彦四郎の中国生活

中国滞在記

パリ五輪、日本代表6選手が内定、世界卓球選手権を終え日本代表は男女ともパリ切符を得た―立ちはだかる王者・中国は危機感をもつ

2024-03-02 14:17:54 | 滞在記

 今年(2024年)の7/26-8/11開催予定のフランス「パリ五輪(オリンピック)」での卓球日本代表選手(内定)が、2月5日に発表された。男子卓球は、張本智和・戸上隼輔・篠塚大登の3人。補欠(リザーブ)には、田中佑汰・松島輝空。女子卓球は、早田ひな・平野美宇・張本美和の3人。補欠(リザーブ)には、伊藤美誠・木原美悠。これらの日本代表10人(内定者)は、2月16日から韓国の釜山(プサン)で開催された2024年世界卓球大会(2/16-2/25)に出場することとなった。

 この世界卓球大会は、パリ五輪の出場国(15か国)を決める大会ともなっているため、連日、激しい戦いが行われた。五輪に出場できる15か国の枠は次のようになっていた。①大陸枠6(アフリカ1・アジア1・ヨーロッパ1・オセアニア1・南北アメリカ1)、②世界卓球大会[団体戦]枠8(ベスト8・準々決勝進出の上位8か国)、③、ベスト8まで勝ち上がった国で、すでに大陸枠で出場権を得ている国がある場合、この世界卓球大会終了時点でまだ出場権を得ていない国の中で、世界ランキングがより上位の国が出場権を得ることができる。(※中国などは、アジアランキングNO1となり大陸枠での五輪枠をすでに世界卓球大会前に得ていた。)

 2月22日付朝日新聞には、「団体 男女ともパリ切符—成長の張本美 その先へ/引っ張る張本智 雪辱中国戦へ」の見出し記事。男女ともに21日にベスト8進出が決定し、パリ五輪の出場権を獲得した。そして22日には、男子は準々決勝で中国と対戦し3:0で敗れた。翌日23日付朝日新聞には、「団体女子4強 メダル確定—張本智 危機感も自信も 中国戦完敗でも成長実感」の見出し記事。

 中国との準々決勝に臨んだ男子の1試合目、日本の松島輝空は世界ランキング1位の中国のエース・樊振東と対戦。1セット目を先制したが、1:3で敗れた。日本のインターネットには「中国の世界1位に脅威を与えた 16歳 松島輝空 中国メディア驚愕 (中国の)コーチ・卓球協会主席も冷や汗」の見出し記事が掲載されていた。2試合目、張本は中国の王楚歌に1:3で敗れた。3試合目、篠塚は馬龍に1:3で敗れた。(決勝トーナメントの試合組み合わせ抽選会で、日本の監督は、4つあるブロックのうち中国と同じブロックを引き当てたため、準々決勝で、早々に中国との対戦となった。)

 また、この大会に選手として出場していた伊藤美誠。張本美和に試合中のアドバイスを積極的に行うなどの姿も印象的だった。パリ五輪でもリザーブとして出場してほしいが、本人は「私はリザーブには向いていない」と、パリ五輪出場はならない可能性が大きいようだ。

 中国男子は、世界ランキング1位のエース・樊振東、世界ランク2位の王楚歌、世界ランク3位の馬龍などが圧倒的な強さを印象づけた2024年世界卓球大会となった。5か月後のパリ五輪で日本男子はどれだけ中国男子に迫れるだろうか。(※2年前の2022年世界卓球大会[中国の成都市で開催]で、当時18歳の張本は、中国の樊振東と王楚歌を立て続けに破り、中国のみならず世界に大きな衝撃を与えた。)

 2024年世界卓球大会の決勝は日本と中国との戦いとなった。1試合目は張本は孫穎莎に0:3で敗れたが、2試合目は早田は陳夢(世界ランク2位)に3:1で勝利。3試合目も平野は王芸迪(世界ランク3位)に3:0で勝利、王手に迫ったが、4試合目は早田は孫に0:3で敗れ、5試合目も張本は陳に1:3で敗れた。中国のエース孫穎莎(世界ランク1位)はやはり強かった。

■2022年の世界卓球大会での張本智和の活躍により、中国国内では彼の両親(※もともとは中国籍のプロ卓球選手/日本に帰化)への注目も高まった。今回の世界大会では、妹の美和(15歳・中学3年)も日本代表として出場しているため、改めてこの張本親子に日本国内でも注目が高まりそうだ。(次回ブログでこのこも書きたいと思っています。)

 

 


中国に渡航 —寒い寒い今年の中国南部、アパートそばの1本の寒緋桜(カンヒザクラ)は満開になっていた

2024-03-02 08:17:44 | 滞在記

 2月19日、今年の二十四節気では「雨水(うすい)」(陽気がよくなり、雪や氷が溶けて水になり、雪が雨になる。)が始まる日。2週間余りの「雨水」の季節は、寒暖の日々が繰り返され、3月5日の「啓蟄(けいちつ)」(冬ごもりしていた地中の虫がはい出してくる。)始まりの日に向かう。

 中国に戻る5日ほど前の2月20日、この日は暖かく陽気がいい日だったので、自宅近くの水田や畑のあるところに散歩に行ってみることにした。(※よく散歩に行くところだが、足腰の痛みのためこの半年ほとんど行けなかった。しかし、痛みもかなり緩和されてきているので、少し休み休みだが歩いて行くことができるように回復もしてきているのは嬉しい。)

