全英連参加者のブログ

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平成29年度埼玉県公立高等学校入試 英語リスニングテスト分析

2017-08-14 04:00:00 | 教師の仕事 2017

 平成24年度から一本化された、埼玉県公立高等学校学力検査。平成29年度入試から、英語・数学で学校選択問題が実施である。ただし、英語のリスニング部分は共通である。
 今年も英語実音テスト問題の音源CDを借り受け、リスニングテストの分析を実施した。分析ポイントは、前年度問題形式との比較。変更の有無、wpm*の確認である。

***** *****

 3月2日(木)14時40分、英語学力検査の開始チャイムが鳴る。その数秒後「放送を聞いて答える問題」が始まる。この問題が終わらなければ、他の問題に手をつけることは、実質的に不可能である。今年度から、社会・理科2科目の試験時間が50分になったので、英語の試験開始が20分、前年度より遅くなっている。
 平成29年度入試も、試験は全部で7問、求められる解答数が11である。

 問題1から問題3
 会話を聞き、質問に対する答えとして最も適切なものを選ぶ問題である。四者択一、ヒントのイラスト、地図がついている。
 問題4と問題5
 それぞれ「ある場面」を説明する英文を聞き、質問に対する答えとして最も適切なものを選ぶ問題である。四者択一で、英文の答えが出ている。
 問題6
 中学生のEmiとALTのMr. Jonesとの会話を聞き、内容に関する三つの質問に日本語で解答する記述問題である。
 問題7
 中学生のYukaが英語の授業で行ったスピーチを聞き、その内容に関する質問の答えとして、最も適切なものを選ぶ問題である。四者択一問題で、英文の答えが出ている。

 基本的な構成は、昨年までと全く変更がない。

***** *****

 使用音源
 平成29年度 英語録音CD1枚

 計時使用機材
 WMPと一般的なCDプレーヤーを使用。
 計時はWindows 10のWMPによる。ストップウオッチも使用。
 ・・・毎年同じ作業である。

 分析手順
 ①語数とセンテンスの数をカウント。
 ②何度も聞き直し、各英文の時間を計測。
 ③問題~問題の間のポーズを計測。
 ④はじめから、「以上で問題は終わりです」までの実時間を計測。
 ⑤前年の数値と比較。

 ①から④は手作業(耳作業)である。
 ・・・ここも昨年と同じである。

+++++ +++++

 以下、音源CD構成と計時データ

 トラック1 音量調整のための放送
 試験当日朝に試聴のために用いる。
 (試験とは関係ない。)

 トラック2 無音
 トラック1をかけたままにしていると、注意される。
 (間違えて、問題を誤放送させない配慮。)

 トラック構成も昨年度と同じである。

 トラック3(0:27)
 0:00- 「放送を聞いて答える問題」のアナウンス。

 トラック4(1:14) 問題1
 0:01- 問題1から問題3の解答方法の説明
 0:25 問題1放送 1回目
 0:40 問題1放送 1回目終了
 0:42-45 問題1 Question1回目
 0:50 問題1放送 2回目
 1:05 問題1放送 2回目終了
 1:07-10 問題1 Question2回目
 問題1は、AとB(AndyとKumi)の会話である。A→Bが2回。15秒で話者2、総語数40語である。
 このペースで会話が続いたとすると、15秒は1分の25.0%なので、40を0.25で割る。
 160wpmとする。(157)
 カッコ内は、H.28データである。以下同じ。

 トラック5(1:04) 問題2
 0:02 問題2放送 1回目
 0:23 問題2放送 1回目終了
 0:25-29 問題2 Question1回目
 0:33 問題2放送 2回目
 0:54 問題2放送 2回目終了
 0:56-1:00 問題2 Question2回目
 問題2も、AとB(MaryとTakashi)の会話である。A→Bが2回。MaryがTakashiに将来の希望を尋ねるもの。21秒で話者2、総語数57語。
 このペースで会話が続いたとすると、21秒は1分の35.0%なので、57を0.35で割る。
 163wpm(171)

 トラック6(1:06) 問題3
 0:02 問題3放送 1回目
 0:24 問題3放送 1回目終了
 0:26-30 問題3 Question1回目
 0:34 問題3放送 2回目
 0:56 問題3放送 2回目終了
 0:58-1:02 問題3 Question2回目
 問題3も、AとBの会話。A→Bの回数も同じ。鉄道の乗りかえについての会話である。22秒で話者2、総語数53語。
 このペースで会話が続いたとすると、22秒は1分の36.6%なので、53を0.36で割る。
 145wpm(160)

