東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

初合宿

2021年11月24日 23時01分06秒 | 通常練習

お世話になっております。1年470海マネージャーの平野侑です。

ますます寒さが本格的になって参りました。

先週から、八景島で合宿が始まりました。土日は通常通りの練習が行われ、月曜日は整備、HIIT、座学、火曜日は練習後、新しいリーダーの元、全日本470のレース艇を八景島に引っ越しました。

先週の土曜日が新体制に切り替わってから初の練習となり、海マネとしては身の引き締まる思いで淡青に乗り、470チームの練習に参加させていただきました。

久しぶりに上級生とディンギーに乗る新2年生は、沈をしながらヨットを自分で走らせる感覚を模索しているように見えました。上級生も熱のこもった実践的な指導をして下さいました。
レスキューに乗っていて、安全第一で練習が行えるように、段取りや曳航など、小さなことでも正確に積み重ねることの大切さを再認識し意識を高められた2日間でした。

新体制に切り替わってから初の練習で感じたこの緊張感を忘れずに、1日でも早く戦力となれるよう一層の精進を重ね、海マネの業務に邁進して参ります。

最後になりましたが、合宿が実現できたのは多くの方々の支えがあってこそです。東大ヨット部に携わって下さる全ての方々に感謝申し上げます。ありがとうございます。
今度とも、よろしくお願いいたします。

平野侑

 


疾風に勁草を知る

2021年11月24日 18時51分16秒 | 通常練習

お世話になっております。1年スナイプクルーの神田陸人です。

 

街はすっかりクリスマスムードですが、七夕の日に書いた自己紹介ブログもついこの間のことのように感じます。

時間が経つのは本当にあっという間ですね…。

 

さて、今週の練習報告をさせていただきます。

 

今週は月曜、火曜の二日間が授業休講日だったため、11/20(土)〜11/23(火)の4日間合宿形式の練習を行いました。

ついに八景島での合宿が再開し、20日、21日、23日の3日間は、9時出艇、16時着艇と今までよりも多くの練習時間を確保することができました。

 

20日は6〜9m、21日は3~5m、23日は1~5mと途中風が落ちることもありましたが、様々なコンディションの中で、スナイプチームは動作練習を中心に行いました。

動作の確認はもちろん、刻々と変化する風に合わせた動作を意識することの大切さも学ぶことができ、非常に密度の濃い練習ができたと思います。

 

22日は八景島の帆走禁止日のため、3年生は1日ミーティングを、1、2年生は座学や整備、陸シュミレーション、トレーニングなどを行いました。トレーニングでは全員でHIIT(高強度インターバルトレーニング)を行ってみましたが、海に出れない中、みんないい汗をかいて生き生きしていたので今後も続けていきたいですね(笑)。

 

また、この日はプレーヤーのみんなで昼食、夕食を作りました。いくら切っても終わりが見えないような大量の野菜やお肉を筋トレかと思うほど大きな鍋で炒めること…このような大変な作業を毎週やっていただいているマネージャーの皆さんの素晴らしさに改めて気付かされました。本当にありがとうございます。これからも感謝の気持ちを忘れずに部活をしていきたいと思います。

 

そして、3年生からは今年のスローガンの発表がありました。ずばり、今年のスローガンは「好み、好まれる」です。メンバーそれぞれが心からヨットというスポーツを、東大ヨット部というチームを愛し、そして、支援していただいている方をはじめ、すべての人から愛されるようなチームを目指していきたいという思いからこのスローガンになりました。今までに卒業された先輩方、そしてこれから入ってくる後輩たちを含めて、みんなから一生愛されるようなチームを全員で作り上げていきます。

 

僕が個人で掲げている言葉として「疾風(しっぷう)に勁草(けいそう)を知る」があります。読みが違うとはいえ、「疾風」という言葉がはいってるのも東大ヨット部らしくてお気に入りです。勁草とは強い草のことで、強い風が吹いて初めて強い草を見分けることができるように、困難な時にこそその人の本質や意志の強さが現れるという意味です。

合宿が再開し、本格的に新体制での練習が始まっていく中で、これから先困難なことも多くあるはずです。そんな時こそ、チームとしての真価が問われるということを改めて認識し、気を緩まず行動していきたいと思います。

 

少し長くなってしまいましたが、決して今まで当たり前でなかった合宿の再開にあたり、ご尽力いただいたすべての皆さんに改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。

 

 

1年スナイプクルー 神田陸人

 

 

 


淡青色の矜持

2021年11月19日 01時02分00秒 | 引退ブログ

大学生になって、ろくに休みの土曜日や日曜日を過ごしてきませんでしたが、先週ようやく満喫できました。自分の近所の人形町の休日の人通りはここまで多いものかと圧倒されましたね。

