東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

世界を変えた瞬間

2020年07月03日 20時00分00秒 | 2020リレーブログ
学生ヨットが世界を変えた瞬間はあったのだろうか。あるいは、社会を変えた瞬間はあったのだろうか。
 
ウィズコロナだとかアフターコロナだとか言われている中、ヨット部もコロナといかに共生するかを考える時期が来たのかもしれない。コロナによる影響は様々あるが、今回は新勧について取り上げたい。
ヨット部の新勧は、試乗会でヨットに乗せ、その興奮冷めやらぬうちに畳み掛けるというのが普通だ。ヨットに乗ったことがある人はほとんどいないので、試乗会が無ければ新入生も入部しづらいだろう。上級生も、新入部員の入部前のイメージと入部後の実態がかけ離れているのは避けたいため、試乗会なしには新入生を受け入れにくい。そのため、少なくとも東大ヨット部は、今年の新勧はかなり厳しい状況にある。
この状況があと半年、一年と続けばどうなるだろう。全国的にヨット部への新入部員は少なくなる傾向が続くかもしれない。
大学スポーツが持つ大きな役割の一つとして、「スポーツの普及」がある。特にセーリングは大学から始める人が大半であり、新勧を通じてセーリングの普及が行われている。試乗会ができないということは、セーリングの普及が滞ることを意味する。
 
一方、他のスポーツでは新勧にある程度成功しているものもあるという。我々との大きな違いは、「無関係な人への影響力の強さ」かもしれない。地元の子供たちへのスポーツ教室などを通じて、地域から応援してもらえるチームを目指している部もある。試合ごとにPVを制作する部もある。
大学ヨット部ではセーラーやOBに向けた発信をしている大学は多いものの、社会に向けた取り組みをしている大学は、私が知る限りは無い。
 
1月の主将主務合宿で出会った他部活の主将は、揃って「自分たちの社会への影響」を考えていた。彼らは社会にインパクトを与えられるだけの力があると自覚しており、社会貢献をしているとのプライドも持っていた。大学生セーラーはそのような視点を持っているのだろうか。
「セーリングの普及」が滞っている今、どのように社会にセーリングを知ってもらえるかは重要だ。社会や世界をほんの少しでも変えるだけのインパクトを与えることが最も有効なことだと思う。競技特性を考えると非常に難しいことだが、少なくとも議論を始めるべきだろう。そうでなければ、コロナ禍の中セーリングは少しずつ衰退するかもしれない。
 
学生ヨットが世界を変える瞬間はあるのだろうか。
 
ディンギー班主将 吉武宗浩
 
 
 
※ このブログはリレーブログの一環として書かれています。各々楽しいブログを書いていますので、他のブログもぜひお読みください。今回は4年天木の指定した「世界を変えた瞬間」というテーマでした。壮大すぎて非常に苦労しました。次回は4年野村が「世界が変わった瞬間」というテーマでお送りします。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
社会に向けた取り組みについてのお知らせです (柳が崎OB)
2020-07-25 15:40:35
はじめまして。
私は他大学のヨット部OBです。
現役の皆さんのブログを、いつも楽しみに拝見させていただいています。

「社会に向けた取り組みをしている大学は、私が知る限りは無い。」という文章に対してのお知らせです。
立命館大学では「チャレンジヨット」という企画を毎年開催しています。
詳細についてはリンク先をご確認ください。
http://www.ritsumei.ac.jp/sports-culture/sports/topics/detail/?id=428
http://www.ritsumei.ac.jp/sports-culture/sports/topics/detail/?id=157

コロナ下での活動、大変だと思いますが悔いの残らない学生生活を送ってください。
東京大学運動会ヨット部さんのご活躍を祈念しております。
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