米国のノーベル賞作家、トニ・モリスンさんは早起きで、コーヒーを入れ、朝日を見ることを日課にしていたそうだ。「それで(執筆の)スイッチが入るの」▼映画『レナードの朝』の原作者で英国の神経学者、オリバー・サックスさんの場合は毎朝の水泳。泳ぐことで「心と体にスイッチが入り」、欠かすことができなかったという▼やる気を起こすスイッチのようなものを自分で見つけられた人は幸せなのだろう。文部科学省の調査によると昨年度の小中学生の不登校は過去最多の34万人。不登校の理由で最も多いのは「学校生活にやる気が出ない」(32・2%)だった▼悩む子どものやる気のスイッチをポンと押してあげたいが、そんな便利なスイッチはないのかもしれぬ。スイッチとは誰かが押すものではなく、自分でこしらえる習慣のようなものだろう。朝日にせよ、水泳にせよ、気が乗らない日にも日課に取り組む合図のようなものが見つかれば、しめたものなのだが▼「生活のリズムの不調」を不登校の理由に挙げる児童生徒も多かった。朝は起き、夜ふかししない。学校へ行く習慣を身に付けるにはまず、ここからか▼動画サイト、SNS、ゲーム…。夢中になり、昼夜逆転なんて生活になってしまえば学校へのやる気などなかなか出まい。自分の子ども時代に魅力的な「遊び道具」がなくて良かったとつくづく思う。
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