雨でした。
採点でした。
草臥れました。
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「60分戦争」と呼ばれる最終戦争から数百年の時が過ぎ、わずかに残された人類は地を這う移動型の都市で、生活することを余儀なくされた。 巨大移動都市ロンドンは、都市同士が捕食しあう弱肉強食の荒れ果てた地でその支配を拡大させ、小さな都市を捕食することで成長を続けている。 |
直感は正しいか。
本作「移動都市/モータル・エンジン」の予告を見て、ブログに書いたのが昨年の8月末、ようやく見た。
都市という本来動かないものを動かすと、どんなものがたりの世界になるか。面白そうだと感じた。
都市が動く。
40年ほど前のアメリカの作家、ジェイムズ・ブリッシュによる「宇宙都市」を思い出した。同作は都市を「反重力・超光速推進・遮蔽作用」を兼ね備えた「スピンディジー航法」もちいて、都市が自らを岩盤ごと浮上させ宇宙船となるという、かなりぶっ飛んだ設定のものがたり。モータル・エンジンのロンドンは、荒れ果てた地上をゴロゴロ重低音を響かせ爆走する。その中でのものがたりである。
直感はやや外れた。
見まいと思いながら、公式サイトで公開の冒頭の数分間を見た。相当ワクワクものの作品である。劇場での印象も最初はあまり変化なし。「大都市」が「中小都市」を狩るという発想がすごい。狩る側と狩られる側、狩られる側は都市の最下層に組み込まれる。移動するロンドンには厳然と階級社会が存在している。このあたりは現実社会とあまり変わらない。
ウェブサイトで公開されていものからの期待感は、そこからあとにはあまり感じなかった。面白さをわかるには、原作必読かと思う。
配役がわからない。
まあ、これは仕方がないかな。
役者さん...知らない人ばかり。
人間関係がよくわからない。
ストーリーを追いかけるのが大変でした。
でも、この辺はそういう作品なんだと思えばいいかな。ただ、以下の点が最後までなんだかしっくりこなかった。
世界観の統一がちょっとおかしい。
都市が動く。それも化石燃料で。
ものがたり世界は資源を簒奪する世界と考えて見ていたので、何やら違和感を感じた。「ロンドン」対「ベルリン」とか「パリ」を期待していた僕がだめなのだが、ちゃんと動いている巨大都市で名前がはっきりしているのはロンドンだけなのだ。これは正直ガッカリした。
「風の谷」「天空の城」で見たような、空中浮遊都市。
おそらくジェット燃料を使っているようなフライングビークル(あえて飛行機とは言わない。)も出てくる。重火器撃ち放題、最終盤ではビーム兵器が登場する。それなりに資源も技術も存在する。ポスト・アポカリプスにしては、何か設定が散らかっている印象を、僕は受けた。
B級映画
かっちりしたSFとしてみるよりも、B級映画と考えると面白いかもしれない。
【追記】
B級の定義はあいまいだ。
本作は大予算の作品(Feature Film)である。本来の使い方だとB級とは言えない。でも、僕の感覚では、ものがたりの展開がA級と言い切れない場合、B級と感じる場合がある。そんな意味である。