Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

ツリーオブライフ

2011-08-18 17:07:54 | 映画


今回は映画「ツリーオブライフ」について。監督はテレンスマリック。ブラッドピットとショーンペンが出演。カンヌでパルムドールを受賞、とくれば観たくなりますよね。予告編でも雰囲気のある映画だなって思ってました。


ここで内容を・・・

1950年代、オブライエン夫妻は3人の息子にも恵まれ、テキサスの小さな町で満ち足りた生活を送っていた。一家の大黒柱の父親(ブラッド・ピット)は西部男らしく子どもたちに厳しく接し、逆に母親(ジェシカ・チャステイン)がすべての愛情を彼らに注ぎ込んでいた。一見幸福そうに見える家族の中で、長男ジャックは孤独を感じ……。

と、なっております(笑)

でも、観終わってみると、きっと皆さんが想像している映画とは全く違う映画だと思います。すごく退屈で、まったくおもしろくないっていう方達の方が多いかもしれません。

この映画は「映画」として観るというより、美術館で「絵画」を見るという感じに近いと思います。すごくはっきりしたストーリがあるわけではなく、心象風景、地球の成り立ち、宇宙、そういったことがストーリー以外で重要な役目を果たしている映画です。宗教観も大切な要素ですが、キリスト教だけではなく、もっと大きな意味での人間の存在というものを感じてみたいという監督の大きな挑戦という感じがすごくしました。

「命の木・ツリーオブライフ」という絵画を見る、そして、そこには人間も含まれるということを感じてもらいたいっていうことなのかなと思いました。

どんなに良い行いをしていたとしても、理不尽な災害には巻き込まれるし、自分のやりたいことだけをしたくてもうまくできないこともあります。でもこれは人間も地球の中の命の一つにすぎないと考えることで、それを受け入れながら、今できる最善のことをおこなって、また命をつないでいく。これが、地球の命なのだと言っているように感じました。

基本的に、美術館で絵画をごらんになることがお好きな方であれば、この映画は大丈夫だと思いますが、そうじゃないとこの映画はまったくつまらなく、時間の無駄になるような気がします。絵画ですから、その受け止め方はその人次第なんです。だから、ストーリーもあまりなく、印象的な映像と音(自然の音だったり、クラシックだったり)の繰り返しが続くのだと。でもそこには必ず地球、自然、命というキーワードが入っているのです。



DVDでは観ない方がいいと思います。もし、これを読んで観たいと思った方はぜひ劇場でご覧になってみてください。テレビではこの感覚が薄れてしまいそうな気がします。僕もこの映画は劇場だから観れたと思います。これが家庭のテレビだったらきっと途中でやめてしまっているか、チャンネルを変えてしまうかもしれません(笑)。

一緒に行った相方は「なんだか、ぜんぜんわからなかった」と言っていました。でもこれもきっとこの映画の感想としてみれば、正しいのかもしれません。絵画もそういうものですから(笑)。わからない絵画ってたくさんありますよね(笑)。


映画という概念ではない、この映画。

こういう表現もあるだなって改めて感じました。

人間ってすごい(笑)。