ファンタジアランドのアイデア

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ユーラシア大陸横断鉄道の大きな未来  アイデア広場 その295

2017-12-11 21:23:59 | 日記
 EUと中国の輸出輸入の総額は、65兆円になります。これらの莫大な製品や商品を物流で運んでいるわけです。多くは海運によるものです。でも、中国からドイツまで1万1千kmの鉄道も大きな役割を果たしています。武漢発ドイツデュイスブルク便を週2便、デュイスブルク発重慶着を週1便を定期的に運行しています。日本通運は、欧州への定期輸送を中国内陸部の重慶などで手掛けてきました。この会社は、中国沿海部と中央アジア、欧州を結ぶ貨物の鉄道輸送サービスに本格的に乗り出すようです。中央アジアのハブになるカザフスタン鉄道と提携を交わしています。今後、一帯一路の期待もあり、ますますユーラシア大陸横断鉄道の需要が多くなると予想されます。
 そこで、このユーラシア大陸横断鉄道に日本企業が貢献することを考えてみました。この鉄道の利用において、中国から欧州への輸送では、納期に厳し自動車部品や精密機械類が対象です。さらに、ファストフアッションなどの貨物が増えると予想されます。欧州からは、中国への輸出品目ではワインや自動車の完成車、衣料、雑貨などを見込まれます。今後は、話題になっている粉ミルクをはじめ消費者の目が厳しい食品類が増えることになるでしょう。一帯一路構想でインフラ整備や経済開発が進めば、中央アジアは消市場としても期待できます。物流量をできるだけ多くすることが、線路として高い能力を持つことの評価に繋がります。さらに、通過時間を小さくすることで、物流量を増やすことが可能になります。EUも中国も、そして日本も韓国もこの鉄道を利用していくことになります。
 心配は1万1千kmに及ぶ鉄道の維持補修です。中国国内は、鉄道関係者が充実しており、今まで通り維持管理ができるでしょう。でも、カザフスタンなどの中央アジアの国々では鉄道技術者が少ないようです。線路の敷設はできるでしょう。でも、少ない予算で維持修理していくことが可能でしょうか。鉄道を正常に運行させる技術は、日本が優れています。1万1千kmに及ぶ線路の維持補修に、挑戦してはどうでしょうか。技術的には、線路の状態を3次元CG (コンピューターグラフィックス)で再現して、レールの不具合を速やかに見つけるシステムはできています。線路の状態を時速60km~80kmで走行しながら、撮影した映像をAI(人工知能)が自動的に分析するものです。過重積載などで、痛んだレールの許容範囲を把握することは可能でしょう。痛んだレールを変える時期、その時期に合わせた部品の発注などは、日本の得意とするところです。IoTがいわれる前から、コマツなどでは建設機械の部品消耗を把握し、補充のサービスを世界中で行ってきたことです。
 1万1千kmを走るユーラシア大陸横断鉄道は、過酷な自然環境を抱えています。列車にしても、レールにしても、部品の消耗が激しい中での運行になります。消耗が激しいところには、センサーを付けてデータを集めて分析する手法も使えます。部品の消耗の許容範囲が近くになったときに、部品の交換や補修を適時行うことになります。鉄道は社会のインフラであり、中央アジアの人々の生活を支える基盤になります。そこに、日本の技術を活かしてほしいものです。