大通りの一角にあった、自分が愛用していた定食屋が、100均ダイソーに建て替わっておりました。老舗が潰れて、新しい店に変わっていく様は、東京に来て随分と見てきた光景ですが、自分の住んでいる街が発展していることの証で喜ばしい手前、どこか寂しいものを感じます。


4年間を振り返ります。


1年目の入った当初は、同期が30人近くいて、賑やか過ぎるほどでした。しかし、時がたつごとに一人また一人と部を去る人がいて、気づいた頃には半分に満たなくなっていました。代交代が行われて、ヨットに乗る機会がぐんと増えました。

自分が思い描いていたものとは真逆で、ヨットはここまで泥臭いスポーツなのかと驚かされたのは今でも忘れられません。寒い中朝早く起きて、出艇時間に追われ、海上ではタックとジャイブの動作を繰り返し、16時に着艇した時にはヘトヘトになり、頭がよく回らないままミーティングを行って、陸シュミして、布団で力尽きたように眠る。この繰り返しは本当にキツかったなぁ。

今思えば代交代前はまだ新歓のふわふわした雰囲気から抜けられてなかったのかもしれません。この寒くて厳しい冬の練習によって人数がより少なくなる反面、ヨット部に残された我々同期一同は、覚悟というかヨットに対する姿勢がより引き締まったように思います。



2年目は、幸運なことに、自分はレギュラーに選ばれました。しかし、経験が浅いために、周りの上級生クルーと同じ働きができるはずもなく、ペアを組んで下さった4年生の塚本さんには苦労をかけてしまいました。

それでも、他の先輩クルーに追いつくべく、誰とでもクルーとして乗れる日には乗って、練習時間をできるだけ長く確保してきました。動作を人並みにできるまで、頭の中でどれほど再現し、イメトレをしたことか。

こうした努力が実った(と自分が勝手に落とし込んでいるお調子者なのですが)のか、西宮の全日本の舞台で6位で東大のスピンを届けた時には感無量でありました。自分の成長を近くで見守ってくださり、誰よりもストイックに練習をこなす塚本さんのクルーとして一緒に走れたことは今でも誇りに思っています。



3年目。コロナの自粛によって、思うように練習ができません。一番ヨットが楽しいであろう3年生の時間を奪われてしまったことは、今でも大変残念に思います。

しかし、ヨットから離れることで、今まで当たり前のようにヨットをしてきたけれども、全然当然ではないこと、蓋を開けてみればヨットという競技は本当に多くの人の支えと後押しによって成り立っているスポーツなのだと痛感できる1年でもありました。

座学や動画研究によってできない練習を埋め、知識を蓄え、数少ない練習をより有意義にして、最後まで諦めずに前を向き続けた先輩方には本当に感謝したいです。

ここまで尽くしてくれた4年生の先輩方に恩返ししたい、関東インカレで引退させたくないという一心で、ヨットを走らせていたのですが、あともう少しのところで全日本への切符を手にすることができず、非常に悔しい思いをしました。



4年目。自分が最上級生になったら、こうしよう、ヨット部のこういうところは改善したいというものを持ち合わせていましたが、いざ練習期間となると出艇時間と各々のタスクに追われ続けてしまいます。

スローガンとしてこの1年『凡事徹底』を掲げたのですが、実際に徹底できていたのかというと、自信を持って頷くことができない始末。

ヨットのプレイヤーとしての自分と、主務としての自分と、最上級生としてのチーム運営に口を出す自分。忙しない練習期間の中で、これらにどう折り合いをつけ、どのように振る舞うのか。難しい1年でございました。

春に3年生の調と組んだ時には、全然思い通りにレースで走らせることができず、苦しい思いをしました。でも、ああでもないこうでもないと試行錯誤しなから、活き活きとヨットに臨む調と一緒にいて、ヨットの本来の楽しさを再認識させられました。彼が春の悔しさをバネに秋には我々4年生と遜色ない走りを見せてくれて、本当に嬉しかった。

秋からは、昨年に続けて古橋と乗ることになりました。3年生の時は互いに気楽にまっすぐ走らせていただけでしたが、4年生になって最上級生としての、470リーダーとしての、1番艇としての覚悟と責任感を背負うた別人でありました。

大胆でがさつな自分とは異なり、何事にも妥協なく、「反復、継続、丁寧」が似合う彼は、シーマンとして立派だとつくづく思わせられてきました。最後まで楽しかったなぁ。古橋、ありがとう。全日本470で、全日本インカレの雪辱を果たすことを心待ちにしております。