 トラック7(1:10) 問題4
 0:01 問題4と問題5の解答方法の説明
 0:22 説明終了
 0:26 問題4放送 1回目
 0:38 問題4放送 1回目終了
 0:40-43 問題4 Question1回目
 0:49 問題4放送 2回目
 1:01 問題4放送 2回目終了
 1:03-06 問題1 Question2回目
 この問題は「ある場面」についての説明文を聞き、それについて解答を求めるものである。12秒で話者1、総語数50語、センテンス数4。
 このペースで発話が続いたとすると、12秒は1分の20.0%なので、27を0.2で割る。
 135wpm(176)

 トラック8(0:43) 問題5
 0:02 問題5放送 1回目
 0:12 問題5放送 1回目終了
 0:14-17 問題5 Question1回目
 0:23 問題5放送 2回目
 0:33 問題5放送 2回目終了
 0:35-38 問題2 Question2回目
 問題5も問題4と同じパターン。10秒で話者1、総語数28語、センテンス数3。
 このペースで発話が続いたとすると、10秒は1分の16.6%なので、28を0.16で割る。
 168wpm(160)

 トラック9(2:30) 問題6
 0:01 問題6の解答方法の説明
 0:14 説明終了
 0:16 問題6放送 1回目
 1:13 問題6放送 1回目終了
 1:21 問題6放送 2回目
 2:18 問題6放送 2回目終了
 問題6は、最初の方にも書いたとおり、中学生のEmiとALTのMr. Jonesの会話である。57秒。総語数141語、センテンス数25。会話のやりとりが12回である。Mr. Jones→Emiが6回である。
 このペースで会話が続いたとすると、57秒は1分の95%なので、141を0.95で割る。
 148wpm(148)

 なお、トラックの長さは2:30だが、録音は2:18で終わっている。最後の問題までの間10秒ちょっと空白になる。

 トラック10(4:34) 問題7
 0:01 問題7の解答方法の説明
 0:20 説明終了
 0:22 問題7放送 1回目
 1:41 問題7放送 1回目終了
 1:44-49 Question 1
 1:57-03 Question 2
 2:11-17 Question 3
 2:24 問題7放送 2回目
 3:43 問題7放送 2回目終了
 3:46-51 Question 1
 4:00-05 Question 2
 4:13-18 Question 3
 問題7は、中学生のYukaがおこなったスピーチについての問題。内容について答える問題である。79秒で話者1、総語数209語、センテンス数18。
 このペースでスピーチが続いたとすると、79秒は1分の131%なので、209を1.31で割る。
 159wpm(146)

 なお、問題7(トラック10)の4:26のところで、「放送を聞いて答える問題」の終了が告げられる。午後2時40分の英語試験開始のチャイムから、ここまでが12分半。残り試験時間が37分程度。
 リスニングテストの配点は100点満点中28点である。

+++++ +++++

 WPM比較

Questions   H27 H28 H29  
1 words   59 44 40  
seconds   23 17 15  
wpm 164 153 155 160
2 words   41 57 57  
seconds   15 20 21  
wpm 145 164 171 163
3 words   50 48 53  
seconds   20 18 22  
wpm 136 150 160 145
4 words   26 50 27  
seconds   10 17 12  
wpm 161 156 176 135
5 words   32 32 28  
seconds   12 12 10  
wpm 151 160 160 168
6 words   158 158 141  
sentences   26 30 25  
seconds   60 64 57  
wpm 155 158 148 148 ±0
7 words   175 195 209  
sentences   19 18 18  
seconds   72 80 79  
wpm 153 145 146 159

 words:語数
 sentences:文の数
 seconds:英語の流れた時間(単位:秒)
 wpm:1分間でどのくらいの語数を聞き取ることになるか。

     は、平成24年度~平成26年度3年間の平均値である。
     は、平成28年度との比較。△は数値が増加したもの、▼はその逆である。

 平成28年度との比較は以下の通り。

 問題1:難化
 問題2:易化
 問題3: 〃
 問題4: 〃
 問題5: 〃
 問題6:変化なし。
 問題7:難化

+++++ +++++

 なお、問題、正答、データ分析は、埼玉県総合教育センターウェブサイトで公開されている。

 http://www.center.spec.ed.jp/ (新しいウインドで開きます。)
 (メニューの「入試情報・説明会案内」から)
 ・平成27年度~平成29年度の問題を公開中である。

 今年も分析をするために、東京新聞ウェブサイトの『首都圏公立高校入試特集ページ』を参考にした。問題を見るのならば、このサイトを利用するといい。関東地方の公立高校入試問題を、PDFでアップロードしている非常によくできたサイトである。毎年使わせてもらっている。特記する。
 アドレスはこちら。(新しいウインドで開きます。)
 http://www.tokyo-np.co.jp/k-shiken/index.html

 昨年のエントリはこちらです。
 2016-08-06
 「平成28年度埼玉県公立高等学校入試 英語リスニングテスト分析

 *このエントリにおけるwpmの出し方(考え方)については、以下を参照されたい。
 2010-03-11
 「wpm


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