Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

ミルク

2009-05-02 15:33:19 | 映画
今回は今公開している映画「ミルク」について。まぁ、これはゲイとしてみればいないわけにはいかない(笑)映画ですよね。相方といっしょに観にいって来ました。

ハーヴェイ・ミルクのことは以前から知っていました。その生涯についても。でも、実際に映像として観るのはインパクトがありました。


ここで内容を少し。

40歳になったミルクに恋人ができます。この恋人との出会いによって、ゲイの活動家として、目覚めていくことになります。この活動はゲイだけにとどまらず、人種、労働差別、などマイノリティにむけて、「人権を守ってほしい」という訴えをしていきます。何度も市政委員に立候補するのですが落選をしてしまいます。ですが、ミルクはついにゲイとして初めて、当選してしまうのです。暗殺の強迫などにも負けることなく、支持を確実に得ていくのです。
しかし、これを良く思わない、同僚の委員がいたのです。市長もミルクに味方し、自分には誰も注目されないとして、最終的にこの人物が市長とミルクを射殺してしまうのです。ゲイを嫌っている人達から殺されるのではなかった、というところが皮肉です。

この有名な話を、監督のガスバンサンドはうまく最後までもって行きます。一瞬だけ監督が映画の中にでてきますよ(笑)。

また、アカデミーの脚本賞を獲った、脚本もよくできています。

あと、やはりショーン・ペンの演技がすごいです。ほんとうにミスティックリバーと同じ人?って思うくらいで。ゲイの役っていうと、どうしても女性っぽい感じになることが多いのですが、僕たちゲイからしてみると、ああいう感じのひともいるけど、ほとんどのゲイは普通の人なんですよね(笑)。今回の演技は「普通の人」にの中に「ゲイっぽさ」を出しているという「演技」がすごいんですよ(笑)。なんとなくゲイの匂いをさせるって難しいと思うんですよね。演説の時の腕の上げ方は、オネエっぽいのですが(笑)。

男性同士のキスシーンやSEXシーンもありますが、とてもうまく撮っているから多分、ノーマルな方が観ても大丈夫のような気がします(笑)。

同性愛者を病気として片付け、不適格人物とする風潮はまだまだ根強く残っているアメリカですが(キリスト教の考えによるところのようです)、この映画ができてそして、アカデミーで賞を獲ったということ自体、大進歩ではないですかね。

サンフランシスコのカストロ地区はミルクの拠点となったところ。現在でもゲイがたっくさんいます(笑)。僕も行ったことあるんですが、町全体が「ゲイ」って雰囲気で(笑)。なかなか楽しかったです。


日本はあそこまでのオープンさは無いものの、ゲイをとりまく環境も変化していってくれるといいのですが。