こうやって振り返ってみると同じヨット部の4年間と一口に言っても、毎年毎年で色があって、十分に充実していたと今では思います。

1年生の時に、自分たちが最上級生になった時には同じ船に乗ろうと誓っていた同志が、ヨット部からいなくなってしまった時は、それはそれは辛かった。

でも、彼らよりも絶対に充実した4年間を過ごしてやる、楽しんでやるぞという意地で、ヨットから離れないことを自分に課し、今でも自分のその選択は間違ってはなかったと、心から思えます。



東大は年々強くなっている。悔しくも最後の全日本インカレの舞台で、それを結果として表現できることはできませんでした。シングルを目標として、実際は18位。有終の美は飾れませんでした。

3年生の秋インカレを通して、ケーストラブルをなくそうと誓い、練習中も口酸っぱく言ってきた我々自身が、1日目に文字を多くつけてしまい、全日本インカレを引退の記念レースにしてしまった。

応援してくれていた下級生やLBの方々の期待に答えられず、本当に申し訳ないと思っております。


その敗因は、自分は全日本で初めてを経験することが多かったことにあると思っています。

大きなレースではじめてUFDをつけてしまった。初めて自艇に抗議が出されて、面食らい、必要以上に焦ってしまった。

そういうところからどんどん全日本の緊張の雰囲気に飲まれてしまい、最初のレースでできていただろう大胆なレース展開や本来のボートスピードを引き出すことができなくなってしまった。これも実力だったと思う反面、やはり後悔は残ります。


それでも、東大はいいチームになっている、そう思わされる場面がありました。出艇からの曳航のスピード、海面につくまでの手際の良さは東大は1番でした。

1年生から上級生まで一丸となって、蒲郡の過去のレースのトラックトラックを分析してくれました。

レギュラーだけではなく、サポートメンバーが責任感と使命感を持って、一人一人が結果に貢献しようという雰囲気がありました。そしてそれを表現できるには十分の舞台だった、それだけでも全日本には大きな意味があったと思います。



3年生以下にはもっともっと高みを目指して欲しい。一人一人が東大ヨット部に"誇り"を持って欲しい。まだまだヨットに乗る機会がある、東大ヨット部を表現する舞台が残されている彼らを自分は素直に羨ましいと思います。

いつしかブログで書かせてもらいましたが、自分は後輩には本当に恵まれてきたとつくづく思っています。サポートも上で書いた通りだし、平日の自主練の頻度も人数もちょっと前では考えられないくらいに多くなっています。

そんな彼らの成長と挑戦を近くで見守っていられる自分は幸せだと思いますし、ずっと応援していきたいと思っています。


長くなってしまいました。拙い文章ですみませんでした。


ヨットは4年間通して、どこまでも魅力的なスポーツでありました。

ヨット部は、自分にとってどこよりもくつろげる居場所でありました。


4年間、随分とぜいたくをさせていただきました。


ヨットのいろはから丁寧に教えてくださった先輩方、チームを期待以上に支えてくれた後輩、多大な支援と応援をしてくださったLBの皆様、いつも練習に付き合ってくれてヨットの楽しさと過酷さを教えてくれた小松コーチ、そして共に戦友として4年間そばにいてくれた同期、本当にありがとうございました。


風をめいいっぱいに受けたスピネーカーのように、勇気と希望を自分の中に孕ませ、今後の残りの人生を歩んで行きたいものです。

来年から社会人になって困難なことに立ち向かっても、自分の携帯の中にある淡青色のスピンを見返して、この4年間を思い返し、誇らしく、力強く生きていきたいと思います。


東京大学運動会ヨット部4年 齊藤崇



11月です。全日本選手権の季節です。

2021年11月15日 18時18分18秒 | 通常練習

 

お世話になっております。1年クルーザー班の関根佑樹です。

11月6日と7日の活動を報告させていただきます。

 

11月6日は全日本選手権に向けて、船底塗料を剥がし始めました。三崎マリンに仰秀を上架して三崎マリンの端っこでせっせこと落としていきます。最初は一番上の青い塗料を剥がすということでサンダーという機械を使いながら落としてきました。落ちた青い塗料が船底から降ってくるので、レインコートに防塵マスク、ゴーグルという完全装備で挑みました。それでも全ては防ぎきれず、日が暮れ始めて帰る頃にはみんな顔や腕などが青く染まってしまいました。これも艇速のためと思えば容易いものですが。

 

