Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

最強のふたり

2012-10-01 16:26:10 | 映画
今回は映画「最強のふたり」について。

この映画、フランス映画だということを知らなくて(笑)、ポスターだけを見て、観にいくことを決めました(笑)。内容も気になるし(笑)。

ここで内容を・・・



不慮の事故で全身麻痺(まひ)になってしまった大富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、新しい介護者を探していた。スラム出身の黒人青年ドリス(オマール・シー)は生活保護の申請に必要な不採用通知を目当てに面接にきた不届き者だったが、フィリップは彼を採用することに。すべてが異なる二人はぶつかり合いながらも、次第に友情をはぐくんでいき……。


と書いてあります(笑)。

映画を観終わって、楽しかったけど、切なくて、だけど、心が温まるという感想が残りました。

最後にこの物語のモデルになった二人が登場するのですが、本当は黒人ではなくアラブ系なんですよね。ここで黒人に変えたことで、「人種差別の映画」という感想を書いている人を見ました。本当のところは僕はよくわかりません。どういう意図で黒人に変えたのかは。ですが、黒人にすることで、パリに住む黒人や白人以外の人種の人たちがどんな生活をしているかということが、よくわかるようになっていると感じました。ドリスは典型的なまったく裕福ではない黒人の家庭で育ち、弟はギャングに足を踏み入れそうになるし。こういう問題提起もあるような気がしました。にしても、ドリスはすごくいい青年として描かれます。ここもさわやかで僕は好感がもてました。

フィリップも典型的な金持ちで、事故がなければきっと裕福な人たちとだけ接点をもって生きていくことになったのでしょうが、ドリスと出会って、アースウインドアンドファイアーの曲で踊ったり、買い物に行ったり、それはカルチャーショックの連続で、これだから人生は面白いと思わせる演出です。体は不自由になったけど、その分刺激的な人生になったと思えるのです。でも、これは大富豪だからなんですけどね(笑)。普通の人はあんなケアをしてもらえないですよ(笑)。

ブラックなユーモアもあったり、考えさせられるセリフやシーンもあったりで、なかなか見ごたえがあって、おもしろいです。ドリスが好きになる、フィリップの秘書が実はレズだとわかるところもとってもおもしろいです(笑)。

DVDでも良いので、ごらんになってもらいたい作品です。