『ファーザー・クリスマス』。
指輪物語で有名な作家トールキンのユーモアと愛情がたっぷり詰まった、この本を
息子と一緒に楽しんだのは、去年の12月のことでした。
それ以来、本は一度も開いてはいないのだけれど、クリスマスの話になると、息子の
口から出るのは、この本で語られるサンタクロースの生活ぶりのことでした。
そして、今年、この本が大活躍。
そうです。この本と同じように、サンタクロースから、息子に手紙が届いたのです。
来年は中学生の息子。
我が家では、両親からのプレゼント、両家のおばちゃん達からのプレゼント、
両家の祖父母からのプレゼント、それに、サンタクロースからのプレゼントという、
たくさんのプレゼントが、いつも、ツリーの前に並びます。
この状態をいつまで続けるのか?何度も、何度も、夫婦で話し合いました。
本当は、息子が、自分から卒業してくれるのが一番だったのですが、どうやら、
息子くん、サンタクロースを未だに信じているらしい。
いや、もしかしたら、プレゼントをもらうために信じているのかもしれない?
なんて、話し合いは、いつも平行線。
パパは、「中学生になったら、当然、サンタは卒業だ!」の意見をかえず、そこで、
私も、最後に手紙を渡すことで、卒業にしようということになりました。
手紙を渡すことで、サンタクロースの手伝いをしている人のことがバレてしまうのでは?
クリスマスを前に、もう一度悩んだけれど、そこは、6年生。
それはそれで、私達の気持ちを理解してくれるだろうと決心しました
手紙は、もちろん、トールキンの本を片手に、寒さに震えた文字で決まりです。
しかも、スペシャルにふさわしい内容にしようと、息子の好きな推理小説風の
「暗号」付きの手紙にしました。
まずは、娘へのプレゼントと並べて、息子への手紙。
そこに、プレゼントの「ありか」が隠された暗号が書かれているという寸法です。
それだけでは、つまらないと、母さん、調子にのりました。最初の暗号を解くと、まずは、一つ目のプレゼントと、さらに、暗号付きの手紙。
その暗号を解くと、またプレゼントと暗号付きの手紙。
最後の最後に、息子が欲しいと言ってサンタへの手紙に書いていた「漫画」の
入った袋と、今まで手紙をありがとうの手紙。
差出人は、もちろん、「北極 崖屋敷 サンタ・クロース」です。
内容は、「私って、詐欺師?」と思うほどスラスラと書けて、自分でも驚いてしまいました。
もしかしたら、サンタクロースが、本当に、のりうつったのかもしれないと、今でも
思うくらいです。
そのせいか、最後のプレゼントに添えた手紙にも、「さようなら」とか「最後」の文字は、
書かれませんでした。
「これからもずっと、わしを忘れないでいておくれ。」どうして、さようならを書かなかったのか。その答えは、きっと、サンタ・クロースだけが
知っているのでしょう。
暗号は、新聞の文字を切り貼りする作業で、とても一人でこなせなくなった為、
旦那さまが、心良く引き受けてくれました。それにしても・・・・・・
プレゼントの隠し場所をシャッフルして、貼り付けていくときの気持ちの高揚たるや!!
夫婦で、ワイワイと作業。なんとも、楽しい時間でした♪そんなこんなで、駐車場の車の中から、息子のベッドの横の引き出し、最後は、
屋根裏部屋にまで隠されたプレゼントをめぐって、クリスマスの朝は、大変な
事件がおこりました。
私は、娘が泣いていたので一緒にいられなかったのだけれど、旦那が教えてくれたには、
最初は、手紙だけが置かれているのを見て、涙すら浮かべていた息子が、どんどん
手紙に引き込まれていくのがわかった!のだとか。
ばれちゃうかなあ・・・・・そんな不安も、全く、見当違いに終わったようです。
旦那が、夜、私に「驚いたよ。」と声をかけました。
息子くん、サンタ・クロースからの手紙を、大切そうにリボンで結び
(いつも、私が書いてあげる誕生日カードなんて、1週間ぐらい、リビングに放置してある
のだけれど)、愛おしそうに抱えて階段をあがっていったとか。
そして・・・・・・・・そのとき、興奮あまって、ブツブツと独り言を言っていたのだそうです。
「ありがとうサンタありがとう。ありがとう。ああ。これで、もう、充分だよ!!」
「あいつ、やっぱり、本気で信じてんだな」ーって、旦那。
本当にねえ。
この12年間、ずーっと、ずーっと、サンタ・クロースとの時間を大切にしてきて良かったねえ。
でもね。その息子のひとり言を聞いて、私も教えてもらった気がするのです。サンタ・クロースは、プレゼントを用意する人にも、大切な大切なプレゼントを
くれていたのだなあって。
小さかった息子と一緒に書いた、サンタへの手紙のこと、旦那と二人、夜中にこそこそ、
プレゼントを用意したこと。すべてが、夢のように思い出された素晴らしい瞬間でした。
サンタ・クロースよ、息子よ、本当にありがとう。