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今日の筆洗

2019年05月20日 | Weblog

 <恥(はずか)しさ医者に鰹(かつお)の値が知れる>。初ガツオの季節である。江戸時代、高い値にも見えと意地とで買い求められた初ガツオを詠んだ古川柳には面白いものが多い▼医者にカツオの値段を聞かれて答えるとそんな安物を買うからあたるんだと叱られた。そんな句だろう。高価といえど、カツオは傷みやすいので昼すぎると値を下げて売られていたそうである。<昼までの勝負と歩く初鰹>。こっちは値切られる前にと必死になるカツオ売りの気分だろう▼食べられる物が大量に廃棄される食品ロスの削減に向けて、ようやく値を下げる気になってくれたか。コンビニ大手のセブン-イレブン・ジャパンとローソン。消費期限の近づいた弁当やおにぎりを実質的に値引きして販売する方針を明らかにした▼値下げ額が実質5%と少々渋い気がしないでもないが、捨てられていた食品が値下げによって、少しでも人の胃袋にきちんと収まるようになればありがたい▼もっとも問題はコンビニより家庭内の食品ロスの方らしい。家庭で廃棄される食品は食品ロス全体の約四割。さて、これをどうするか▼<初鰹となりへ片身なすりつけ>。高いので片身はお隣さんに無理に買ってもらったという句。なすりつけるわけにはいかぬが、作りすぎた場合にはご近所に分けて食べていただくというかつての習慣が懐かしい。対策のヒントになるまいか。

 
 

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