守田です(20170207 23:30)
政府が沖縄に対してまたしても理不尽きわまりない暴力で襲いかかっています。
あれほど県民が「もう基地はいやだ」と言っているのに、しかも耐え難い苦しみを繰り返してくる中で「いやだ」と言っているのに、政府は6日朝から辺野古新基地建設に向けた海上工事を強行しだしました。
許すことができません!
僕自身は明日から群馬県に向かうので、ああ、沖縄のために何かできることはないかと思っていたら、本日付けの沖縄タイムスに載った素晴しい社説を目にしました。
沖縄タイムス、なんと社説をつかって獄中の山城博治さんへの手紙を書きました!読んでいて胸が熱くなり、目頭も熱くなり、身体が熱くなって震えてくる手紙でした。たくましい正義感と優しい愛のこもった素晴しい手紙でした。
ものを書く者の1人としてもとても感動しました。そうだ。こういうものを紡ぎ出さなくてはいけない。こういう珠玉のような言葉を世に広め、そのことでこそ沖縄への暴力を止めなくてはいけない。
それで今回はこの社説をここに転載させていただくことにしました。
沖縄タイムスさん。勝手な転載、ごめんなさい!!
でも今日だけはあらゆる手段であなたたちが山城さんに宛てた手紙を広めさせてください。それが一番暴力への対抗になると思うからです。
そしてみなさん。ぜひこの山城さんへの手紙をさまざまな手段で拡散してください。これはものすごくパワーのこもった言葉です。その力の源は山城さんの行動にあります。いや山城さんをリーダーにがんばってきたみんなの力です。
だからこの手紙をできる限り広く拡散して、もっともっと「沖縄への暴力を止めよ」という波を大きくしていきましょう。そしてその広がりを再び山城さんに届けましょう。山城さん解放の日もこの中でこそたぐりよせましょう!
このような、道義があり、正義感があり、説得力があり、愛と優しさがある言葉にかなうものなどない。これが広まっていけば、けして政府も暴政を続けられるものではありません。
ペンは暴力よりも強し!そして沖縄の抵抗は、道義と愛があるがゆえに政府の圧政よりも強いのです!
それを私たちの力で証明しましょう!
あらゆる力で「山城さんへの手紙」を拡散しましょう!!
政府は沖縄への暴力を止めよ!
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社説[辺野古から 博治さんへ]「沖縄は絶対諦めない」
2017年(平成29年) 2月7日旧暦 1月11日大安
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/83073
山城博治さん、あなたが辺野古・高江の反対運動に絡む三つの罪で逮捕・起訴され、名護署の留置場や那覇拘置所に長期勾留されてから、6日で113日が経ちました。
病を抱える身でありながら、弁護士以外、家族さえ接見できないというあまりにも異常な状態が続いてます。
私たちはあなたから直接話を聞くことができず、あなたは身柄を拘束され辺野古に行くことができません。ならば、と、こういう手紙形式の社説を思いつきました。
博治さん。政府は6日朝、名護市辺野古の新基地建設に向け、海上での工事に着手しました。最大で約14トンもある大型コンクリート製ブロックをクレーンで台船から作業船に積み替える作業です。
翁長雄志知事や稲嶺進名護市長らが建設計画の撤回を求めて訪米した直後に、県と協議もせずに、一方的に作業に踏み切ったのです。
自民党の二階俊博幹事長でさえ、「沖縄の理解を十分に得られていない状況」だということを認めざるを得ませんでした。
ブロックは汚濁防止膜が強風などで流されないように固定するためのもので、7日以降、228個のブロックが海底に投下されることになっています。想像するだけで胸がえぐられる思いがします。
沖縄の切実な声よりも米軍の都合と軍事上の要求が優先され、辺野古への「高機能基地」の建設が目的化してしまっているのです。あの美しい海は、埋め立てればもう元に戻りません。
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新基地建設に反対する市民らは、工事車両が基地に入るのを阻止しようと、キャンプ・シュワブのゲート前に座り込み、精一杯の抵抗を試みました。
博治さんの不在の穴をみんなで埋め合わせているような、決意と危機感の入り交じった空気と言えばいいのでしょうか。
反対側の歩道で折りたたみ式の簡易イスに座って様子を見守っていたのは島袋文子さん(87)でした。「動悸がしてドクターストップがかかっている」というのに、居ても立ってもいられず、現場に駆け付けたのだそうです。
機動隊員が一人一人を3、4人がかりでごぼう抜きし始めたため、現場は悲鳴と怒号が飛び交い、騒然とした雰囲気になりました。「暴力はやめろ」「海を壊すな」「沖縄は絶対諦めない」
驚いたのは文子さんの行動でした。イスから立ち上がって道を渡り、付き添いの女性に両脇を抱えられながら、ひるむことなく機動隊の前に進み出て、抗議の声を上げたのです。
「戦争の中から逃げるのはこんなもんじゃないよ」と文子さんは言います。
沖縄の戦中・戦後の歴史体験に触れることなしに、新基地建設反対運動を深く理解することはできない。翁長知事が政府との協議の中で何度も強調してきたことですが、正面から受け止めることがありません。
作家の中野重治は、日中戦争前の1928年に発表された「春さきの風」という小説の最後で、こんな言葉を書き付けています。「わたしらは侮辱のなかに生きています」。この言葉は今の沖縄にこそあてはまると言うべきでしょう。
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問題は、強権的な基地建設だけではありません。国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは、博治さんの釈放を求める緊急行動を始めました。
国連の「被拘禁者人権原則」は、「家族や弁護士との間のコミュニケーションは、数日間以上拒否されてはならない」とうたっています。
かつて悪性リンパ腫の治療を受け、今も体調が万全でないにもかかわらず、3カ月余も勾留が続き、家族も接見できない状態になっているのです。
政治的意図に基づく長期勾留であるのは明らかであり、人権侵害の疑いさえある、と言わなければなりません。
博治さん。拘置所の狭い空間の中では一人ですが、外の世界では決して一人ではありません。県内や国内だけでなく海外からも、多くの励ましの声が届いていることをお伝えしたいと思います。