今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

久々のコンパクトPEN-D3

2011年06月13日 21時12分33秒 | インポート

Dscf269575 最近コンパクトPENが来ないなぁ、と思っていましたら、PEN-D3が続いて2台入って来ましたよ。本当は、この個体の次に着手のD3の方がお話しは先でしたけど、到着順ですからね。#3332XXと後期の生産機ですから程度は非常によろしい。電池室の液漏れもない。突然巻上げもシャッターも切れなくなってしまったとのことです。まぁ、このシャッターはそのような故障は良くありますね。シャッターを注意深く組立てて行きます。

Dscf269658 基本的にこの個体は過去にプロのO/Hを受けていまして、極端に悪いと言うところはありませんが、後期型と言うことで、一部の部品仕様が変わっていますので個体によってはそれが不調の原因にもなります。僅かなことで不調となる。このシャッターの気難しさです。幸い、この個体は消耗も少なく、各部の部品状態は良いと思いますね。

Dscf269715 レンズのコンディションは最高の部類でしょうね。シャッターリングのクリックは、それまでのスチールボール式から砲弾型に変更されている個体ですから、クリック感は硬めで節度もあります。スチールボール式はカム板のボール走路の磨耗により、クリック感が薄らいでいる個体が多いと思います。感触はスチールボール式の方が良いのですけどね。で、クリーニングをしたファインダーを搭載します。露出計の感度は低下ぎみでしたので補正してあります。

Dscf269852 前面の化粧リングの彫刻1:1.7の色が抜けていますね。D3のセールスポイントですから入れておかなくっちゃね。

Dscf269977 じゃ、こういうことで・・ボディーの当りもなくて、非常にきれいなD3ですね。

では、次もD3なんですね。同じものだけどUPしないわけにもいかないかなぁ?・・・・パソコン画面を見るのが辛くて・・


ハーフミラーが入らないPEN-FT(B)

2011年06月11日 20時32分46秒 | インポート

Dscf268951 いよいよ毎年恒例のペンスケッチ展7(渋谷会場)が来週6/14(火)より始まりますね。最終日の6/19(日)の午前中には私もちょっとだけ参加させて頂いて皆さんのPENを拝見してお話しをしたいと思っています。ご希望の方はMazKenさんまでメールでご連絡をお願いします。

http://mazken.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/7-7ed1.html

で、このPEN-FT(B)はご常連さんが新しく入手された個体で、#3511XXと後期製造で状態は良いと思いますね。4万円ほどで入手されたようです。ご自分でハーフミラーを分離されたとのことですが、再びミラーが入らなくなってしまい、シャッターダイヤルと露出メーターとの連動も外れてしまったとのことですね。よって、ハーフミラーは抜かれた状態です。露出計ユニットを分離せずにハーフミラーを抜くことも可能ではありますが、組立構造を熟知していない方の場合は、入らなくなってしまうというトラブルも多く、それによっとミラーにキズをつけてしまう事故も起きがちですので、私としてはあまりお勧めは出来ません。やはり、組立には順序というものがあって、それを無視した方法は良い結果は得られないものです。急がば回れです。

Dscf269192 中々良い個体ですね。特に問題はなく、巻上げ関係、シャッター関係が組み上がっています。問題の露出メーターユニットね。Cdsの前にあるブラインドの位置がずれるとハーフミラーが入るスペースが無くなってしまうのね。情報窓用のプリズムも曇っていますので、ハーフミラーの交換は、完全に分離清掃してから交換をすることになります。

Dscf269225 巻上げのゴリツキは、巻上げ部分の問題だけでなく、巻上げ動作で作動する全ての部分が関連しています。この個体は、軽快ではあるが、どう調整をしてもギヤ鳴りが軽減しませんね。すでにギヤに偏磨耗があるためです。ハーフミラーは付属していませんので新品をセットして組立ます。

Dscf269424 画像のUP数が少なくてすみませんね。特に問題となるところも無かったのです。シャッターダイヤルが1/30以下に回らなかったのも、露出計が作動しなかったのも、すべてハーフミラーを分離した時に露出メーターとシャッターダイヤルを連結するウォームギヤが外れてしまったためです。良好なコンディションの35万代FT(B)ですから良いですね。


休んでいられないPEN-FT

2011年06月08日 20時07分50秒 | インポート

Dscf268355 ボチボチお休みしてと思っていますが、そうも行かないのですね。すでにお受けしている作業が遅れているので・・で、このPEN-FT #1179XXは初期型ですね。巻上げかスムーズでない。コマ送り不良。ファインダーが暗い。などのお訴え。巻上げはメンテナンスで改善すると思います。コマ送りはスプールの磨耗と思いましたが、そうではなくて、巻上げと巻き戻しレバーの負荷が大きいだけだと思います。(60枚以降で重くなるとのことで)ファインダー暗い、は、何度もハーフミラーが拭き上げられて、殆どメッキが残ってないじゃん。この頃の個体としては露出計が元気だなぁと思いましたら、基板別体タイプに交換されていますね。流石に、初期のユニットでは厳しいですからね。

