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今日の筆洗

2019年05月05日 | Weblog

 子どもを不幸にする一番確実な方法をフランスの思想家ルソーが説いている。<それはいつでもなんでも手に入れられるようにしてやることだ>(『エミール』)。物に限らずだろう。わが子の笑顔ばかりみているようなら、幸福は子どもから遠ざかっている▼こちらは、米国のジョークだったか。「ものごとをやりとげる三つの方法」というのがある。それは、(1)自分でやる(2)誰かにやってもらう(3)自分の子どもにやるなと言う。膝を打つ親もいるのではないか▼うるさくなければ、子どもはだめになり、うるさくすれば、ときに逆効果で…。洋の東西を通じて、加減もタイミングも難しいのがしつけだろう▼子どもの幸福を図るとされる「こどもの日」である。しつけについて考えるのにいい機会だろうが、今年は様相が違おうか。「しつけのつもり」。千葉県野田市で今年、十歳の女児が死亡した事件で、逮捕された父親の言葉だそうだ。昨年、東京都目黒区で、当時五つの女児が、死亡した事件でも同様の言葉を聞いた▼幼い命を救う道を求める機運が、盛り上がっているだろう。連休後の国会では、親権者のしつけでも体罰を禁止する児童虐待防止法の改正案も審議される▼ただでさえ難しいしつけである。虐待との線引きなどは難しいかもしれないが、世の中で共有しなければならない。十一日まで児童福祉週間でもある。

 
 

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