11月7日は先月中止になった分のフリートレースを行いました。

リザルトは以下の通りです。

4 - 3 - 4 - 3

で総合3位でした。

前回の総合4位から一つ順位をあげることができ、全日本選手権前、最後のレースでいい結果を残すことができました。

僕自身はというと、月光チームに参加させていただきました。まだヨットを始めて一年目という自分なので、色々と足を引っ張ることもありましたが、月光のみなさんの優しさと厳しさのおかげでたくさんのことを学ぶことができました。その中には仰秀のチームで共有すべきこともあれば自分の心に書き留めておくこともあります。一つここで書くとするならば、レース中の緊張感が仰秀と月光で大きく違いました。前回のレースは仰秀の一員として出ましたが、その時も確かにミスをしてはいけないという緊張感はありました。ただ、月光では、レースが始まるまでは月光の暖かい雰囲気を感じていましたが、レースが始まった途端、緊張感が増し、何事も死ぬ気でやることが求められ、また、そのように言われもしました。自分たちは練習中やレース中にこんなに緊張感を持って挑めていなかったなと反省することができました。とはいえ、月光から自分が思っていたほど学べなかったなと思いもしました。それはひとえにまだ自分が月光から十分に学ぶほどの実力、余裕がなかったのです。これからもたくさんあるであろう伸びしろをとことん伸ばしてやろうという思いでいっぱいです。ただ、やはり今週の1番の収穫は月光に乗っているときに楽しめたことだと思います。月光のみなさん、ありがとうございました。

 

さて、このブログの一週間後にはついに全日本選手権です。今月は船底塗料を剥がすこと中心の活動であまり海に出れていませんが、その分船底がスベスベになり、より速い仰秀が走ります。3日間、全力で走ります。仰秀の応援、よろしくお願いします。

 

1年 クルーザー班 関根佑樹


海の世界の入り口

2021年11月14日 21時38分45秒 | 引退ブログ

サポートを務めておりました、4年の足立です。

 

全日本の最終日、ちょうど1週間前に引退いたしました。息も絶え絶え、ようやくここまで来たのだというのが正直な感想です。

この4年間が自分にとってどのようなもので、どのような意義があったのか、ということをしっかりと語れるほど、頭の中を整理できているわけではありません。それは、今後生きていくなかで意味付けされていくものなのだと思います。

 

この4年間はひたすら悩みながらも、ゆっくりと少しずつ進んできた、そんな日々でした。疲れやすく、一度疲れるとなかなか体調が元に戻らないという自分の体質と、どのように向き合うか試行錯誤の日々でした。

 

一年生の新歓で入部を決意し、470クルーとして練習に参加しました。2年生の9月には、J/24の全日本選手権に出場させていただきました。

しかし、自身の体調との向き合い方が分からず、だんだんと部活に参加することすら難しいほど、体調はボロボロになっていきました。このままでは部活はおろか日常生活も破綻してしまうという思いから、新3年の1月に、必ず戻ってくると決めて、休部することを決断しました。

 

3年生の間は勉強に励みつつ自身の体調と向き合い、その特徴や管理の方法を手探りで探っていきました。4年間しかないのに、大好きな海とヨットから離れなければならないことが、とにかく悔しかった。

 

4年になり体調も元に戻り、自身の体質との向き合い方が少しずつ分かってきたところで、ようやく部活に復帰することを考えるようになりました。

体調を考えると、フルで部活に参加することはできないかもしれない、それでも自分にできることをしたい、そう言った自分を暖かく迎え入れてくれた同期、後輩のみんなには、本当に心から感謝しています。

 

復帰してからは、サポートとして部活に参加しました。「これが部活ができる最後のチャンスだ。やれることをやって、絶対に後悔のないようにしよう」と決めていたたため、復帰してからは、常に頭の中に引退を意識して活動していました。

 

レスキューとして練習の運営やレースのサポートをする一方で、陸では下級生、特に一年生の座学を担当しました。

この数ヶ月を通して、サポートが強いチームは強いということ、そしてサポートも選手と同じように、その働きによってインカレにおける1点、2点を稼ぐことができるのだということを示せたのではないかと思います。

 

一方で、チームとしての課題もいくつか見えてきました。

コロナの影響で合宿ができない中、レース期間中に一年生がもっと部活に参加し、やりがいを感じてもらう方法があったのではないか。マネージャーが今以上に活躍し、その実力を発揮する方法があったのではないか。4年生と1年生の間に、隔たりができてしまったのではないか。レース期間を通して、上級生と下級生が、同じ志を持って同じ方向を向くことができていたのか。

いま思うと、もっと上手くできた、こうすればもっとよかったと思うことがたくさんあります。

 

サポートが強いチームは強い。

しかし、その強いサポートチームはまだ完成していません。後輩のみんなは、サポートの強い東大を作りあげて、それを東大ヨット部の伝統にしていってほしいです。

 

