8月12日、灼熱の京都左京区。「下鴨幽水荘」唯一のエアコンが動かなくなった。悪友・小津が昨夜リモコンを水没させたのだ。「私」が、映画サークル「みそぎ」のクールビューティー明石さんと対策を協議していると、モッサリした風貌の見知らぬ男子学生・田村が現れた。彼は25年後の未来からタイムマシンに乗ってやってきたという。そのとき「私」に天才的なひらめきが訪れた。このタイムマシンで昨日に戻って、壊れる前のリモコンを持ってくればいいじゃないか。しかし、小津たちが勝手気ままに昨日を改変、過去を書き換えていく。世界消滅の危機を予感した「私」は、慌てて止めに入るが-。
最初にこの作品を見つけたのは、「雨を告げる漂流団地」のエントリを書いていたとき。記事アップ後、何度か上映劇場を探しました。いつもの劇場では公開されていません。家から少々遠いけど、イオンシネマ川口で公開中... 3連休初日、自宅からバイクで出かけました。同劇場は初訪問です。
原作は未読、TV版の存在(2010年)も知らずに鑑賞です。8月12日とその前日という非常に幅の狭い時間を、タイムマシーンで行き来する。画面に出ている人物は12日の人か、11日の人か、考えながら鑑賞する。ちょっと大変でした。
。。。けど、かなり面白い作品です。
原作の一部分、「サマータイムマシン・ブルース」は舞台作品。後に映画化(’05年)もされています。知りませんでした。
詳細はこちらを読んでください。
「私」
京都の大学3回生。充実しない、なんとなくさえない学生生活をしている。明石さんが気になる。
明石さん
「私」の1年後輩。映画サークル「みそぎ」所属。なんだか浮き世離れしている。
この二人を中心に映画サークルの仲間たちが繰り広げるドタバタ劇。
過去の改変が、未来に及ぼす影響を回避するため、「私」と明石さんが悪戦苦闘する様子が面白い。台詞回しが早く、心地よい作品です。
未来人田村は、一体下宿メンバーの誰とつながりがあるのか。最後でちょっとヒントがあります。でも謎のまま終わりました。
公開劇場数がもう少し多ければと思える1本です。