彦四郎の中国生活

中国滞在記

貧富格差の大きい中国で生きる―②「露店のさまざまな小商いで収入を得る人々」―

2015-02-05 16:28:16 | 滞在記

 上の写真➡左から①風船売り②サトウキビ売り➂上からシャボン玉がでてくる帽子を売る若者④都市部と農村部の収入比較グラフ

 ここ15年余りで貧困率が激減した中国。都市部と農村部の人々の収入は、それぞれが増加してきた。しかし、農村部の増加に比べて都市部の増加がかなり大きいため、地域的な格差は広がる一方だ。そして、都市の中での経済格差(貧富の差)も顕著な中国。

 上の写真➡左から①②図形や模様の描ける定規売り➂靴下を売る④たった数点だけを売る女性

 上の写真➡左から①靴売り②亀売り➂自家製の紅酒売り④魚売り

 日本では、4人家族の場合、世帯年収が2万ドル(約205万円)以下の場合が貧困収入家庭と言われる。その割合は15.7%である。また、世帯年収入が2500万円以上で金融資産が1億円以上ある家庭が「富裕家庭」と言われる。その家庭数は124万世帯(約4%)である。そして、日本人全体の平均年収は412万円とも発表されている。(年収400万円以下が6割)
 一方中国では、世界銀行の発表では約30%、中国政府の発表では約10%が「貧困層」となっている。中国における「超富裕層」の定義は、世帯年収が200万元以上(3600万円以上)ある世帯を指し、多くの資産を有している。その数は400万世帯(1.3%)あるとされ、この400万世帯が富の5割(50%)を持っている社会である。そして、その「超富裕層」の世帯主は若い年齢層である45才以下が80%を占める。

 上の写真➡左から①②➂「野生の蜂の巣と蜂蜜売り」(※蜂蜜は固まって氷砂糖のようになっている。小片を試食してみたら、濃厚で柔らかい氷砂糖のようだった。)④衣服売り

 中国の「都市部と農村部」の経済格差は大きいが、「沿海部と内陸部」の一人当たりの平均年収は次のようになっている。(2010年の資料なので現在はやや増加していると思われる。)  沿海部➡ [●北京市4.5万元●上海市5.0万元●浙江省3万元●江蘇省2.8万元●福建省1.8万元●広東省2.5万元など]   内陸部では、最も年収の低い省が貴州省で、5千元となっていて、上海市の10分の1となる。(※沿海部の平均年収は、一人当たり2.6万元(約50万円)。内陸部の平均年収は、一人当たり1万元(約20万円)となっている。

 上の写真➡左から①②「鳩売り」(食用)➂「鳩の卵売り」④ニワトリ売り

 上の写真➡左から①毛染め薬売り(実演)②「露店歯科屋」(簡単な虫歯治療や抜歯、さし歯、入れ歯治療をする)➂耳垢除去屋④犬の販売

 中国福建省福州市(約700万人)で1年以上生活して、都市部での月収について、私なりの実感として感じることは、次のようになる。
 ①~1000元(貧困層) ②1000元~2000元(農村部からの出稼ぎ農民工)
➂1800元~3000元(大卒の初任給) ④3000元~4000元(結婚しているサラリーマンとしては、これくらいないと厳しい)
⑤5000元~3万元(会社や店などの経営者) ⑥3万元~10万元(富裕層) ⑦10万元以上(超富裕層)
※中国と日本では、金額にすると4倍以上の月収格差がある。しかし、物価水準が かなり違う。基本的な生活必需品である食料は、中国は日本に比べると非常に安い。また、交通関係も安い。[タクシー初乗り10元(180円)・新幹線➡1時間の距離で50元(900円)]
しかし、電気製品や携帯電話などはかなり高い。ユニクロの製品は、中国で買う方が高い。住宅の購入は、超超超超超高い。(100万元以上(1800万円以上)から。自動車(大衆車)は10万元(180万円)平均なので、超超高い買い物だ。日本人の感覚としては600万円以上の自動車を買った感覚になる。大学の昼食は7元(126円)で十分食べれる。コカ・コーラのボトルは3元(54円)。

上の写真➡左より①②➂強い酒に蛇やサソリや亀を入れて熟成させた薬酒(患部に塗る)を売る女性④珊瑚(さんご)売り[小笠原諸島の珊瑚不法収奪の漁船は、ほとんど福建省の港から出航している。]

  世界各国のGDP(国民総生産額)では、数年前に日本を抜いて世界第二位となった。現在では、さらに日本との差を拡大している。順位は次のようになっている。1位アメリカ(167兆円)、2位中国(95兆円)、3位日本(49兆円)、4位ドイツ(36兆円)、5位フランス(28兆円)、6位イギリス(25兆円)、7位ブラジル(22兆円)、8位ロシア(21兆円)、9位イタリア(20兆円)、10位インド(19兆円)、----、14位韓国----27位台湾----39位香港--。
  日中を比較すると、中国は日本の2倍近いGDPとなった。しかし、国民一人当たりのGDP比較をすると、日本は中国の5倍以上となっている。

 上の写真➡左より①②ウイグル族の羊の肉売り➂「仏像拝ませ屋」(仏像を見せたり拝ませたりしてお金をもらう)④お坊さんが、干支などについて説明し、お布施をもらう。

 現在2000あまりある中国の大学。2000年と比較すると学生の数は7倍ちかくになっている。(1回生~4回生400万人➡3000万人) 大学への進学率は26%。大学の大衆化が始まっている。
 大学生にかかる費用は、次の通りである。①年間の学費は、4500元(8万円)ほど。②年間の寮費は、1000元(1万8千円)ほど。➂月の生活費用(食費・娯楽交際費・書籍代・交通費・携帯代など)➡これは家庭の経済状況によって大きく異なる。500元~2000元ぐらいか。平均的には700元~1000元程度かな。※中国では、日本のようにアルバイトの求人が少ないので、日常的にアルバイトをする学生は少ない。最も割の良いアルバイトは家庭教師。学生が1年間に必要とするお金は、学費・寮費・生活費を合わせて「1万5千元(27万円)」程度かな。これは、沿海部の一人当たりの平均年収2万6千元からすると、かなりの高額負担になる。

 上の写真➡左より①モンゴル・チベット族の衣服売り②「永久に歯が白くなる。」という薬品を売る➂万能ガラス切りカッターを売る④メジロなどの鳥を売る

 少しでも、貧困層や低所得者層から抜け出すために、いろいろな仕事をしている人が多く見られる中国。朝の仕事、昼の仕事、夜の仕事と一日3種類の仕事をこなす人も少なくない。また、平日と土日の違った仕事をやっている人も多いようだ。このような露店の仕事をしている人達は、これだけでは食べていけないので、きっと違う仕事もしているのだろうと思う。子供の大学生活費用を少しでも作るために「小商い」に精出している人もいるのだろうな。