  菜の花畑で仕事をしてる人に、「生け花にしたいので2~3本もらえませんか」と声をかけると、「ああ、ええですよ。もうしばらくしたら全部刈ろうと思ってるんですわ。いくらでも持って行ってください」と言ってくれた。畑地を廻る。水仙、琉球キンパイの黄色い花、春の訪れを告げてくれるホトケノザ・オオイヌノフグリ・ナズナ・タンポポなどの花々が野に咲き始めた雨水の季節。

 見事な紅梅が満開になっている。白梅のそばには八朔(はっさく)の木の黄色い実がこの季節まで見られる。

 2月22日、久しぶりの孫たちの顔を見るために、京阪電車の出町柳駅に降り立つ。駅のほんそばの寺、早咲きの桜の蕾(つぼみ)が紅色に膨らみ始めていた。もうすぐ開花しそうだ。例年3月中旬には満開となる二種類の桜がここにはある。一つは「寒緋桜(カンヒザクラ)」。この桜は、2月中旬から下旬には、沖縄では見ごろを迎える早咲きの桜。別名は「琉球寒緋桜」「緋寒桜(ヒカンザクラ)」とも呼ばれる。花は直径が1.5cmほどの楕円形で、濃い紅色が特徴。

 もう一つの桜は「阿亀(おかめ)桜」という可愛い小さな花を咲かせる早咲きの桜。日本には600種類以上の桜が咲くと言われているが、早咲きの「河津(かわつ)桜」や「おかめ桜」などは、寒緋桜群と呼ばれる16種の桜の群種に入るそうだ。

 2月23日、かって京都府の学校の教員をしていた頃の教え子と二十数年ぶりに会うこととなった。二十数年間、毎年、欠かさずに年賀状を送ってくれる沖野君は、今は福岡市のバス会社に就職し運転手として主に郊外を走っているようだ。2月25日の大阪マラソンに一般参加として走るらしい。

 京都の四条大橋そばの南座前で待ち合わせをすることになったのだが、なにせ二十数年ぶりなのでお互いがわかるかどうか?でも、南座に行ってすぐに分かった。顔に面影(おもかげ)があるのだ。この日は満月、祇園白川石畳通りの🏮赤提灯居酒屋「侘助(わびすけ)」にて乾杯、その後に先斗町の「みちのく」へ。午後9時頃に沖野君は大阪行きの電車に乗り、お互いに別れを告げた。この日、「侘助」の前から東を見ると、東山三十六峰にかかる月が満月🌕だった。

 中国に戻る前日の24日、京都市内の丸善書店に行き、中国に持っていく文庫本などを数冊買った。近くの三条大橋たもとの二本の河津桜が三分咲きとなっていて、メジロが二羽、花の蜜を求めて飛び回っていた。

 2月25日、この日の日本はまだ寒い一日。関西国際空港から午後、中国福建省福州長楽国際空港行の直行便(厦門航空)に乗る。3時間30分ほどで中国に到着。沖縄県の那覇市と同じ緯度にある亜熱帯地方の福州市だが、今年の2月下旬は日本と同じくらい寒い。例年なら、2月中旬頃には日本の京都の4月上旬頃の気温になっているのだが‥。福州の人たちは、生まれてこのかたこの福州で雪が降るのを見たこともないようだ。でも、今年の1月22日には、薄っすらと積雪があり、福州の人たちは驚いたようだ。

 亜熱帯の中国南部の福建省がなぜ今年の冬は、観測史上に例がないほどの寒さなのか。それは、偏西風の蛇行が原因している。偏西風の北側の地方は寒冷、南側は温暖なのだが、今年はU字形に偏西風が中国の南方近くまで蛇行しているため、雪も降ったようだ。25日の夕暮れ頃に中国のアパートに戻る。亜熱帯地方なので灯油ストーブなどの暖房器具は市内でも売っておらず、エアコン設備も部屋を暖房する機能はない。ただあるのは、足元だけを暖める小さな電気ストーブ器具だけ。

 25日から今日の3月2日までの1週間余り、毎日の気温は12度〜6度。日本のホカホカカイロとマフラーと分厚い靴下で寒さをしのぐこの1週間。だけど、来週月曜日(3月4日)の天気予報は、いきなり最高気温30度の真夏日になるとの予報。

 中国に戻った翌日の26日の朝、アパートの部屋のある棟の近くの1本の寒緋桜が満開となっていた。寒緋桜は、中国南部や台湾が原産の桜で、沖縄にも人の手によって苗木が伝えられた。中国南部・台湾・沖縄では例年1月末から2月初めころに開花し、2月中旬頃に満開となる。今年の福州の冬はとても寒いので、半月遅れくらいで満開を迎えたようだ。この寒緋桜は、中国名は「鐘花櫻花」(釣鐘のように下向きに花が開花する桜の意味か)、台湾では「山櫻花」と呼ばれている。

 花言葉の「あでやかな美人」は、華やかで美しいその花姿がイメージされてつけられたのだろう。うつむいて控え目に咲くが、遠くから見ても濃い紅色がよく目立つ花を、満開時に下から見上げると豪華に咲き誇るようすを見ると、「あでやかな美人」という花言葉がうなずける。

 ここ1週間余り、氷雨(ひさめ)もよく降り続いたので、昨日には花もほとんど散っていた。今週の水曜日(2月28日)から大学の新学期(後期)の授業が始まった。3月5日には啓蟄の季節が始まり、3月20日に昼と夜の時間が等しくなる春分を迎えることとなる。