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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「夢幻章伝」25

2015年04月03日 | 物語「夢幻章伝」

「まあ、あれだ」

タツキが云う。

「東一族の村って、割と外から襲われやすいから」
「実は意外に、魔術と武術が充実してる」

アマキが、言葉を継ぐ。

「最近、多いんだよ、この白いの」
「そうそう。うちの農作物を食い荒らして困ってる」

東のふたりが、いきなり戦闘モードだ。
アヅチ、かたれ!(TOBA地元の方言で、加われ、の意)

「え、ちょっ!」
「タツキはそっちだ」
「おうよ、アマキ!!」
「どっち!?」

きびきびと動くふたりを見て、アヅチは慌てる。

このままでは、・・・出番が!!

「何やってんのよ」
マツバが、アヅチに云う。
「早く、かたってきなさいよ」(TOBA地元の方言で、加われ、の意)
「云われなくてもっ」

アヅチは、アマキとタツキのあとを追う。
さらに、
そのあとを、マツバとへび呼ロイドも追う。

「あわ、わわわ、わ」
へび呼ロイドは、気が気じゃない。
「同僚ー!!」

ぎしゃぎしゃー!!(同僚の鳴き声)

へび呼ロイドの声は、同僚に届かない。

なんか、いかにも悪!な同僚たちは、東一族の畑の野菜を食い荒らす。

「お前ら、やめろー!」

アマキとタツキは、大きな網を取り出し、広げる。

「一網打尽だぜ、アマキ!」
「だな、タツキ!」

ふたりは、とっても手馴れている!

「ねえ、ちょっ、オイラたちの同僚どうする気!?」

アマキとタツキは、網の片方をそれぞれ持ち、二手に分かれる。
つまり
「網で、捕えると云うことね」
マツバはコーヒー牛乳を飲んだ。

「あわわわわわw」
「大丈夫だよ、へびさん!」
「俺たち東一族は、基本的には、生き物を殺さないからな」
「でも、畑が荒らされると困るので」
「村外追放!」
「あわわわわわw」

アマキとタツキは、うまいこと同僚たちを取り囲、



「兄さん!」
「南の兄さん!!」

「俺も、かててくれー!!」(TOBA地元の方言で、仲間に入れて、の意)

なんか、畑の真ん中にどーーんと、アヅチがいる。

「おわ、ちょっ!! 南の兄さん、そこにいたらっ!」

ネットIN。

「ふっ」
マツバは、気持ちよくコーヒー牛乳を空け、呟く。
「ベストポジションやるじゃない、アヅチ」
そして、空き瓶をごみ箱へ捨てる!

「兄さん、どいてー!」

アマキとタツキの勢いは、急には止まらない。

「ダメだ、タツキ!」
「仕方ないね、アマキ!」

らん、らんらら、らんらん♪

優しく

同僚とともに、アヅチは網に包まれる。

「兄さん、あとで迎えに行くから!!」
「止められなくて、ごめん!!」

アマキは、空中に陣を描く。

「ええい、吹き飛べぇー!」

東一族は、紋章術を使います。

「おわぁあああああああ!!」
「ぎしゃぎしゃー!!」

ぎしゃー!

ぎしゃ!

ぎしゃ

・・・・・・。

静かに、東一族の夜が更けていく。









「じゃ、」

「じゃ?」

「じゃなーーぁあああああいい!!」

夜中に、へび呼ロイドの叫び。

「へびさん、お静かに」
「じゃないよっ!」

へび呼ロイドは、キコキコする。

「オイラたちの同僚は!?」
「ここから東の砂漠へ、飛ばしたよ」
「アヅチは!!?」
「ご一緒に」

まあまあ、と、アマキがにっこりする。

「南の兄さんなら、すぐに迎えに行くから」

アマキは、インカムを取り出す。

どこの一族でもインカムは普及しているのか。

「おい。聞こえるか」
アマキは、インカム先と話す。
「聞こえてるんだったら、砂漠に行けよ」

「・・・それにしても」

マツバは、そこに、きりっ、と立っている。

「あんたら、やるわね」
「もちろんだよ、姉さん! でも」
タツキが云う。
「姉さん、動いてなくても、その存在感はんぱねぇ!!」
「当たり前よ」
マツバは、再度、きりっ、と云う。
「コーヒー牛乳はおいしくいただいたわ」
「毎度ありぃ!!」

とりあえず

今、誰かが、アヅチを迎えに云っております。



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