Dscf2685451 ちょっとハレーション画像ですみません。(補正はしました)分解してみると・・・あら~、これはちょっとイヤですね。このシャッター幕ユニットは多分、後期の部品に交換されていると思いますね。それは良いとして、問題はのビスです。そもそも、この頃の個体は+ビスではなくて、頭の大きなスリ割りビスのはずです。しかも孔位置が妙にずれています。しかも、留めビス3本とも緩んでいます。目がきついのにイヤだなぁ。これは、オリジナルのビスが緩まずに頭が折れてしまったので、その隣りにネジ孔を開けたのですね。この頃のビスは真鍮製でネジロックが親の仇みたいにきついので緩める時はコツがあるのです。

Dscf2687971 後ろ側から見てみるとね。右側に本来の真鍮ビスの残骸が残っていますね。何故、横に孔を開けたんでしょう? ナマクラな真鍮ビスなんだから、正確にセンターを出して孔を拡大して行けば、きれいに取り除けるのに。まぁ、他人様の考えることは分かりません。私としては、極力、オリジナルの部品にキズをつけないように、オリジナル性を損なわないように。を考えて作業をしますね。


何かありそうなPEN-FT

2011年06月07日 10時25分43秒 | インポート

Dscf2678571_2 それではボチボチと・・このPEN-FT #3096XXは後期型なのに荒れた印象ですよ。トップカバーを開けてみると、ファインダー本体の塗装の剥離が激しく、遮光テープも取り去られている。シンクロターミナルへ行くリード線は半田が外れていて、ファインダーの方を向いています。と言うことは、トップカバーを閉めた時からリード線の断線は無視していたということですね。

Dscf268015_2 電池室からのリード線はやり直されて規格外です。また、配線の経路が違います。これは、前板を分離せずに交換したもので、この位置にリード線を通すと、スローガバナーやレリーズシャフトに干渉して不具合となることもあります。すべて交換致します。

Dscf268175_2 30万台としてはハーフミラーの状態も良くありませんね。メッキも殆ど飛んでしまって表面も曇っています。この頃のミラーでここまで劣化する場合は余程保管が悪かったのでしょうね。交換します。

Dscf268212 ハーフミラーとリード線を交換して完成していますが、この個体はレンズマウントの磨耗が進んで真鍮が露出している部分があります。付属のレンズを点検してみると・・・このレンズは分解を受けており、規格外のビスが使われています。マウント部分の3本のうち1本が規格外の皿ビスが使われており、ビスがマウント面より僅かに露出してカメラ側のマウント面をキズつけていました。不注意からみすみすカメラの状態を悪くしているのは残念ですね。


程度の良い里帰りPEN-FT(B)だが・・

2011年06月04日 16時59分39秒 | インポート

Dscf267365 養生中ですが、久しぶりに天気が良いので、ほっぽりぱなしの自転車を磨いて町内を一周してみた。メガネを掛けての走行は走りづらい。これじゃ、バイクで速く走るのはとても無理です。食事制限と全く運動をしていなかったため、ゆっくり漕いでも心臓に負担が来て、改めて体力が落ちているのを実感した。ダイエットもあと4kgは落とさなくてはならないので運動は欠かせないです。

で、帰って来てボチボチ作業をします。このPEN-FT(B)は里帰り機で#2891XXですから全体の印象は悪くありません。オーナーさんからはセルフタイマーの不調を言われていますが、タイマーユニットは時計と同じなので組まれたままの状態では不調になるのも仕方ないところです。ピンセット先のアンクルの動きが悪いものは止まりやすいです。しかし、それより問題は、7-8回に1回ぐらいの頻度で巻上げ不足が発生しますね。こちらの方が問題です。と言うことで、全体のO/Hをすることになります。

Dscf267485

分解してみると・・ちょっとイヤな眺めですね。シャッター幕の先端部分が平滑面でなく折曲がっててっぺんが削られています。このユニットは分解された形跡(ビス)はありませんけど、さりとて工場でこの状態で組んだということは考えられません。

Dscf2676511 分離して裏から見てみると・・・これは意外に重症ですね。先端のエッチングされていない厚い部分が変形して地板と擦れて削られています。一番問題なのはエッチングされた薄い部分との境界にのようなクラックが入り始めています。原因は、ピンセットの開口部に指でも入れてシャッター幕の回転を強制的に止めてしまったのでしょう。位置が符合します。今回はこのまま組んでおくしか仕方ありませんが、ある日突然にシャッター幕がクシャクシャに破壊する可能性はあります。

Dscf267720 問題はもう一つあって、巻上げレバーのカムを回すためのレバーですが、これを留めているビスが緩んでレバーにガタが出ています。ガタがあると回転角度が正確にカムに伝わらず、結果的に巻上げが足りなくなります。今回の巻上げ不足はこれが原因かも知れませんね。このビスは、裏側からカシメられていますので、通常では緩みませんが、カシメが甘かったのでしょう。再度締め込んで、裏側から再カシメをしておきます。その他は、海外物ですのでハーフミラーの腐食も軽微でしたので、今回は再使用としました。その他は特に問題はなく組み上がっています。