全英連参加者のブログ

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ベルギーのウソニュース

2006-12-19 04:39:15 | 全英連参加者 2006

時事通信を引用する。


【ブリュッセル14日時事】
 ベルギーの公共放送RTBFが13日夜、北部のフラマン地域(オランダ語圏)が独立を宣言したとの架空ニュースを流し、大問題に。
 約30分後に「これはフィクション」と注意喚起する表示を出した。
 同地域には実際に独立を目指す動きもある。


 ベルギーは不思議な国である。この国は国王陛下をいただく王国である。でも、連邦国家でもある。ここまでは僕でも知っていた。
 ISHIBE Naotoさんという方(?)のウエブサイトに、「legislations linguistiques」というサブページがある。その中に同国の憲法がおさめられている。繰り返しになるが、この国は王国である。その王国の憲法なのに、国王の規定が第3章まで出てこない。。。ちょっと僕のような素人の考える王国・その憲法のイメージとは随分違う感じがする。王政の権力を抑えるために憲法が存在する(一番最初に制限を書くような気がするんだ)と言うのが、僕の認識なのだ。

 さて、あらためて、その憲法をじっくり読んでみた。相当複雑な国の有り様である。
 まず、この国には、「言語地域」という括りが存在する。これがもし日本ならば、都道府県、市町村の行政区分の「上」、または、「別」に、「国」との間に、「言語地域」があることになる。

 第1条
 ベルギーは、共同体と地域から成る連邦国家である。
 第2条
 ベルギー国は以下の3つの共同体から成る。すなわち、フランス語共同体、フラマン共同体、ドイツ語共同体である。
 第3条
 ベルギー国は以下の3つの地域からなる。すなわち、ワロン地域、フラマン地域、ブリュッセル地域である。
 第4条
 ベルギー国は以下の4つの言語地域からなる。すなわち、フランス語言語地域、オランダ語言語地域、首都ブリュッセル2言語併用地域、ドイツ語言語地域である。
 王国の各自治体は、これらの言語地域のいずれかに属する。
 4つの言語地域の境界は、各グループの多数が参加し、それらの2つの言語グループにおいて投票される賛成票の合計が有効投票数の3分の2に達することを条件として、各議院の各言語グループの過半数で可決された法律をもってのみ、変更または修正することが出来る。

 第4条の三番目の条文はちょっとわかりにくいけど、「言語地域」の変更がかなり大事なのは理解できる。

 共同体:使用言語の違う人々の集まり。
 地域:物理的な土地のこと。(で、いいのかな)
 使う言葉が違えば、思考も異なる。これは英語の先生ならば、常識といえる考え方だろう。そんな国で、独立とか言えば、やはり騒ぎになるだろう。

***** *****

 NHK臨時ニュース
 平成YY年MM月DD日
 大阪、兵庫両府県は共同して、日本国からの独立を宣言した。先に独立を宣言し、名称を琉球共和国とした沖縄県の動きに同調するものと思われる。。。

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 こんな感じかな。騒ぎになるよね。

 でも、何で12月15日なの?

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