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今日の筆洗

2019年05月11日 | Weblog

 口笛を吹きながらバズーカ砲を発射する男。その後ろにいた男は発射時の爆風で真っ黒…。そんな米国の一こま漫画を最近見た▼これだけではピンと来ないだろう。武器には「関税」と書かれている。発射したのはトランプ米大統領。後ろにいたため巻き添えになる男の胸には「米国労働者」とある▼米国民の打撃にもなるバズーカ砲をついに発射してしまったか。トランプ政権は昨日、中国製品二千億ドル(約二十二兆円)相当に対する制裁関税の税率を10%から25%へと引き上げた。中国側も報復する構えで、米中の貿易対立はいよいよ抜き差しならぬところにきてしまった▼わずかな救いはその武器から発射された弾が中国に当たるのは数週間先のことになることか。関税引き上げの対象は中国から十日以降に輸出された製品で、船便なら二~四週間かかる。この間は追加関税による実質的な打撃は受けないらしく見ようによっては一種の猶予期間になる▼中国側にはそれが時限爆弾に見えるかもしれぬ。米国としてはその緊張感をテコに有利に交渉を進めたいのだろうが、そういう乱暴なやり方が果たして、通用するか▼祈る気持ちで行く末を見守る。漫画をもう一枚。巨大な竜(中国)と鷲(わし)(米国)が取っ組み合っている。そのあおりで、町はめちゃめちゃに破壊されている。町の名は「ワールドトレード」(世界貿易)である。

 
 

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