さて
砂先生だか砂のお兄さんだか
名まえを聞くのを忘れてしまったけれど
その人と別れてから、数時間。
ツイナとヨシノは
まだ、
砂一族の村の入り口だった!!
「え~」
「だってねぇ」
ちょいとしり込み?
「俺、少年じゃないもん」
「・・・・・・??」
「俺、青年だもん」
「平成だもん?」
「いや、青年・・・」
「整形!?」
その聞き間違いは、だいぶだぞ、ヨシノ!!
「まあ、確かに、平成も終わりよ」
ヨシノが云う。
「その「平成最後の」って、フレーズで、整形に臨もうと云うの!?」
「いや、ヨシノ、」
「私、ツイナを応援するわ!」
「ちがっ、違うよ、ヨシノぉお!!」
「えっ、違うの、ツイナ!?」
ヨシノは慌てるし、
そもそも、だいぶ違うし。
「違うの!? ごめんなさいね、ツイナ!」
「いや、うん。俺も発音が悪かったかな!?」
「そんなことないわ!」
ヨシノは、ヨシノなりのフォローをいれる。
「ほら、春ってちょっと気分が高揚すると云うか!」
「高揚っ!!?」
「その高揚で、不思議な世界に行っちゃうと云うか!」
「不思議な世界・・・」
「春は、宇宙人を見たって問い合わせも増えるらしいしねぇ」
「まさかの・・・」
「きっと私も高揚しちゃって、聞き間違ったんだわ、平成最後の整形!」
「ヨシノぉおおお」
ヨシノ憧れの聖地。
砂一族の地にて。
「許してくれる? ツイナ??」
この近さで。
「ヨシノぉ」
「ツイナ!」
近いっ!!
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「「誰っ!!?」」
「いやぁ、他一族さん、こんなところで何やっているの?」
もうひとり、大接近。
「はぁあ! あなた、砂一族ね!?」
「いや、ここ。砂一族だし」
突然現れた、砂一族の子。
見た目、ツイナと同じか、もう少し下か。
「よかったぁ!」
ヨシノは、少年を抱き込む。
「ぎゃぁあああああ!?」
「よかったわ、本当に!!」
「ぎゃあ! ぎゃぁああ!! 放してっ!!」
「私たち、砂一族の村に来たものの、砂に知り合いとかいなくって!」
「そうそう。立ち往生中」
「じゃあ、ここまで、いったいどうやって来たの!!?」
「それは、ね。ツイナ」
「砂のお兄さんだよ」
「誰、砂のお兄さん、誰!!」
やっと解放される少年。
「はああ。はぁああ。なんてこったい」
「うふふ。これで私たち知り合いね」
「ヨシノぉ!」
ヨシノの知り合い基準って一体。
「俺は、海一族のツイナ」
「私は山一族のヨシノよ」
「ああ、そう」
砂一族の少年は、なかなか、ヨシノの抱きしめから回復できない。
「なんか、整形とか聞こえたから来たら、こんな目に・・・」
「ふふ」
「まあまあ。少年よ」
ツイナが云う。
「とりあえず、砂一族の村を案内してもらってもいいかな?」
「砂の整形って、薬品かけて、だいぶ変形するけど」
「「整形はいいから!!」」
「違うの!?」
うーむ、と、砂の少年が考え、提案。
「そしたらどうだ!」
「何?」
「近しいところで、砂名物、理容に案内したげるぜ☆」
「「理容!!?」」
砂名物って、どゆこと。
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