明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1979)福島原発事故10年、汚染水を海に流さないで! 原発もうやめよう!-国際署名にご協力を

2021年02月10日 21時00分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20212010 21:00)

放射能汚染水の放出を止めるための国際署名にご協力を

福島原発事故汚染水の海洋放出や原発政策の継続に反対する国際署名が立ちあがっています。ぜひ協力をお願いします。
発信者は「福島原発事故10年国際署名実行委員会」、あて先は「日本政府、韓国政府、すべての国の政府」です。
賛同には24か国、306団体が賛同に名を連ねて、10の言語に訳されてもいます。ぜひご協力、拡散もお願いします。とくにそれぞれの言語圏におられる方、署名を積極的に回してください。

以下、キャンペーンのアドレスと呼びかけ文、要求文を転載します。(日本語で示しますが、リンク先から他の9つの言語に飛べます)

*****

福島原発事故10年、汚染水を海に流さないで! 原発もうやめよう!
http://chng.it/JnTfZgSxjh

日本政府は、福島原発の汚染水の海への放出調整を進めており、決定しようとしています。しかし、福島県をはじめとし、多くの人たちが大きく反発しています。
福島県漁連、全国漁連、また、福島県の農協、森林組合など、福島県の43市町村議会の反対意見書、福島県民の提起した45万人の署名などです。海外からも、憂慮・反対の声が多くあがっています。

汚染水は、124万トンを超えており、魚介類の摂取を通じた人体への悪影響が懸念されます。放射能が十分に減衰するまでタンク保管を継続するか、モルタル固化することが望まれます。

韓国政府は、脱原発政策を標榜していますが、新規原発の建設を継続しています。ウォルソン原発のトリチウム漏れや、ハンビッ原発の格納容器の空隙など、重大な事件が起きています。
台湾は、2025年原発ゼロ、アジア初の脱原発に向かって着実に進んでいます。しかし8月に「第四原発再開の是非を問う国民投票」が行なわれることになっています。
トルコ、インドなどでは原発建設が続けられており、フィリピン、タイ、インドネシアのように原発計画がくすぶっている国もあります。
そして、何万年もの間、未来の世代に残す核廃棄物の貯蔵・処分が、日本、韓国、台湾、オーストラリア、世界で問題となっています。

福島原発事故から10年、いまだに原発を維持しようという動きがあるのです。原発時代の「終わり」が始まり、世界は再生可能エネルギー時代に移行しているというのに!

私たちは要求します

・日本政府は福島原発の放射能汚染水を海に流すな
・韓国政府はウォルソン原発の放射能漏れの実態を明らかにせよ
・原発を建設せず、再生エネルギーを拡大せよ
・老朽原発の寿命延長をするな、危険な原発を動かすな
・現地と周辺の住民の合意のない核廃棄物貯蔵・処分をするな


東電はすでに海をものすごく汚染している!

この問題についてはこれまでも幾つもの記事を書いてきました。ここでは事態の核心についてまとめた3つの記事とその要点を示しておきます。

1、明日に向けて(1903)福島原発放射能汚染水の海洋放出反対!そもそも東京電力の犯罪を厳しく罰してから問題の処理を進めるべきだ(汚染水問題と東電の犯罪性―1)
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/c441453cb1f574593d6be78901bd5190

そもそも、福島原発事故から2年間、毎日800トンもの地下水が原発サイトに押し寄せ、炉内を冷やした高濃度汚染水と混入して海に400トン流れ出ていました。
東電はこれを知っていながら黙っていたのです。だからまずもって東電に厳罰を下さなければまともに話が進みません。

2、明日に向けて(1904)事故対策より自社を守るために悪知恵を回し続けてきた東電を罰し、まともな廃炉プロジェクトをたちあげるべきだ!(汚染水問題と東電の犯罪性―2)
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/b8487c14b94ca1331f8d294a664bcacc

汚染水問題で東電は東京オリンピックの招致を利用しました。招致会議前にわざと海洋流出の事実を出し続け、安倍政権を窮地に追い込んでブエノスアイレスで大嘘をつかせたのです。
政府はその嘘を押し通すため東電を庇い続け大幅な税金投入を始めました。オリンピックのために大嘘を突き続けた安倍政権や現政権に大きな責任がありますが、東電のあまりの悪辣さもしっかりとおさえておかねばです。

3、明日に向けて(1905)政府が放射能汚染水の海洋放出の10月27日決定を断念!しかし来月以降に延期と表明。抗議の継続を!
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/7f17164c9c688d595125ff82fba65b00

汚染水海洋放出について、政府が昨年10月末に一度決定を断念しました。民衆の抗議の声が食い止めました。しかし今後決めると表明しています。さらに抗議の声を高めることが必要です。そのため濃度規制だけで総量規制がない矛盾について解説しました。

