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東宝特撮映画、「世界大戦争」鑑賞

2019年05月12日 22時34分17秒 | Weblog
'61(昭和36)年公開の東宝特撮映画「世界大戦争」のDVDを購入。鑑賞した。
初めて見たのは20代中ごろの頃だったので(当時はVHS)、約15年ぶりの鑑賞。
当時の芸術祭参加作品である。

当時、東西冷戦が進み、原水爆の開発競争が激化していた。その時代に全面核戦争による人類滅亡を止める警鐘の意味を込めて制作された世界戦争スペクタクル映画である。
主役をごく平凡な庶民の男とその一家と、ごく平凡なアベックにすることで、核戦争によりささやかな幸せが根こそぎ奪い去られ、幸福に満ちた明日を完全に破壊される恐怖と悲しみを描いていることが特徴。
登場人物も皆善人で、悪人が一人も登場しない。

当時の東宝特撮映画は「ゴジラ」等本多猪四郎監督作品が多かったが、この作品は社長シリーズ等の松林宗恵監督が指揮を執っている。
特技監督は円谷英二さん。音楽はクラシック作曲家の團伊玖磨さんが制作している。

主役は反戦映画の名作「私は貝になりたい」で主役を務めた故・フランキー堺さん

同年公開の「モスラ」でも、主役を務めている。

もう一人の主役とヒロインの役にはゴジラ第1作の主演宝田明さん、故・星由里子さんが演じられた


第3次世界大戦が勃発して東京が大混乱になるシーンは、設定では品川という事になっていたが、実際は両国駅前でロケを行ったらしい。

両国駅は昨年行ったのだが、もう当時とは全く変わってしまっているであろう。このシーンは後の「ウルトラセブン」最終回などのその他の映画にも流用された。

見ていて辛かったシーンは、横浜で働いていた母子家庭の母親が東京に残してきた娘を迎えに行こうと走っていくが、その途中力尽きて絶命してしまう場面。
戦争の悲惨さを物語る場面である。

宝田さんとヒロインが、無電で最後の交信をする場面も悲しかった。

主役の一家は「どうせ逃げたって逃げられやしない。それより最後まで家族みんな一緒にいよう」と最後の晩餐をする場面もあった。
ぼくももし人類最後の日が来たら、最後の瞬間まで家族と、大切な人と一緒に居たいと思った。

そして特撮の最大のクライマックス、東京や各国の主要都市が核弾頭ミサイルで焼失する場面

撮影の際には溶けた鉄などを使用したらしく、スタジオが灼熱地獄と化するような危険で大変な撮影であったであろう。スタッフの方々は、大変な思いをされただろうな。

この映画が公開されたのは、もう半世紀以上以前。実際この翌年にキューバ危機なども起きていた。
東西冷戦時代には、いずれ第3次大戦が起こると言われていた。しかし冷戦は終結したが、ここ10年位の世界情勢は、第2次大戦直前の時代に酷似していると言われている。

アメリカ、北朝鮮、中国。連日のニュースを聞いていると、これから大丈夫かと思う事もある。
日韓関係も、今戦後最悪だ。

映画のラストシーンは、焦土と化した東京を背景に「これは架空だが明日の現実かもしれない。それを押しとめよう」というメッセージが表示されて終わる。
本当にこの映画のようなことが現実にならないことを、切に願う。

その他の出演者では、船長の役で初代水戸黄門で知られる東野英治郎さん


首相の役では山村聰さんも出演されています。

後に「ゴジラVSキングギドラ」でも首相役、西部警察Ⅲ最終回にも出演されました。

世界の円谷特技監督による特撮も凄いし、團音楽監督による重厚なテーマ曲も凄い。この映画も名作だと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=1xo94uOXymw

https://www.youtube.com/watch?v=XPnE0AFIKDg&t=248s
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