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今日の筆洗

2019年05月01日 | Weblog

 当コラム、書いているのは昨日の夜だが、読者のお手元に届くのは翌朝なので、「平成」と「令和」の二つの時代をまたいでいる。時代が変わる。令和の幕開けである▼平成の始まりは昭和天皇の崩御を受け、やや厳(いか)めしい空気が漂っていたのを記憶する方も多いだろう。その厳粛さの中、激動の昭和から時代が大きく動く予感と気負いのようなものを醸し出していた気もする▼令和の始まりはどうだろう。ここ数日の街や人の様子をうかがえば、取り立てて気負いも緊張もなさそうだ。生前退位であることのおだやかさか。連休ののんびりした気分もあって新緑の季節にこの年、二回目のお正月を迎える。そんな雰囲気さえある▼<若水にまづ粉(こ)ぐすりをのむ身哉(かな)><門しめて寐(ね)るだけ寐たりけさの春>。二回目のお正月という連想から、おめでたき日にも身構えることもない、たんたんとした永井荷風の句を思い出す。節目といえどそういう普通の一日。それが平成から令和の空気であり、新しきお代替わりの在り方かもしれぬ▼よき幕開けだろう。そういう穏やかな普通の日々が続けばよい。ひとつ軽口を。「令和」の令を分解すると「ヘ」「ー」「マ」で、これに和の「ワ」を加え並べ替えると「まあ平和」となる由を友人から聞く▼無理なこじつけと思わぬでもないが、無理をしてでも守りたい令和の平和な普通の日である。

 
 

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