以上の記事なども参照しながら、汚染水海洋放出を許さない声の拡大を目指しましょう。

#汚染水海洋放出反対 #海を汚すな #放射能を海に流すな #東京電力 #東京オリンピック #濃度規制 #総量規制

*****

福島原発事故10年を前に「明日に向けて」のレベルアップをはかっています。ぜひカンパでご協力ください。
振込先 ゆうちょ銀行 なまえ モリタトシヤ 記号14490 番号22666151
Paypalでも自由に金額設定をしてカンパしていただけます。
https://www.paypal.me/toshikyoto/500


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2 コメント

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勝川准教授のトリチウムの話 (パンドラ)
2021-05-12 19:03:38
トリチウムは水素の一種です。
水素には普通の水素と重たい水素がある。
トリチウムは普通の水素に中性子が2つ多い。三重水素とも
呼ばれる。

トリチウム単独で存在するのではなく、トリチウム水として、水の中に存在する。
水(H2O)は2つの水素(H)と一つの酸素(O)である。
水素の一つがトリチウム(T)ニナッテイルノガ、トリチウム水(HTO).
トリチウム水は自然界に多く存在していて、海野中や雨水などに含まれている。
私たちの体の中にも存在する。性質は水とほとんど変わらない。

宇宙線という放射線が宇宙から地球に降り注いでいる。
宇宙線が酸素や窒素にぶつかると、一定確率でトリチウムが生成される。
人類が存在する前から地球の水には一定量のトリチウムが存在していた。
宇宙線がふりそそぎつづけるとトリチウムは際限なく増えてしまいそうだが
一方でトリチウムは一定の確率で余分な物を外に出して安定物質(3He)に
変化し、この時ベータ線を出す。

