6月7日・8日、蒲郡で開催された「二宮杯マッチレース」に、仰秀チームとして参加しました。三河みとマリーナのJ/24によるマッチレース形式の大会で、全国からマッチ経験のある大学生や社会人が集まり、総当たりのラウンドロビン形式の予選(6戦)と、上位4艇によるノックアウトラウンドで順位が競われました。
二宮杯は、二宮隆雄氏が 日本のマッチレースの普及のために始めた大会で、元は南伊勢マッチという名前で伊勢で行われていたそうです。船とマリーナが少なかったことから、二宮杯の大きな特徴である、アンパイアが選手の後方に乗り込みジャッジをするオンザウォーター方式が発明されたと言います。
アンパイアのその場その場の判断が選手に伝わることからも、大きな学びにつながる方式だと感じました。
レースは1日目、程よい西風の中ラウンドロビンが行われました。
2日目は朝から風待ちをし、入っては抜ける風に翻弄されつつも、最終的には予定されていたラウンドロビンを完了することができ、1位対2位、3位対4位のノックアウトシリーズを行うことができました。
結果としては、Maril Racingの牧野選手がラウンドロビン・ノックアウトシリーズ含め安定的な強さを見せ全勝し、栄えある二宮盾を九州に持ち帰ることとなりました。
今大会では、運営をしつつ大会を盛り上げてくださった宴海丸チーム、パーティーで参加者を圧倒する豪華な差し入れを下さったNSTチームといった社会人チームの他にも、優勝したMaril Racingチーム、平さん率いるteamNudge、世界一周木村さん含む関西チーム、女子マッチワールド出場を目指す神戸大学チームGerbera、そしてポーランドでのユースマッチワールドを目標に活動する我々仰秀チームといった若い世代のチームが多く出場したことが特徴でした。
また、1日目のレース後に行われたレセプションは、とても豪華なラインナップに加えてNST渡辺さんのお肉、参加者紹介、そしてアンパイアとの意見交換と、大変有意義で楽しい時間となりました。
レースもレセプションも、面白く、楽しく、学びのある大会でした。
運営に関わっていただいたオーナー様、マリーナの担当者様、宴海丸チーム、アンパイア、その他多くの方に感謝を申し上げます。(素敵な写真もありがとうございます!)
以下はチームとしての振り返りと反省です。
本大会では、スタートマニューバの精度や判断力はもちろん、ボートスピードや下マークでの回航技術など、細かな部分での差がそのまま勝敗に直結する展開が多く、改めてマッチレースの難しさと奥深さを実感する大会となりました。
・ラウンドロビン
初戦は加藤選手との対戦。スターボードエントリーから有利なポジションを取り続ける場面もあったものの、スタート直前の判断ミスからペナルティを受け、最終的にそのまま敗戦。ペナルティの解消をどこでどのようにするかのプランが不十分だった点が課題となりました。
第2戦の渡辺選手とのレースでは、スタートではリードを許しましたが、下マークの回航で相手のミスを突いて逆転。そのまま逃げ切って1勝目を挙げました。学生マッチでも指摘いただいていた下回航の精度を意識して練習してきた成果が出たレースでした。
3戦目は山田選手と対戦。スタートから優位に立ち、安定した展開で勝利。1日目後半に入り、ようやくレース全体を落ち着いて見る余裕が出てきたように感じられた瞬間でした。
第4戦の合原選手との試合では、エントリー後の位置取りで主導権を握られ、そのままスタートを決められて敗戦。マーク付近でのスピード調整や、スタート後の攻防の詰めの甘さが課題として残ったと考えます。
2日目に入り、第5戦は平選手との対戦でしたが、艇の載せ替え直後で準備が不十分だったことや、風待ち後の集中の切り替えに失敗したのでしょうか、思うような走りができず敗戦。精神面での準備も含めた「レースへの入り方」が大事だと再認識させられました。
第6戦は牧野選手との対戦。ポートエントリーからの動きがやや遅れ、スタートで有利なポジションを握られたまま押し切られて敗戦。ダイヤルアップや加速の精度といった細かな技術の差が如実に出る展開となりました。
結果として、ラウンドロビンは2勝4敗で4位。決勝ラウンドに進出し、準決勝では3位の合原選手との再戦となりました。
・ノックアウトシリーズ
前日に敗れている相手との再戦ということもあり、気持ちを切り替えて臨んだレースでした。ポートエントリーをしっかり決め、スタートから主導権を握る展開に持ち込むことができました。途中、ペナルティを受けてもおかしくないような、やや危うい場面もありましたが、リードを保ったまま逃げ切り、1勝を挙げて大会を締めくくることができました。
今大会を通じて、全体的にボートスピードでは互角に渡り合える場面が多く、学生マッチでの失敗で大きかった走りに関しては一定の手応えが得られました。一方で、スタートマニューバの精度、船の急な加減速、メンタルの安定、レース中の冷静な判断といった点に課題が多く残っていると考えています。
本番で力を発揮するには、技術的な準備だけでなく、精神的な準備も含めた、本番を意識した練習が不可欠であると強く感じた大会でした。今後の大会に向けて、社会人チームにお世話になって練習をしたり、葉山のマッチレースに参戦したりすることを計画しています。その中で、より実戦に近い形での練習を重ねて、しっかりと準備したうえで本番に臨みたいと思います。
本番まで残すところ1カ月と少し、自信をもって日の丸を背負えるよう精進して参ります。
引き続きご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。