浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

エトキヌーヴナのショパン

2008年10月05日 | 洋琴弾き
ショパンコンクールに関しては、数々の功罪が述べられ、今までにも毎回のやうにトラブル続きで、その信憑性を疑う声が大きいのだが、お馬鹿な運営側は5年前のことを忘れてしまふ為、同じ過ちを繰り返してきたのだらう。しかし、1927年に開催された第1回ショパンコンクールにはミハウォフスキが審査員として席に着き、シュピナルスキーやエトキヌーヴナなどが入賞者に名を連ねてゐる。

シュピナルスキーについては別の機会に触れることにして、オボーリン、シュピナルスキーに次いで第何位かは知らないし興味も無いが、エトキヌーヴナといふ素晴らしい洋琴弾きが入賞してゐたはずだ。この人の夜想曲作品15-2とマズルカ作品50-3がなかなかいい演奏なので取り上げようと思ふ。

分散和音の崩し方や装飾的なフレーズの差込方や間の取り方は今風のとはずいぶんと異なり、僕の期待する音楽運びになってゐる。前回のジルの演奏のやうな奇跡的な驚きは無いにしても、これは忘れ去られるにはもったいないレコヲドである。

おそらくSP盤や波蘭の図書館ぐらいに眠ったままになってゐるであらうこれらのレコヲドや放送用録音等を、是非、復活させてほしいものだ。入手経路不明のオープンリール(恐らくはMUZAの復刻LP盤)の中にこの2曲が収められてゐたものを焼き直して聴いてゐるが、その前後にもショパンのワルツなどが無造作に入ってゐて、誰の演奏かも分からない。これらのレコヲドも実に素晴らしい演奏なのだが、エトキヌーヴナのものかどうかも今となっては確かめやうが無い。

盤は、私家版CDR 765-0029PF。


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