ぼちぼち日記

大切な日々のこと

ミルリトン探偵局

2007-06-02 20:21:04 | わたしの読書
『夜に猫が身をひそめるところ Think―ミルリトン探偵局シリーズ〈1〉』
『世界でいちばん幸せな屋上 Bolero―ミルリトン探偵局シリーズ〈2〉』

吉田 音

様々な品物を持ち帰ってくる、Think という名の黒猫。あるときは、16個のボタン、あるときは、映画の広告、そして、あるときは、チョコレートの包み紙だったりする。音は、それらを元に、Thinkが、それらの品物をどこから持ってきたのかを推理する「ミルリトン探偵団」を結成するのでした。
これは、ミルリトン探偵団の推理と、その品物の持ち主たちの物語です。

シンクが持ってくる品物以外にも、いくつもの小さなキーワードが、別々の物語にちりばめられて、それぞれは全く違う物語なのに、実は、大きな1つの物語になっているという、不思議な本。
それらのキーワードがツナガル度に、胸がキュンとして、なんだか、温かい気持ちになります。ああ、人は、知らない誰かと、知らず知らずのうちに、ツナガッテルものなんだなあ。なんて素敵なんだろう。
この本は、そんな黒猫の魔法にかかったような本なのですが、なんと驚いたことに、読者である私にも、素敵な魔法をかけてくれました。

まず、第一の魔法は、この吉田音が暮らしている場所・豪徳寺。
豪徳寺は、まだ娘がお腹にいるときに行った、絵本屋さん・ことり文庫さんのお隣の駅なんです!
最初から、この本に夢中になってしまったのは、まずは、この魔法からでした。
豪徳寺は、猫にまつわるお寺なのだそうで、猫観音を祭る招き猫殿があるらしいのです。珍しいですよね。いつか、行ってみたいと思っていた場所だったのです。
ああ、私も、ツナガッテル!

そして、最後の最後に、もう1つのサプライズ。物語を結ぶキーワードの1つが、『鏡の中のアリス』だったのです!!
この本を妹から借りたのは、実は、もう3ヶ月も前。あの時、読み始めていたら、このサプライズには出会えなかったはず。(アリスを再読したのは、ごく最近ですから)
今、読むように、きっと、魔法がかけられていたに違いないのです!

大人になっても、こんな魔法をかけてもらえるのだから、やっぱり、読書はやめられない。そんなことを思った、今回の読書なのでした。
ああ、早く、第3弾が出ないかなあ~。

『夜に猫が身をひそめるところ』では、『ホルン奏者』。『世界でいちばん幸せな屋上』では、『世界でいちばん幸せな屋上』と『ボレロ』が、お気に入り。どの物語の登場人物も、ちょっぴり孤独を抱えていて、でも、どの人も幸せだっていうのが、とてもいい。

息子くんとのアリスは、残すところ、あと一章。裁判もクライマックスを迎えました。

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8 コメント

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Unknown (ぱせり)
2008-03-21 10:49:01
「~THINK]のほうを読み終わったところです。
でも、どうもどうも大きな謎が残っております(笑)続けて「~BOLERO]行きます。
2冊読み終えてから伺ったほうがよさそうですね。
なんとなあく疑ってはいますが、まだまだ知りたくなあい!
・・・ということでまたのちほどお邪魔しまあす。
Unknown (ぱせり)
2008-03-23 16:37:50
「~Bolero]読了です。
最後まで煙に巻かれたまま読了となってしまいましたが、この騙され具合が楽しくて、大人っぽいねえ、と一人満足してしまいました。
内容もとってもおもしろくて。
わたしも「奏者」が好きです。とくにⅡのほうが。
こもも算は、この作品の舞台をご存じなんですね。いいなあ、いってみたいです。
新しいものと古いものが混ざり合ったような、きっと「猫だけが行ける場所}(鏡の国も含めてですよ。笑)がいっぱいあるようなこの場所に密かに憧れています。
Unknown (ぱせり)
2008-03-23 16:39:07
↑ごめんなさい。こもも算ではなくて、こももさん。です。
ぱせりさんへ (こもも)
2008-03-24 10:25:40
ぱせりさーん!
吉田音さんの謎は、ここで解き明かされています(笑)
→ http://media.excite.co.jp/book/interview/200303/p01.html

もしも、このまま煙に巻かれたい!というときは、読んではいけません!!
どうします?どうします?

