TOBA-BLOG

TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」88

2018年07月20日 | 物語「約束の夜」

「満樹。何してるのかなぁ」
「砂漠当番だよ」
「砂漠当番って何するのさ」
「砂漠で当番するんだよ~」
「それは、つまり?」
「給食当番は、給食だろう?」
「そうか~」

平行線の会話終了。

「じゃあ俺、鍛錬行くから」

東一族の村を一緒に歩いていた、ツイナと水樹。
水樹はじゃあ、と、手を上げる。

「大変だなぁ東一族は」
「えー、そんなことないよ」

ツイナの言葉に、水樹は首を傾げる。

「海一族だって一緒だろう、ほら」

水樹は思い出しながら云う。

「生焼けクッキーのやつ」
「先視か」
「それ」

水樹は頷く。

「その鍛錬とかと一緒だよ~」

先視の修行と云いたいらしい。

「先視は先視だし」
「鍛錬は鍛錬だし」

うんうん、とお互いに、謎の納得。

平行線の会話 パートII

「じゃあまたな!」
「ちょっと心細いなぁ・・・」

何だか、ツイナは不安になる。

「大丈夫だって! ・・・それとも」

にゅいーーんと、水樹。

「ツイナも来るか、鍛錬??」
「俺も鍛錬っ!」
「いや、ツイナは戦い向きじゃないのか?」
「そこは、大丈夫」

と、ツイナ。

「俺は海一族の兄さんに教わった体術にも割と自信がある!」
「へえ」
「はっきり云って先視より拳。いざと云うとき、ものを云うのは力」

あ、このセリフは

「力はパワー!!」

どこかでも聞いた。

「おお!」

水樹は拍手をする。
「エイゴが得意なんだな!」
そして、どこぞやの言語を口にする。

「だったら来いよ!」
「うーん・・・(行こうかな)」
「ジュースも出るぞ!」
「おお!」

水樹の言葉に、ツイナは目を輝かせる。

「熱中症対策、水分大事!」
「ふふふ。東一族はすごかろう」

なんだか、ツイナは水樹につられて、一緒に歩いている。

「ちょっとほら、ジュースには成分が入ってるけど」
「そうか! ・・・ん? 成分?」
「成分!」
「成分って、何の?」
「何って、毒の」
「毒?」
「うん。毒」
「・・・なぜに?」
「さあ?」

まさかの
おいしくいただいているだけの、水樹!!

対砂一族のためです!
体を毒に慣らしているんです!!

「すげぇええなぁああ、東一族!」
「すごかろう!!(2回目)」

「おい、水樹」

「はっ!!」

そこにいたのは、成院。

「成先生!」
水樹の体術の師。
「はじめまして~」

ツイナは、あいさつをする。

「うん。海一族の方」

頷き、成院は水樹に向く。

「しゃべりすぎだお前は!!」



NEXT

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。