それではボチボチと・・このPEN-FT #3096XXは後期型なのに荒れた印象ですよ。トップカバーを開けてみると、ファインダー本体の塗装の剥離が激しく、遮光テープも取り去られている。シンクロターミナルへ行くリード線は半田が外れていて、ファインダーの方を向いています。と言うことは、トップカバーを閉めた時からリード線の断線は無視していたということですね。
電池室からのリード線はやり直されて規格外です。また、配線の経路が違います。これは、前板を分離せずに交換したもので、この位置にリード線を通すと、スローガバナーやレリーズシャフトに干渉して不具合となることもあります。すべて交換致します。
30万台としてはハーフミラーの状態も良くありませんね。メッキも殆ど飛んでしまって表面も曇っています。この頃のミラーでここまで劣化する場合は余程保管が悪かったのでしょうね。交換します。
ハーフミラーとリード線を交換して完成していますが、この個体はレンズマウントの磨耗が進んで真鍮が露出している部分があります。付属のレンズを点検してみると・・・このレンズは分解を受けており、規格外のビスが使われています。マウント部分の3本のうち1本が規格外の皿ビスが使われており、ビスがマウント面より僅かに露出してカメラ側のマウント面をキズつけていました。不注意からみすみすカメラの状態を悪くしているのは残念ですね。