この本。大好きです。
中学生の女の子が書いているのに、大人っぽいですよね(笑)
面白いというより、素敵♪という感じ。
それに、続編には、裏切られることが多いという思い込みがあった私には、続編が、前編を超えるほど素敵♪だということが、嬉しかったです。
サラリと読めるのに、じんと心に残る本。
気軽に再読できそうなところも気に入ってますよー。

豪徳寺は、本当に小さな駅でした。
赤ちゃんの娘が一緒だったから、散策できなかったのですが、いつか、ぐるぐると散策したい町です。
きっと、Thinkが、いると思うんです。
ひゃー (琴子)
2008-03-24 15:12:27
うわーー、やられたっ。。
わたしなど、まんまとひっかかりました!!
そうか~、そうだったんですね!

音さん、年齢はともかく、その事実は疑わなかったわたし。
完敗だー。
探偵には、なれそうにありません。

また、再読します!

でもこのシリーズのおかげで、豪徳寺や羽根木公園が
よりいっそう身近になりましたよ。
(もちろん、いっそう・・は、ことりさん♪)

昨日偶然、ラジオで豪徳寺でおいしい店について、話ていたので、
聞き耳をたてたけれど、お好みやさんというだけで、結局名前がわからず残念でした。
同じく~ (ぱせり)
2008-03-24 15:26:45
どうします?どうします?・・・ですって?(笑)
読まずにいられるものですか。ぽちっとやって、しっかり読んで、お気に入りに登録して、改めて・・・くうっ、やられたあ・・・です。
おかげさまで次に読むクラフト・エヴィングの本の物色も完了♪
>続編が、前編を超えるほど素敵♪だということが、嬉しかったです。
 サラリと読めるのに、じんと心に残る本。
ほんとですねえ。こういう方面でもやられてしまっています。
文庫で出てますね。買おうかなあ。自分で再読もしたいし、誰かに知らん顔してお勧めしたい、という意地悪心もむくむくと動き出しています。
豪徳寺、羽根木公園、いつか行ってみたいです。

琴子さんへ (こもも)
2008-03-25 08:15:03
ひっかかりましたかー!
私も、あらめて検索してみて、発見!!
「だよねー」って、言ってしまいました。

それにしても、全く、疑ってなかったんですね(笑)
琴子さんのイメージ通りで、すごく嬉しいです。
湧き出る疑問を、素敵な想像で納得させるぱせりさんも、
イメージ通りで、すごく嬉しい♪
そう言う私は、「絶対に、二人で書いてるだろ!!」
と、はなから疑っていて、いつか、検索でヒットさせる
と狙っておりました。
うー。性格悪い~

おこのみやきやさん。いいですね。
子どもの手が離れたら、ことりの後にビールで乾杯しましょうね!
いつのことでしょう・・・
こうめさん、私たちがおばあさんになるまで、頑張って下さい。
ぱせりさんへ (こもも)
2008-03-25 08:18:30
うふふ。↑の通りで、すごく嬉しいですっ。
豪徳寺。
なんだか、とても親近感がわいてしまいますよね。
ぐるりと梅が丘にまわると、うわさの「ことり文庫」
もあって、ここにはまったら、たぶん・・・
ぱせりさんは、帰ってこれないと思うのですよ。むふふ。
(本屋さんなのに、読書スペースまであって、店長さんのお持ちの本が並べてあったりするのです)

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