特に1年生、2年生は、これからの部活のことを一から考える時間が、チャンスがあります。

熱い思いをもって意見を言い合い、同期とたくさんぶつかり合ってほしい。その中で、自然と目指すべき方向が見えてくるはずだし、そうするうちにかけがえのない仲間になっていくはずです。常により良くすること、より上を目指すことを考え、良い意味で先代が作ってきたものに捉われないでほしい。

 

 

ヨット部に入って、たくさんのことを学んだし、何より、人として大きく成長できました。自分との向き合い方、他者との向き合い方、チームの難しさ、楽しさ、強さ、リーダーシップ。

チームと向き合うときは、明確なビジョンを持って、それを熱く語ることが大切だと思います。

 

一年生の新歓でビビッと何かを感じ、即参加を決めた試乗会でヨットに乗ったときに、海の世界に「これこそが自分が行くべき世界だ。それに、なぜか懐かしいものを感じる」と、まるで前にも体験したことがあるような、自分が来るべき場所に来たような感じがしたのを覚えています。

それ以来、海に魅了され、いつの間にか将来の進路も海に関わるものになっていました。卒論では洋上風力に関する研究を行い、卒業後も新領域で引き続き同じテーマの研究を行う予定です。将来は海洋開発に関わる仕事をしたいと考えています。

 

自分に、この人生をかけてでも取り組むべき海の世界、帰るべき世界を教えてくれたヨット部には、本当に心から感謝しています。

ヨット部でシーマンシップとは何かを、少しだけでも学べたのではないかと思います。シーマンとしてはまだ半人前どころか0.1人前くらいかもしれませんが、これからも海の世界で精進してまいります。

 

 

最後に、4年間暖かく見守ってくださったLBの方々、先輩方、小松コーチ、一緒に進んできた同期のみんな、そしてついてきてくれた後輩のみんな、支えてくれた家族、本当にありがとうございました。

 

 

東京大学運動会ヨット部 足立裕次郎

 


追ってきた背中、目指すべき姿

2021年11月11日 18時08分32秒 | レース反省

 

お世話になっております。3年470クルーの工藤光生です。

長くなってしまいましたが、読んでいただければと思います。

 

先日行われました全日本学生ヨット選手権の結果報告をいたします。

 

470級 全6R 最終成績

全72艇

4791 13 古橋/齊藤 35(PRP)-73(UFD)-62-35-25-51  計281点

4692 14 調/工藤  58-54-59-31-47-5 計254点

4579 15 鈴木/廣瀬   41-41-24-36-16-60 計218点

大学別順位 全24校

1位 日本大学 133点

2位 早稲田大学 215点

3位 慶應義塾大学 362点

17位 横浜国立大学 746点

18位 東京大学 753点

19位 東北大学 831点

 

1日目は北西の風で、10 knot前後の安定した風で3Rが行われました。2日目も同様に北西の風でしたが、朝は10 knotほどだった風が昼にかけて16 knotほどまで上がり夕方にかけて徐々に落ちるという、蒲郡特有の傾向を示しながら3Rが行われました。3日目と4日目は、北東の風が安定せず、海上待機をしたものの、レースは行われませんでした。

 

470チームとしては、目標としていた「全日本シングル」には遠く及ばない結果となってしまいました。

1日目は、2年ぶりの全日本という舞台で艇団に揉まれケースも多発し、悔しさが残りました。しかし前日の反省を生かした2日目は、ケースをなくし成績も比較的安定しました。みんながほどほどの位置にいる。誰かが叩いていても誰かが前を走る。

3艇の実力が高い水準で揃っている、という今年の470チームの良さを少しだけ発揮出来たのではないかと思います。

 

そんなふうに日々チームが成長している実感を抱いていたからこそ、3日目4日目にレースが行われなかったことは残念だった。

自分たちの実力、そして自分たちがずっと追いかけてきた先輩たちの実力を全国にもっともっと知ってほしかった。

本当に悔しかった。APAのホーンは無情ですね。

 

 

自分は、レギュラーとして同期の調とともにレースに参加させていただきました。

1日目は、艇団に対する立ち回りに苦戦しました。

前日までの練習や過去のレース解析から、蒲郡の北西の風はブローとともに左右に10度程度フレが入り続ける海面であるという分析のもと、レースの中盤までは真ん中で展開しフレを掴んで走るという方針を立てていました。

