ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

日本の化粧品がアジアの心をつかむ アイデア広場 その311 

2017-12-29 19:01:28 | 日記

 2016年は、化粧品の輸出額が初めて輸入額を上回った年になります。この輸出額は、5年連続で過去最高を更新して、2017年には3,000億円を初めて超える見通しになっています。輸出先では、香港が32%、中国が24%と続き、韓国11%や台湾は10%となっています。日本製の化粧品は、海外で高品質なブランドとして定着してきました。日本市場では、品質の劣る化粧品はすぐに市場から排除されます。日本の消費者は、極めて厳しい選択をしてきました。その選択眼が化粧品メーカーを育て、日本ブランドを信頼にたるものしたようです。今後も、日本ブランドを信頼するアジアの中間所得層を取り込み、この地域での収益を拡大していきたいものです。
 そこで、日本の化粧品の販売戦略を振り返ってみました。アジアからの訪日外国人が、増加しています。過去最高を更新しながら、あっという間に2,000万人を超えてしまいました。日本滞在中に購入した化粧品を、帰国後も継続して使うアジアの人々が増えているのです。訪日時に日本製に対する憧れを、各化粧品メーカーは取り込むことに成功しているようです。帰国した後でも、継続的に使用できるように販売網を整えています。例えば、中国人が韓国やタイを訪れた際にも、免税店や機内販売で需要を取り組む販売網を構築しているのです。さらに、日本の商品の強みは、皮膚を大切にしていることです。香料や防腐剤を一切使わない化粧品を販売している企業もあります。肌に異物の化粧品は使わない方が良いという理論をベースにした商品開発と販売戦略です。販売網の構築と肌に優しい商品が、アジアの中間層を捉えているようです。
 強力な販売網と商品開発に関心を持ちました。どうして、これらを可能にしたのか。このことを深掘りしました。資生堂という化粧品の大手があります。この会社は約21,000の取扱店に対してPOSレジを無償で導入したのです。60億円の投資でした。このレジの導入は、取扱店の売上げ状況を随時把握することが目的でした。結果として、売上げ状況を把握し、生産と供給の安定化を図ることに貢献できたのです。さらに、このシステムの導入は、より有用なデータをもたらしました。化粧品の購入年齢や地域による購入の動向が明確になったわけです。消費者の好みも把握でき、人々が欲しがる化粧品の開発にも貢献していったわけです。日本の先発優位は、人々が望む化粧品に関するデータの蓄積にあるともいえます。
 でも、成功の事例ばかりではありません。韓国ロッテが現在直面している不買運動などを、尖閣諸島国有化問題において日本メーカーも経験しています。いろいろな試行錯誤をしながら、アジア向けの輸出を拡大してきたわけです。化粧品各社も、訪日外国人向けの販売で、業績を伸ばしてきました。それが、輸出において5年連続で過去最高を更新という形になって花開いているのでしょう。事例にあげた資生堂は、2017年1~6月期、中国向け売上げが連結売上高の25%に達しています。現在は、中国における強さを発揮する企業になっています。