自然発生スルトリチウムとトリチウムから安定物質に変化する量が釣り合って
自然界のトリチウムの密度は一定水準に保たれる。
地球上には年間7京(京は兆の1万倍)ベクレルのトリチウムが生成されると考えられている。それによって自然界には約100-130京ベクレルのトリチウムが存在する。
原発の処理水に含まれるトロチウムは1000兆ベクレルであるから、天然に存在する
トリチウムの約0,1%に相当する。
返信する
Unknown (Unknown)
2021-05-15 16:47:52
パンドラ
勝川準教授の基礎からわかるトリチウム排出の話 3 4 5
人為的につくられるトリチウムについて
地球温暖化のように、人間活動は地球規模で環境に影響を及ぼしています。1960年代には、核実験が盛んに行われました。核実験によって大量のトリチウムが発生し、地球上のトリチウム濃度が増加しました。下のグラフは、東京と千葉に降る雨にふくまれていたトリチウムの含量を示したものですが、核実験が盛んだった1960年代にはトリチウムが100ベクレル/Lにも達した年もありました。その後は核実験が禁止されたことから、徐々に減少し、現在は自然発生する量とほぼ近い水準まで下がっています。1960年代にもトリチウムによる害は観察されていませんので、現在のレベルのトリチウムが、環境や人間に深刻な影響を及ぼすとは考えられません。
子力発電所を稼働させると、トリチウムが発生します。すべての原発はトリチウムを、海か空に排出しています。それらの総量は経産省がまとめた資料にあります。現在、福島原発には1000兆ベクレルのトリチウムが存在すると考えられています。これらを毎年22兆ベクレル程度ずつ排出していく計画ですが、それとは桁外れの量のトリチウムが世界中で、環境中に排出されていることがわかります。これらの排出は、特に問題視されていないし、実際に問題が発生していません。また、近年の世界のトリチウム濃度が上がっていないことからも、環境中にどんどん蓄積していくような量ではないことがわかります。福島原発の事故によって、短期間の内に3400兆ベクレルのトリチウムが環境中に放出されましたが、すでに検出できない水準になっています。
トリチウムはなぜ除去できないのか?
福島原発の処理水をALPSという装置で放射性物質の除去を行っています。ALPSで処理をする前と後の核種の量を比較したのが下の図です(引用元)。縦軸の告示濃度比は、法律で決められた排水の濃度上限との比を示していて、赤線よりも下なら排水可能と言うことになります。ストロンチウムやセシウムなどの核種は、排出限界を大幅に下回り、処理後の青い棒グラフがほとんど見えないようなレベルまで除去できています。しかし、トリチウムだけは、殆ど減少していません。なぜ、トリチウムは除去できないのでしょうか。
セシウムやストロンチウムは、これらの物質が吸着しやすい素材を用いて、取り除くことができます。放射性のセシウムや放射性のストロンチウムを選択的に取り除くのではなく、放射性ではない普通のセシウムやストロンチウムも一緒に除去しています。水から不純物を取り除く処理をすることで、他の核種を取り除いているのです。
トリチウム水の場合、放射性ではないトリチウム水はすなわち水ですから、他の核種を分離した手法は適用できません。トリチウムを分離するには、放射性の水とそうでない水を分けることになり、物質そのものを除去すれば良かった他の核種と比較して、技術的なハードルが段違いに高いのです。
超高性能の遠心分離機を利用すれば、分子の重さの違いを利用して、水とトリチウム水を分離することは可能です。ただ、コストも時間もべらぼうにかかります。カナダは原発由来のトリチウムの純度を高めて販売しているのですが、1グラムあたり300万円と高価です。分離されたトリチウムは、水素爆弾の材料なので、核拡散禁止条約によって、日本はそのような設備を持つことが許可されていません。いろいろな意味で現実的とは言えません。
トリチウムは生物濃縮をしない。その理由は?
水とトリチウム水を分離するのが技術的に困難であるということは、生物濃縮が起こりづらいことを意味します。生物濃縮は、生物が特定の物質を捉えて放さないので起こります。トリチウム水の場合は、普通の水と性質の違いが殆どありませんから、トリチウム水だけを選択的に蓄積するような生物は見つかっていません。トリチウム水は、普通の水と一緒に吸収され、普通の水と同じように排出されるので、生物のトリチウム水の濃度は、環境の濃度とほぼ等しくなります。
トリチウムを濃縮する生物が見つかったら、世紀の大発見です。その生物がトリチウム水を集めるメカニズムを解明して、海水からトリチウムを集める方法が確立できれば、水の中からエネルギーを無尽蔵に取り出すことができるようになるかもしれません。
トリチウムの海洋放出は、他国から非難されるようなことなのか?
トリチウム水を海に流すのは、海に塩を撒くようなものだと筆者は考えます。そもそも環境に大量に存在するものを低濃度で流したところで、影響が出るとは思えません。他国も当たり前のようにやっていることですし、それによって国際的な非難をあびるような事で無いはずです。中国や韓国が日本を非難しているのは、純粋に政治的な理由によるものでしょう。本当にトリチウムの排出が問題だと考えているなら、まず、自国の原発を止めているはずですから。
他国の人は、日本で大騒動が起こっているので、何かとんでもないものを流そうとしていると勘違いしているのかもしれません。世界中で認められているトリチウムの排水で大騒ぎしているとは、普通は思わないでしょうから。科学を無視した日本国内の騒動が国際的な誤解を招いているのかもしれません。
風評被害か、実害か?
トリチウム排出において、唯一起こりうる問題は、風評被害であると筆者は考えます。風評とはいえ、経済的な被害や、精神的な負荷といった実害を伴うので、無視することはできません。
風評被害の原因は、放射性物質ではなく、人の心の中の不安や不信です。トリチウム水そのものではなく、日本政府や東京電力への不信感が風評被害を引き起こし、科学的な根拠も無く「危ない、危ない」と騒ぐ、メディアや特定政党の政治家がそれを増幅しているのです。
不正確な情報で危機を煽る人たち。正義感に駆られてそれを拡散する人たち。よかれと思ってそのような行動をとっているのかもしれませんが、やっていることは火の無いところに煙を立てて、人々の不安を煽り、一次産業従事者を苦しめて、原発事故の処理を妨害して、近隣諸国との間に不要な摩擦を引き起こしているように私からは見えます。
対派の言い分について検討してみよう
1)綺麗だというなら飲んでみろ
反対派から「安全性に問題ないなら飲んでみろ」という要求がしばしばなされます。民主党政権時代には、フリーのジャーナリストから「飲んでみろ」と詰め寄られた政務官が、処理水を飲んだこともあります。そんなことをしても、安心感は得られません。だから、現在もこのような問題が繰り返されているのです。
そもそも飲料水の基準と、環境排出基準は全く別物です。この瞬間も多くの河川の水が海に流れ込んでいますが、それらの水のほとんどは飲料水としては不適格です。「飲めるかどうか」と「海に流して良いか」は別問題なので、論点をすり替えるべきではありません。これは排出推進派にも言えることで、「飲めると聞いている」などといって、安全性をアピールするのは、賢いやり方ではありません。あくまで、環境に流しても問題が無いかどうかを論点にすべきです。
)問題ないなら、処理水を東京湾で排出すべきである
べつに東京湾に排出したところで、何も起きません。税金を使って、わざわざ水を運んでも、問題が解決するとも思えません。そもそも反対をする人たちが、それぐらいのことで納得するとは思えないからです。やりたければ、やれば良いけど、時間とお金の無駄でしょう。
3)他の核種も混じっているのではないか
これは重要な論点です。東電のデータを見る限り、トリチウム以外の核種の除去には問題がなさそうです。技術的にも十分可能だと思われます。近年は、福島県の一次産品はほぼすべて基準値以下になっており(下図)、トリチウム以外の核種を大量にばらまくとすぐに明らかになるでしょう。そういうリスクを冒してまで、東電が他の核種をこっそり排出するとは考えづらいです。
とはいえ、「国や東京電力が都合の悪い情報を隠してごまかしているのではないか」という疑問を持つこと自体は、無理からぬことだと思います。国や東電を信用できないからと言って、原発事故の処理を止めるわけにいきません。そこで、透明性をどのように高めていくかが重要な課題です。福島県沖の水質や生物のモニタリング結果を見ていれば、大きな変化があるかどうかはわかります。また、国際団体のIAEAが人を派遣して監視をすることになっています。IAEAが原発推進団体であることを問題視する人もいますが、外部の団体をいれるのは重要です。今後は、漁業関係者や第三者を交えながら、透明性を持って監視をしていく仕組みの構築が必要になるでしょう。
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