その方針にそって、艇団の中で乱れた風と汚い波の中で我慢して走りました。

後からトラッキングを見たら、スタボレイ付近の列の中で誇張でなく30秒で2つずつ順位が落ちてました。地獄でした。

海面と風の乱れで船の滑りも悪く艇内の雰囲気もめっちゃどんよりしてたと思います。

そして、第3Rではクローズのなんでもないポートスターボで避けさせて2回転。

前を通れるかギリギリとなった時点で受ければ良かった。あれだけ風位で勝っていれば相手はすぐにしんどくなって返すはずだった。

そしたらタックしてまた外に出せば良かった。

その2タックを厭わないためにずっとタック練習をしてきたのに。

調、本当にごめん。

 

2日目は、反省を活かしフレッシュを掴んで外に伸ばして艇団の端でレースを展開するという方針を調と共有して望みました。

風も上がり自分たちが得意とする風域だったので走っているだけでも楽しかった。自分たちの実力を1日目よりも発揮できているという実感がありました。

そんな中で迎えた第6Rでは、スタート直後に右に大きく展開し、右に残っていたへダーブローに合わせてタックをしたところ、1上を4位で回航、抜かれる艇を最小限に抑え5位でフィニッシュ。運が味方しすぎたレースではありましたが、全日本という舞台で5位。

本当に気持ちよかった。

秋イン決勝でも関東470でもシングルが取れずに悔しかったけど。全日本まで溜めていたのかも。

あと、結果的には抜かれてしまいましたが、普段はランニングではミートしないような日大と並走し、ロッキングを間近で見れたことも大きな収穫でした。彼らの速さを実感すると共に自分たちのやってきたことが間違っていないことがわかって自信になりました。

 

このようなかけがえのない経験をすることができたのも、普段から多大なる支援をいただき現地にまで足を運んでくださったLBの方々、海に出れないながらも陸上でサポートをしてくれた同期や後輩、そしてともに海上でレースに臨んだ4年生のみなさんのおかげです。本当にありがとうございました。

 

陸上では下級生をまとめ上げ、ヨット部にサポートを充実させその大切さを伝えてくれた足立さん。学連で培ったレース運営の観点から海面の位置や風の傾向を教えてくれた古関さん。1年間主将として部を率いて、全日本ではエースクルーとしての知見を遺憾なく発揮してくれた長岡さん。3人のサポートは本当に頼りになりました。

 

微軽風のボートスピードと安定した成績でチームを支えてくれた智貴さん。チームリーダーとして470チームをまとめながら、強風のボートスピードと経験値でたびたび爆発的な成績を見せてくれた古橋さん。2人の実直にヨットに向き合って、4年生になってもグングン成長する姿はかっこよかったです。

 

どれだけ叩いても常にレスキューから笑顔で励ましてくれた下重さん。正確で丁寧な動作と後ろからも追い上げるコースで安定した成績をとっていた廣瀬さん。経験値からくるコースとミスのない動作で強豪校とも渡り合っていた崇さん。僕は先輩たちからクルーのいろはを教わり、絶対に抜かしてやると思って練習してきました。間近に迫ったと思った背中は遂に追い付かずじまいのように思います。同期クルーがいない僕には実質同期みたいな存在でした。切磋琢磨できて本当に楽しかったです。

 

4年生の先輩方は常に身近な存在でした。

先輩たちの優しさでここまで成長できました。

先輩たちの暖かさで笑顔が絶えませんでした。

先輩たちのひたむきさで強くなれました。

本当にお世話になりました。これからは、プレイヤーではなくコーチとして練習にきてください。

 

 

最後に、、、新470リーダーとして思うところを述べようと思います。

僕と調は、レギュラーとして4692に乗って六大戦秋イン予選決勝に出場させてもらいました。

秋イン決勝では1日目に3Rで100点以上を稼ぎましたが、先輩たちになんとか全日本に連れてきてもらいました。

その経験はかけがえのないものでした。

 

 

関東でのレースで実感した、ボートスピードに動作、ケースへの意識などの詰めの甘さ。

 

去年、470チームは6点で全日本を逃しました。「凡事徹底」の差で負けました。

この1年間、古橋さんはケーストラブルに対する意識を口を酸っぱくするほどおっしゃっていました。

正直、それでは攻めた練習ができないと思うこともありました。

でも、秋イン決勝で8Rの末13点差で全日本出場を決めた今なら痛いほどわかります。

 

 

全日本で痛感したビックフリートの戦い方。

 

今回の全日本、特に1日目はレースに出ただけのように思います。

戦うことができず、ケースが多発してしまいました。

もしかしたら、2年前に西宮で先輩方は同じやるせなさを感じたのかもしれません。

全日本で戦うチームになりたい。より「高みへ」行きたい。

 

 

