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TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「水辺ノ夢」15

2013年09月24日 | 物語「水辺ノ夢」
圭は村に入る。

自分の家を通り過ぎ、村の奥へと進む。

朝早いが、狩りの翌日と言うことで
広場には人が集まっている。

「すみません、ウチの分の肉は」

その場を取り仕切る村人に尋ねる。

「あぁ、圭か。
 取り分けた肉は、あちらにまとめてあるよ」

村人は川辺を指さす。

そちらに歩き出す圭に、村人が声をかける。

「ばあさんによろしく伝えて置いてくれ」

川辺には広司が居る。
つまり、その獲物は広司が仕留めたと言うことになる。

「……ウチの分の肉は」

広司は何も答えない。
圭は積まれた肉を一塊掴む。

「ありがとうございます」

言う。
狩りで得たものは、等しく村人に分けられる。
その恩恵は分かっているつもりだ。

背を向けた圭に広司が言う。

「留守番、ごくろうさん」

皮肉だ。

「……っ」

圭は、足早に広場を去る。

家に帰るが、誰も居ない。
自分の部屋に行き、ベットに倒れ込む。
よく考えると昨晩は寝ていない。

「あぁ、そうだ、薬を貰いに行かないと」

そう呟きながらも、圭は深い眠りに落ちる。



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