パルンボが合唱団を指導するシーンが映し出されましたが、作品に応じてイタリア語、ドイツ語、フランス語・・・と歌い分けなければならない宿命を抱えながら、いかにその曲の神髄をコーラスで表現するかを語っていて、この人は凄い人だなとあらためて思いました

最後に、ヤニック・ネゼ=セガン指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団による素晴らしい演奏を取り上げないわけにはいきません 終始、歌手に寄り添いつつ、レオノーラの苦悩を、ドン・アルヴァ―ロの愛を、ドン・カルロの復讐心を見事に表現していました

どうでもいいことですが、最後のカーテンコールで指揮者のヤニック・ネゼ=セガンがステージに上がり、歌手たちと共に拍手に応えましたが、両脇のリーゼ・ダーヴィドセンとブライアン・ジェイドに挟まれた彼は、まるで大人に挟まれた子どものように背が低く小柄だったので驚きました この小柄な男からあの力強い演奏が導かれるのかと思い、再び 驚きました

METライブビューイング:ヴェルディ「運命の力」の上映は、2回の休憩、歌手へのインタビュー等を含めて4時間15分です この作品に限って「腰痛の敵=ヴェルディ」です

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