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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」18

2017年09月15日 | 物語「約束の夜」

裏一族

と、名乗る者たちが襲ってくる。

相手は5人。
こちらは、ふたり。

見た目は北一族。
北一族式の魔法を使ってくるかもしれない。

満樹は、剣に触れる。

「満樹」
「何」

戒院が云う。

「何だっけ。こう、うちの掟的な」
「他一族の村では、武器と魔法を極力使わず」
「そうだったっけ?」
「お前、宗主様の尋問だぞ」
「判ってる。でも」
「でも?」
「極力、だもんな」
「・・・うん?」
「絶対使うな、じゃないよな」
「・・・戒院」

「満樹、剣を抜くなよ」

「お前ら何を話している!」
「北一族式魔術を見ておけ!!」

「いやいや、裏じゃないのかよ」

云いながら、戒院が構える。

「なら、魔法対決だな」

「東め、何を云う!」
「なめやがって!」

と、

目の前に陣が現れる。

「!!」
「!!?」

瞬間

発光。

月夜が、一瞬、光輝く。

「っつ!!」
「あぁああああ!?」
「目がっっ!!」

裏と名乗る者たちが、怯む。

視界を奪う、魔法。

「東一族式紋章術!」

彼らはよろける。

満樹が訊く。

「俺は何をすれば?」
「見てろって」
「転送術でも使うのか?」
「そんな高度な魔法は高位しか使えねぇよ」
「いや。お前も高位家系だろ」

もうひとつ、陣。

「次は、」
「・・・!!」

突然、矢が飛んでくる。
満樹と戒院はそれを避ける。

「危なっ!」
「よく見えてもないのに、矢なんか放つなよ!」
戒院は指を差す。
「俺に当たるだろ!!」
「戒院・・・」

満樹は息を吐く。

「相手にしてる暇はない」
云う。
「早いとこ捕えて、北の自警団に引き渡そう」

「満樹」

戒院は陣を張り直す。
満樹は、縄を持つ。

「行くぞ!」

戒院の紋章術発動。
合わせて、満樹は縄を放る。

「何だ?」
「何が、」
「!!?」

満樹の放った縄が、生き物のように動く。

「こう云う風に魔法と組合せるんだよ!」

戒院が手を動かす。
それと同時に、縄が大きく囲む。

「!!!」
「まさかっ」

そのまま

視界を奪われた裏一族と名乗る者たちを、取り押さえる。

「動けない!」

「よしよし、お前らそのまま動くなよ」

さあ、と、戒院は満樹を見る。
「早いとこ東に戻るか」
「そうだな」
「急いで帰らないと、明日の実習に間に合わないからな!」
「・・・あ、そう」



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