Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

ブラインドネス

2008-11-28 18:22:45 | 映画
今回は、今公開している映画「ブラインドネス」について。

予告編から気になっていたのですが、単なるパニック、感染映画ではなく、原作の「白い闇」のイメージとおりの、なんとも文学的な作品でした。

ここで、内容をすこし・・・


突然、目の前がまっしろになる奇病に感染していく人々。そんな中、たった一人だけ感染しない女性がいます。政府は感染者を隔離施設へ収容していきます。その中に感染者の夫を守るように、その女性も「感染しているとうそをついて」収容所へ。初めは、人数も少なくその女性がいろいろと世話をしていて比較的平和だったその収容所。しだいに感染者の数が増して、収容所は無法地帯になっていくのです。食料の奪い合い。殺人。レイプ。
人間という生き物をこれでもかと見せ付けられます。
軍によって、監視されていたはずの収容所も、気がつけば監視している軍もいなくなっています。
感染を防ぐことができなったのです。収容所からでたその女性と夫を含む数人の仲間は、彼女の家に向かいます。街は感染者達によって、やはり無法地帯となっていたのです。
家について、手料理で晩餐をした翌日、一人の感染者の視力が・・・

一人だけ目が見えている女性をジュリアンムーアが好演しています。日本からも木村桂乃も参加して、国際色豊かなキャストです。

観客はその女性の視覚を通してその現実を見る形になります。それはあまりにも、過激で、悲劇的で、希望がありません。でも、それが「人間だ」と言っているような気がしました。この点が、この映画を好きになるか、おもしろくないと感じるかの分かれ目だと思います。僕はこの映画を気に入りましたが、もう1度観たいかといえばそうではないかもしれません(笑)。

みなさんにおすすめできる映画ではありませんが、映画が好きで、メイレレス監督(ナイロビノ蜂)が好きな人であれば一見の価値はあります。DVDなどで家でみるより、劇場で観たほうがいいと思います。

ゲイの視点からは、あまりいいところはありません(笑)。