今後の東大ヨット部で、全日本インカレを経験したことがあるのは僕たち2人だけです。

チーム全員が秋イン最終レースの緊張や全日本第1レースの高揚を理解し、それを見据えた練習を行うことは一筋縄ではいかないでしょう。

しかし、先輩方が与えてくれた経験を風化させずに伝えなければいけません。

 

 

経験を踏まえてチームに目標を共有し、なおかつ自分も上達する。

 

 

先輩たちの思いを背負って、後輩たちの指針となれるよう精進していきます。

今後とも応援よろしくお願いいたします。

 

新470チームリーダー 工藤光生


蒲郡遠征3日目

2021年11月07日 09時01分38秒 | 遠征ブログ

お世話になっております。2年470クルーの丸山拓之です。

昨日行われた、大会3日目の報告をさせていただきます。

 

3日目は出艇直後は上オンほどの風が吹いていたもの、風向が安定しなかったことに加え時間が経つにつれて風が落ちていったためノーレースとなりました。

 

そのため成績は2日目までのままとなります。以下3日目までの成績です。

 

第86回全日本学生ヨット選手権 3日目時点 成績

個人成績

4791 古橋/齋藤 35(PRP)-73(UFD)-62-35-25-51

4692 調/工藤    58-54-59-31-47-5

4579 鈴木/廣瀬   41-41-24-36-16-60

 

470級総合成績(全24大学)

1位 日本大学 133点

2位 早稲田大学 215点

3位 慶應義塾大学 362点

17位 横浜国立大学 746点

18位 東京大学 753点

19位 東北大学 831点

 

 

自分はこの日レスキューに乗せていただきました。先輩たちが全日本インカレで走っている姿を見ることができず残念でしたが、レスキューに乗っている先輩方から天気や地形が風に与える影響などを教えていただき自分にとってとても有意義な一日になりました。

 

このブログを書いている今まさに先輩たちは蒲郡の海の上で最終日のレースが始まるのを待っています。僕が入部したときからずっと一緒に部活動をしてきた4年生の最終レースになると思うと寂しさや感慨深さを感じてしまいます。今日は陸からの応援になりますが、チームの一員として少しでも貢献できるようにサポートを頑張ろうと思います。

 

また、昨日は多くのLB様にはるばる蒲郡まで足を運んでいただき、応援と激励のメッセージをいただきました。島田様(昭和54卒)、都倉様(昭和57卒)、今村様(昭和57卒)、田中様(昭和58卒)、植地様(平成6卒)、松山様(平成29卒)、山本様(平成30卒)、中尾様(平成30卒)、多賀谷様(令和2卒)、阿部様(令和3卒)、永田様(令和3卒)、本当に有難う御座いました。


2021/11/05 全日本前最終レース

2021年11月06日 17時33分00秒 | 通常練習

 いつもお世話になっております。仰秀3年の萩原です。来週日曜日、全日本前最後のレースを迎えます。

 前回のレースでは仰秀は目標の4位を安定して保てた一方、上位3艇との高い壁を痛感しました。月光、ダイアナ、だぼはぜの上位3艇と1上まで競えたのが4レース中、1レースのみ。ダイアナにはその1レースでも上レグで上突破されてしまいました。それだけ上位3艇との壁は高かったです。
 
 ただ全日本で目標の5位を取るにはその3艇と競っていかなければなりません。全日本では上位3艇に加えて、シエスタ2艇とFoxが出場します。自分たちより上位と予想される艇が最低でも6艇もいます。それだけ強敵に恵まれています。自分たちの今の実力からして全日本5位は全く余裕などありません。ミスなどしている場合ではありません。全て完璧でやっとなんとか5位に食い込みうります。
 
 そんな難敵だらけの全日本を前に次のレースでは身が引き締まる思いです。全日本初体験が半分を占める中、フリートレース以上を全日本で出せると考えるのは甘すぎます。今回のフリートレースで結果を出すことが極めて大事です。
 
 また、全日本で5位に食い込むために、全日本で満点以上のパフォーマンスを出すためにも、今回のフリートレースでは結果のみならず“ミスをしない。”ことを最重要視します。“ミスをしない”、そんな当たり前を全日本ですることがいかに難しいか。フリートレースにおいて緊張やら不注意やらでやられている場合ではありません。強敵に対して実力で勝つためには、ミスなどしている場合ではありません。今回のフリートレースで“当たり前のことを当たり前にやる”ことを貫徹したいです。
 そんな思いを持って日曜日のフリートレースに臨みたいと思います。是非とも応援お願い致します。
 






蒲郡遠征2日目

2021年11月06日 11時32分45秒 | 遠征ブログ

お世話になっております。2年470クルーの松尾一輝です。

昨日行われた、大会2日目のレースを報告させていただきます。

 

