全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

特殊指定解除

2006-06-10 07:27:23 | 気になる 教育行政

 3日の各ウェブサイトのニュースで、新聞の特殊指定のことが取り上げられていた。新聞の特殊指定はそのまま堅持されることになったようだ。
 産経新聞(SANKEI Web)によれば、新聞販売の特殊指定は、『新聞の地域別定価や値引きを禁じ、独占禁止法の適用を除外する制度。新聞社が販売店に小売価格を指定できる再販制度とともに、新聞の宅配制度などを支える根拠になっている。』とのこと。
 しかし、以前取り上げた出版業者による過剰な売り込みなどを禁止した教科書の特殊指定(2006.03.31)は、廃止することになったようだ。いろいろネットでニュースをチェックしてみた。教科書の特殊指定は9月1日撤廃ということらしい。
 共同通信は、教育関係者らが、『販売競争が激化し、中小業者の経営が悪化して教科書の多様性が失われる。』と反対したと伝えていた。公正取引委員会としては、『独禁法の一般の規定で過剰な売り込みなどを規制することが可能』と判断したようだが、本当だろうか。

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 過剰な売り込みを規制と言うが、普通に売り込みができない教科書会社の方が多いという事実に、目をつぶったとしか僕には思えない。
 経済性・自由競争のみを追求すれば、たくさん買ってくれる大規模校にしか多くの種類のサンプルが来なくなるのは分かり切ったことだ。今でこそ改善されたが、以前は定時制高校の修学旅行の場合、参加人数で団体扱いがされなかった時代もあった。経済性=人数である。経済性の追求は大事だが、極端に走らないと思っていると、間違えることになる。このままいけば、定時制学校は教科書会社の営業が、現状よりさらに来なくなることは間違いない。サンプルも来なくなる。。。
 マイナー(失礼だけど)出版社でもいいものはいいが、それが僕たち教師のところに届かなくなればどうなるか。生徒の学習に少しでも資するものを選ぶという行為に影響を与え、結果、生徒の学習に影響がでてしまう。教科書のバラエティーの多さは完全な自由競争では保証できないと思う。
 競争に参加できないものの存在を結果として抹殺してしまう。
 本当にいいのだろうか。


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