それでもボクはやってない

近年、表面化してきた「痴漢冤罪」をテーマにした映画、「それでもボクはやってない」(周防正行監督)を劇場で見てきた。痴漢冤罪については、数年前からその具体的な実態を知っていた。
今回の映画で取り上げられた我が国の司法の問題は、人質司法と呼ばれるものである。否認するものは一方的に監禁し、拷問して無理矢理認めさせ、有罪にして殺してしまうのが実態だ。「認めればすぐ出られる」と言って真相に関係なく、無理矢理認めさせるのが現状だ。
我が国では、警察、検察による取調べの録画、録音がプライバシー保護の名目で行われていない。これはどんなに不当な取り調べ、拷問を行っても、後で証拠が残らないのだ。これも冤罪を続発させる原因となっている。
松本サリン事件第一通報者の河野義行さんは、この取調べの録画、録音が実施されるべく活動していたと思う。取調べの透明化、これが課題だ。
この作品のラストは、無実でも有罪になってしまい、控訴するというとても不条理なものだった。我が国の刑事裁判では、有罪率99.9％、真実が明らかになるところではないのだ。痴漢冤罪が報道されるようになる以前は、痴漢裁判で無罪を主張してきた人々が全員有罪になった。報道がされるようになると、数件無罪判決が出るようになった。そして報道が下火になると、また無罪判決は少なくなるのだ。
以前から自分がインターネットで話してきたことは、このような現実の中で実際にこのようなトラブルに遭遇してしまった場合にいかに対処したら良いのか。それを確立することが重要だ。そうであるにもかかわらず、痴漢冤罪の報道はいつも「難しい問題だ」「気をつけよう」のみ。肝心の対策などについてはいつも語られていない。今回の映画でも、実際にこのようなトラブルに遭遇してしまった場合の対策などについていは一切語られなかった。
自分がたてた対策は、自分の身元をはっきりと明かし、駅事務室、警察への同行は一切拒否して立ち去る事、無理に連れて行かれそうになっても、椅子等にがんと座り込んででも拒否すること。そして、直ちに当番弁護士センターへ連絡し、弁護士の介入を頼むことである。弁護士も、理想はこの事案に詳しい弁護士だ。
冤罪とは、殺人に匹敵する、もしくはそれ以上の今回の映画公開で、痴漢冤罪の実態、我が国の司法の問題点等が表面化したであろう。冤罪のない社会が来ることを、切に願う。

記録的暖冬

今年の冬は温暖だ。記録的暖冬だと聞いている。
実家では昨年は雪が多く、除雪が大変だったが、今年は少ないそうだ。
昨年は1月下旬頃、東京地方は積雪があるほど雪が降ったが、今年はまだ一度も降っていない。気象庁でも、観測至上最も降雪の日が遅れているそうだ。
なぜこんな事になったのだろうか。地球温暖化が関係しているのであろうか。
暖冬の年は、冷夏になると聞いたことがある。冷夏というのは、ぼくは季節の中でも特に嫌いだ。夏は暑い程、猛暑になる程良いと思っているからだ。自分が中学生の頃、記録的に冷夏だった。この夏も、そんな感じなのであろうか。