浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ピエルネの自演「シダリーズと牧羊神」

2007年06月17日 | 自作自演
ドビュッシー、サティーと同時代に生まれ、独自の世界を築いたピエルネの最も有名な作品はやはり「シダリーズと牧羊神」組曲だらう。舞姫シダリーズと牧羊神スティラクスの夜這いのお話だ。今日は、その自作自演盤を取り出してきた。

昨日聴いたシャルパンティエとは同門に当たるが、作風は全く異なる。といふよりも、ピエルネの方が知性的で、浪漫派と印象派の双方の良さを持ち合わせてゐるやうに聴こえる。ここがピエルネの親しみやすさの理由の一つだと思ふ。

舞姫シダリーズの官能的な踊りは、まるでフォーレをエロティックに衣替えしたやうな美しさに満ちてゐる。オーケストレーションは、さすがに大指揮者だっただけあり、洗練された独特の味わいがある。

コンセール・コロンヌ管絃團を一糸乱れぬアンサンブルで統率してゐるのが、作者自身なのだからたいしたものだ。指揮、作曲ともにこれほどの才能と技量を持ち合わせた音楽家はそうは居ない。その割には歴史的評価は低すぎると僕は密かに思ってゐる。今後もピエルネについては紹介していこうと思ふ。

盤は、仏蘭西Malibran MusicによるSP復刻CD CDRG140-CD2。


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