まずは、暫定成績です。

 

個人成績(全72艇)

4791 古橋/齋藤 35(PRP)-73(UFD)-62-35-25-51

4692 調/工藤    58-54-59-31-47-5

4579 鈴木/廣瀬   41-41-24-36-16-60

 

470級総合成績(全24大学)

1位 日本大学 133点

2位 早稲田大学 215点

3位 慶應義塾大学 362点

17位 横浜国立大学 746点

18位 東京大学 753点

19位 東北大学 831点

 

大会2日目、僕はレスキューの上からサポートする機会に恵まれました。

僕は、秋イン予選から陸上でのサポートが中心でした。もちろん電話で先輩たちが良い順位をとったことを知ったときは興奮しましたが、やはりインカレの雰囲気を直接感じたい、先輩たちの走りを海で見たいという思いもありました。このレベルの高い大会を生で見る機会を作ってくれた先輩方に感謝しています。

今回の大会は、トラッキングシステムというGPS機能を用いて、リアルタイムでレースの展開を見ることができます。実際に海上で風を測りながらトラッキングを見ていると、どこで風が振れて順位が変動したのかが経験的に分かるのですごく勉強になりました。

特に最終レース、1上で右海面に大きく振れ、調・工藤ペアが4位回航、そのままの順位を守り切って5位でフィニッシュした時は感動しました。未経験者の3年生で、しかもこの大舞台であんなに前を走る姿を見られたのは、本当に自分たちにとって希望だと思いました。

 

入学した時からコロナ禍で合宿も遠征もなかった自分たちの代ですが、今こうして上級生に蒲郡に連れてきてもらえて本当に良かったと思います。来年の今頃は、自分たちの力で琵琶湖に行けるよう、この大会が終わったら頑張ろうと思います。

 

即席ブログになりましたが、これにて失礼します。

2年 松尾一輝


最後の幕開け

2021年11月04日 17時04分32秒 | 全日本インカレ2019

お世話になっています。2年470クルーの加藤です。いよいよこの1年間を締め括る大会が始まりました。初日のこの日にレスキューに乗れた貴重な体験をもってこのブログを綴らせていただきたいと思います。

まずはリザルトを以下に示します。

・470級  参加艇数 計72艇

4791 13  古橋/齋藤 13-73-62 計148点

4692 14 調/工藤 59-55-59 計173点

4579 15 鈴木/廣瀬 42-42-24 計108点

大学別順位 全24校

1位 日本大学 計67点

2位 早稲田大学 計96点

3位 慶應義塾大学 計144点

4位 中央大学 計166点

5位 関西学院大学 計173点

6位 同志社大学 計245点

7位 近畿大学 計254点

8位 立命館大学 計290点

9位 甲南大学 計295点

10位 明治大学 計301点

11位 九州大学 計322点

12位 金沢大学 計327点

13位 明海大学 計344点

14位 日本経済大学 計346点

15位 鹿屋体育大学 計349点

16位 東北大学 計386点

17位 岡山大学 計387点

18位 横浜国立大学 計389点

19位 京都大学 計390点

20位 東京大学 計429点

21位 名古屋工業大学 計477点

22位 名古屋大学 計556点

まだ初日が終わったばかりなのでこれからの挽回に大きく期待していきたいと思います。

公式の大きな大会のサポート艇に乗れたのは久しぶりで改めて海からレースを見ることの楽しさを味わえました。実際に海を見て予想したり、東大の船が前を走っているところを見たりするのが印象に残りました。トラックトラックで古橋さんとかが1位を走っていいた時とかはレスキューで大盛り上がりしたりもしました。

この1年間を通して先輩方にお世話になったことは数え切れないほどありました。私はあまり文才がないので、拙いですが先輩方に主に感謝したいことや良さを箇条書きにしてあげていきたいと思います。

・陸シュミを夜遅くまで見守ってくれていたこと、動作の指導で各艇ミーティングや動作練習とかで丁寧に教えてもらったことなどの面倒見の良さ

・コロナの影響でこの1年間は一度も遠征したことがなく、今回の初めての遠征で他水域の海面に連れて行ってくれたこと

・積極的に話しかけてくれたり、自分たちの結果などに一喜一憂してくれたこと

あまり態度に出ていることはないのですが他にも心の中で密かに感謝していたことや思い出に残っているレースや出来事は書き切れないほど数多くあり、ヨットが楽しいと思える時間があるのは紛れもなくこれらのおかげだと思っています。

以上をもちまして活動報告を締めさせていただきます。そして、レースメンバーの先輩方にはしっかりと最後まで楽しく、思い出に残るようなレースを送ってきてください。