明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1392)浜岡原発再稼働に反対して(7月1日牧之原市でお話しします)

2017年06月28日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1300~1500)
守田です。(20170628 23:30)
 
7月1日に静岡県牧之原市、2日に静岡市でお話しすることになりました。
このため牧之原市のことをいろいろと調べていましたが、同市がこれまでとても先進的に原発再稼働反対の旗を掲げて、さまざまに奮闘して来たことが分かり、胸を打たれました。
訪問を前にしてこの点をまとめたいと思います。
 
牧之原市は浜岡原発が立地している御前崎市の東隣にある町です。御前崎岬から東側、焼津市や静岡市に向かう海岸線を形成しています。
浜岡原発のそばにもたくさんの人が住んでいて、5キロ圏内の人口は14061人です。(2014年4月1日現在)
ちなみに御前崎市の5キロ圏内人口は34273人。合計で48334人が浜岡原発から5キロ圏内に生活していることになります。非常に多いです。
 
日本の原発で直近に最もたくさん人が住んでいるのは茨城県の東海第二原発です。
立地している東海村の約37000人の他、日立市、ひたちなか市、那珂市など約8万人が暮らしています。
浜岡原発周囲はこれに次ぐ人口を抱えていることになります。さらにこれに次ぐのは柏崎刈羽原発でここは5キロ圏内に25073人(2014年度資料より)が住んでいます。
 
ちなみに稼働中の原発から5キロ圏内の人口を見てみると以下のごとしです。
川内原発は薩摩川内市に4902人が住んでおり(2014年4月1日現在)、伊方原発は伊方町に5496人が住んでおり(2015年4月1日現在)、高浜原発は高浜町8165人、舞鶴市641人、合計8806人(2014年4月1日現在)が住んでいます。
これらもとても多い。事故時に最も危険な地帯にこれだけの方が住まわれていることに胸が痛みますが、比較してみると東海第二原発と浜岡原発が突出していることが分かります。
 
しかも浜岡原発はかなりの確率ですぐにもやってくると言われている東海地震や南海トラフ地震の震源域に建っておりその点からもとても恐ろしい。
このため2011年5月6日に時の民主党の管政権が運転停止を中部電力に要請。9日に同電力が受け入れ表明をして14日に運転中だった4号機と5号機が止められました。政府の要請で運転を止めた今のところ唯一の原発です。
 
その浜岡原発には5基の原発があり、6基目が計画されていました。このうち1号機と2号機は2009年1月30日に運転終了し、廃炉が決定されています。
3号機は2010年11月29日より定期検査中で、福島原発事故後もそのまま止められています。4、5号機は上述のように2011年5月14日より停まっています。すでに6年が経過しています。
浜岡原発はすべて沸騰水型。廃炉になった1、2号機はマーク1型、3、4号機はマークⅠ改型、5号機は改良型沸騰水型(ABWR)で、いずれも原子炉を東芝が、タービンを日立製作所が作成しました。
 
端的に言って、ほとんど福島第一原発と同じように作られて来ていますから、他の原発にも増して、福島事故の検証が終るまでは再稼働すべきでないのは言うまでもないことです。
同時に検証がまだまだ長くかかることを考えれば、それが終った時にはあまりにも長く停めすぎたことになるためもはや動かすのは無理でしょう。いやそもそも現時点でも6年以上停まっていますから、もはや動かすのはそれだけでも危険です。
日本中のすべての原発を再稼働させるべきではありませんが、東海地震、南海トラフ地震の可能性も考えて、絶対に稼働させてはいけないのが浜岡原発であることは間違いありません。
 
さてこの原発に対して、5キロ圏内に約14000人が住む牧之原市は、福島原発事故後にこうした浜岡原発の危険性にはっきりと目覚め、市長と議会が一体となって再稼働反対を唱えて来ています。
まず2011年9月26日に牧之原市議会が浜岡原発に対して「確実な安全・安心が将来にわたって担保されない限り、永久停止にすべきである」とする議決案を可決しました。
このとき西原茂樹市長が議場で「市民の安心・安全のため、永久停止は譲れないと強調したい」と発言されています。西原市長はいま(2017年6月末)でも現職にあります。

浜岡原発「永久停止」を決議 静岡・牧之原市議会
朝日新聞2011年9月27日
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201109260134.html
 
この牧之原市の姿勢はすぐに周辺自治体にも波及しました。
同じく9月に菊川市議会が浜岡原発再稼働を認めないように求める意見賞を可決。12月に吉田町議会が浜岡原発の廃炉を求める決議を可決。
掛川市議会も浜岡原発の安心安全が満たされない限り再稼働をしないとする意見書を可決。これらにより浜岡が動かせないことが決定付けられました。
 
僕が牧之原市が「すごい」と思ったのは、こうした決議の採択と市長の支持表明、周りの自治体での決議などに終らせず、なぜ浜岡原発再稼働に市長と市議会が反対したのか、市民に説明するかなりしっかりしたパンフレットを作りあげたことです。
製作年月日が記されていないのですが、記載されているデータなどをみるとおそらくは2012年末か2013年年初ぐらいに出されたのだと思います。
以下にアドレスを示します。見応えがあるのでぜひご覧になってください。
 
「これからのエネルギーについて考えよう」
牧之原市 政策恊働部企画課
http://www.city.makinohara.shizuoka.jp/bg/shisei/upload/これからのエネルギーについて考えよう.pdf
 
続く
 
*****
 
原子力防災学習会
原発から50キロの兵庫県篠山市はどのように問題意識を共有していったのか?
 
講師 守田敏也氏
7月1日(土) 13:30〜15:00
会場 牧之原市さざんか
入場 無料・申し込み不要
15:15より懇親会を行います。参加費500円
 
主催:浜岡原発を考える牧之原市民の会
連絡:柴本08052957196 山崎0548522187
後援:牧之原市
 
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