PEN-W #1203XXが来ていますね。茶色のハードケースはPEN用のものですかね。当時、我が家で使っていたPEN-EEDもハートーケース入りでしたが、ホックのベロ部分が、折り曲げのところから切れてしまうのですね。現存のケースはあまり使わない方が良い気もしますがね。実用とする場合は、革に保革油を良く浸透させておかれた方が良いでしょう。
で、このPEN-Wは外観のビスは開けられた形跡がありませんので、多分、未分解機だと思いますが、果たしてどうでしょうね。外観の程度は普通ですが、レンズは曇りと黄変があって、シャッターは2回に1回チャージせず。シャッター羽根の開閉も非常に眠い。シャッターが切れる時の音がちょっと気になります。何ともないと良いのですが・・ファインダーも曇りが進んでいますね。では、分解してみましょうかね。
やはり未分解の個体でしたね。駒数ガラスは少しクラックがあって、オーナーさんのご希望で交換するために、すでに剥離してあります。じつは、PEN-Wの場合は塗装面に接着されているため、接着が強くて剥離は非常に困難なのであまりやりたくないです。PEN-Sなどクロームの金属面へはエポキシ接着剤の性能か、ショックで容易に剥がすことができますね。で、吊環ですが、落下により陥没しています。しかし、よくよく観察すると→部分の塗装がすでに剥離しています。どうするかなぁ? 治すとストレスが掛かりますので塗膜が剥離する可能性が高いのです。
やはり吊環を分離してへこみを治しておきました。駒数ガラスはすでに接着をしてあります。シャッターは全くダメな状態ですね。この個体のオーナーさんからもご依頼前にどこまで作業をするのか?とお問合せを頂いていましたが、「どこまで」と改めてたずねられると即答ができない。丸々1台最初から組みなおしているのです。ですから、「どこまで」と聞かれると「全部です」とお答えするしかしょうがありませんね。
この個体はオブジェとして飾っておかれたそうですね。未分解機で、メカ的には消耗は少ないですが、使われていなかった(現役でない)ことから来る劣化がシャッターやレンズ及びシャッター(シボリ)リングの腐食などに見受けられました。レンズの前玉のバルサム劣化により、曇りが出ていますが、撮影できないほどではありません。できればフードを装着して撮影していただければと思います。巻上げも軽くスムーズで調子は良好となっています。
明日(19日)はペンスケッチ展7を拝見するため、都内渋谷まで出かけて参ります。ご自身のPENをお持ち頂ければ拝見させて頂きます。