明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1649)京都市は原発災害と洪水の危機の目の前にある-岩倉でお話します(2月3日)

2019年01月29日 15時00分00秒 | 講演予定一覧

守田です(20190129 15:00)

● 「原発と自然災害からの命の守り方」についてお話します!

2月3日(日)に京都市左京区岩倉でお話します。午前11時から12時まで。岩倉の村松テラス集会所にてです。
タイトルは表題に掲げた通りですが、サブタイトルで~京都市を災害から守り、安全で豊かな町に~と続けていただいています。
主催は新日本婦人の会岩倉北班。チラシを示しておきます。

地図もつけておきます。叡山電車岩倉駅から1.6キロ。徒歩20分です。

● 京都市役所は大飯・高浜原発から約60キロ

京都市は福井の原発銀座のすぐそばにあります。中京区にある京都市役所まで、最も近い大飯原発から59.8キロ。高浜原発から61.6キロです。
京都市はそこより南北に広がっていて、今回お話する岩倉の集会所は大飯原発から52.3キロ、高浜原発から54.9キロです。
もっと北に行って福井県の県境まで行くと約30キロになります。原発事故が起きるとすぐに京都市内に放射能が飛んできます。

市川章人氏作図 「原発問題の正確な理解のために」より

もしものことが起こったらとっとと逃げるしかない。またそのためには安定ヨウ素剤を事前配布しておいて、飲んで逃げることが必要です。
しかし京都市は原発からわずか32.5キロ圏内に住むわずかな住民へを災害対策しかしておらず、ヨウ素剤も事故時に配布するとしています。
これで間に合うわけがないし、何よりももっと広域に放射能が飛んでくるので対策をたてる必要があります。

しかも京都市には観光都市化の無理な推し進めによって、キャパを越える外国人が招かれて、都市生活にさまざまな問題が起こっていますが、原発事故が起こった時の対策など何も考えられていません。
今の京都市政には自ら招いた人々に対するおもてなしの精神がなさすぎるのです。この点も含めてしっかりとした原子力災害対策を組み上げていく必要がある。

● 京都市に洪水の危機が迫っている!

さらに京都市には洪水の危機も迫っています。大きくは温暖化の元での森林の崩壊と行政の無策が原因ですが、より直接的には昨年の台風21号の被害が関係しています。
この台風は暴風を伴いました。京都市内でも京都御苑、下鴨神社、法然院などの神社仏閣の木々が倒れ、多くの家屋が被災しましたがより北部の山々に壊滅的な被害がもたらされものすごい数の倒木が生じました。
このとき左京区花脊地域は風と倒木が電信柱をなぎ倒し、架線も切れて広域停電が発生。残暑厳しい季節に8日間も停電が続きました。同時に道路も寸断されて通行不可能になり陸の孤島となってしまいました。
比叡山や鞍馬山に向かう叡山電車も激しく被災。とくに貴船口から鞍馬までの間は大量の倒木が線路をふさいで通れなくなってしまいました。完全復旧は10月末。この間、観光客もストップしさまざまに被害が拡大しました。

壊滅的に倒れた北山杉

折れてしまった電信柱。発災直後の9月10日に現地に駆けつけた日本共産党京都市議ひぐち英明さんら撮影。2枚目はひぐちさん本人。同氏のFacebookより

これらの痛手からの回復もまだまだですが、問題はいまだ倒木が撤去もできずにいることです。
もともとこれらの地域では木の値段と搬出費が同じぐらいになって林業が衰退してきているのですが、災害被害では売れない木をただ費用を払って搬出することになるため、担えない山主が多く、ほとんどが放置されてしまっているのです。
しかしここにさらに今年の梅雨から台風の時期に大雨が降ると、倒木が山を滑り落ち、次々と川に入って下流に流れてきます。それが鴨川にかかる橋に引っかかるとせき止められてしまい、堤防の破堤を招きかねません。

実際に昭和10年にこうしたことが起こっているのです。流木のため三条大橋で川がせき止められて破堤。京都市の中心街である河原町や祇園などが水没して大被害が出ました。
実はこの流木は前年の室戸台風による倒木が原因だったのですが、京都市は昨年の台風21号の被害を、この室戸台風の被害並みと発表しているのです。だとしたら同じことが起きる可能性がある。
原子力災害だけでなく洪水による水没の危機も京都市に迫ってきているのです。



1935年の洪水で流出した三条大橋。周辺も水没。京都市消防局HPより

● 山里を守り、街を守る必要がある

いま私たちは原発災害に備えるとともに、自然災害、とくに地震・豪雨・暴風・洪水に備えて置くことが必要です。
その際、豪雨や洪水に備えるためには山をみんなで整備していかなくてはなりません。そのためには山里に住んで環境を保全してくれている人々をも守る必要があります。
山が保水力を失い、さらに倒木が増えていけば、下流の危険性はどんどん増すばかりです。だから私たちは山里を守ることで街を守る必要がある。街の中心部に住む人が真剣に上流をことを考え、行動する必要があります。

もちろんこれは京都市だけでなく日本中の都市でも言えることです。
山々がどこもどんどん衰退し、保水力を失っているからこそ、この間、豪雨が降るたびに大規模水害が発生しているのです。
2月3日もこのことをお話してします!お近くの方、ぜひご参加下さい。

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